http://www.asyura2.com/21/senkyo281/msg/385.html
Tweet |
日本の国益のためには「菅首相の退陣」が必要 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/290354
2021/06/11 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
〈無能な役人が、賄賂を貪る役人よりも害を及ぼすことはより深刻である〉/(C)日刊ゲンダイ
この国の将来に対する不安は大きくなるばかりだ。それは、政界、官界、経済界、マスコミ、司法など、ほぼ全ての分野において、「責任ある地位にある人」が「あるべき発言」をしなくなっているからだ。
【写真】この記事の関連写真を見る(10枚)
江戸時代後期の儒学者で、大坂町奉行組与力だった大塩平八郎の著書「洗心洞箚記」にはこう記されている。
<利益を求める心が偉大な学者達にも媚を売る妾婦の態度をとらせる。なんと恐るべきことではないか>
<無能な役人が、賄賂を貪る役人よりも害を及ぼすことはより深刻である>
「無能な責任者」は「賄賂を貪る責任者」よりも、はるかに大きい害を国に与える。1990年ごろまで、各省庁には「あるべきこと」を主張する官僚がおり、それが主流だった。外務次官の就任訓示で、「東西古今、外交のプロを大切にする国は栄え、おろそかにする国は衰える」とあいさつした故・柳谷謙介氏は、常に懐に辞表を持っている気持ちで仕事に臨んでいた。
日本の政財界で、「強い者に従うことが人生の生き方」といった風潮が確立したのは小泉純一郎元首相の郵政民営化からであろう。
反対する人々を放逐する。それを世論は拍手喝采した。そして菅義偉首相の今、極致に達した。
2020年9月の自民党総裁選の際、政治的に決定した案件について官僚が反対してきた場合の対応を問われた菅首相はこう答えていた。
「私どもは選挙で選ばれているから、何をやるという方向を決定したのに、反対するのであれば、異動してもらう」
一方、石破茂元幹事長はこう答えた。
「その人が反対したことも自分の信念に基づくものであれば、その後、不利な取り扱いをしてはいけない。組織全体が萎縮してしまう」
菅首相が決める政策とは何か。それは国益というよりも、総理大臣という座を守る党利党略が最優先されているのではないか。なぜなら、菅首相の政治姿勢に異を唱えて排斥された人の主張の方が国益に近いからだ。
最近も、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が東京五輪開催について、「パンデミックの中での開催は普通でない」などと発言。これに対して菅首相が、「黙らせろ」などと怒りを爆発させていると報じられた。
コロナ対策を含め日本は重大な岐路に立っている。各界の責任者が「あるべきこと」を発言することを牽制する菅首相は日本の国益にはならない。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK281掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK281掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。