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インド株陽性が14都府県219人 すでに市中蔓延と専門家指摘
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/290461
2021/06/12 日刊ゲンダイ
インド株蔓延。ワクチンも切り札にならず(C)共同通信社
10都道府県に発令中の緊急事態宣言が期限の20日に解除され、東京五輪開幕直前まで「まん延防止等重点措置」に移行する案が浮上しているが、そんな甘い対策が変異ウイルスに通用するのか。感染力の強いインド株は市中に蔓延しつつあり、勢いを増すとみられるからだ。
厚労省によると、空港検疫を除く国内で確認されたインド株陽性者(7日時点)は12都府県87人。日刊ゲンダイが自治体発表や報道を基に、11日までの陽性者数をまとめたところ、14都府県で219人に上った(別表)。首都圏1都3県が135人と突出。東京と神奈川ではインド株のクラスターが発生している。神奈川県の担当者は「海外渡航歴がなかったり、感染経路不明の方も増えています。市中蔓延を強く示唆するデータだと認識しています」(医療危機対策本部室)と警戒感を強めている。
西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「インド株を見つけるスクリーニング検査が自治体で始まりつつありますが、遅すぎます。せめて2週間早く検査を開始して、早期発見・隔離により、市中感染を食い止めるべきでした。検査数が少ないのに200人超の陽性者が確認されているのは、市中でかなり蔓延していることを示しています」
厚労省の専門家組織「アドバイザリーボード」の9日の会合で、京大大学院教授の西浦博氏(理論疫学)は、インド株が7月中旬に流行の半数、下旬には8割を占めるとの試算を示している。
ワクチンは武器になるのか。
政府の目標通りに進めば、7月中には65歳以上の高齢者の接種は完了予定。英国ではファイザー製を2回接種後、2週間の時点でインド株発症を88%防ぐという研究結果が発表されている。
「高齢者の重症化を防ぐ効果は一定程度はあるでしょう。ただ、効果が出るまで接種後2週間かかります。また、ほとんどの若い世代は未接種。ワクチンは7月のインド株流行に対する切り札にはなりません」(中原英臣氏)
インド株は従来株の1.8倍の感染力があるとされる。その上、日本人の6割が持つ白血球「HLA-A24」の攻撃から逃れる変異を持ち、ワクチンが効きにくくなる可能性もある。広げてはいけなかったウイルスが大暴れ。
東京五輪どころじゃなくなるんじゃないか。
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