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菅首相にとって「進むも地獄、退くも地獄」のデッドライン 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/290306
2021/06/10 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
尾身会長(右)は「日本のファウチ」になれるのか(C)JMPA
米国の新型コロナ対策の総指揮官であるファウチ国立アレルギー感染症研究所所長は、トランプ前大統領が振りまくフェイク情報を公然と批判し、「バカ者」などと罵られ、辞任圧力までかけられても臆せずにその姿勢を貫いた。そのため、一部の狂信的な支持者を除く大半の国民は、トランプのデタラメさをますますはっきりと知るようになり、そのことが昨秋大統領選でのトランプ敗退の一因となったといわれている。
さてそこで、我が国の「専門家」代表として菅義偉首相の記者会見などでも常に横にいて、紙がないとしゃべれない菅を補佐してきた尾身茂新型コロナウイルス感染症対策分科会会長は、果たして「日本のファウチ」になれるのかどうか。その天下分け目の勝負どころが10日後に迫ってきた。
東京・大阪・沖縄などの緊急事態宣言と埼玉・千葉・神奈川などのまん延防止措置の期限が一斉に訪れるのが6月20日で、それが東京五輪開会式の33日前。それまでに「コロナ禍はほぼ克服した」と内外に向かって堂々と宣言できる状況がつくれれば、五輪開催に突き進むことができるかもしれない。が、あと10日間でその状況をつくり出すことは誰が考えても無理なので、菅はおそらく例えば東京について緊急事態宣言をまん延防止措置に切り替えるなどして、事態が改善に向かっているかのように説明し、五輪中止の判断を下すことを回避しようとするだろう。
そこが「日本のファウチ」の決定的な出番となる。「いや、総理、この状況で1カ月後に五輪を開催することは不可能です」と言い放つわけである。
さあ、その時に菅はどうするか。尾身会長がそこまで言うなら「もはやこれまで」と諦めて中止を宣言するという国民から見て常識的な選択は、菅にとっては自らの引責辞任に直結しているので99%ありえない。とすると、今までと同様、専門家の意見はあくまで参考程度であって、決めるのは「最高権力者である俺だ」という傲慢な態度で尾身を突き飛ばして前に進むしかあるまい。
そうなると、尾身が辞表を叩きつけて抗議の意を示せば世論の称賛を得るし、半面、菅は非難囂々の嵐にさらされることになるだろう。菅にとっては「進むも地獄、退くも地獄」の絶体絶命のデッドラインが目前に迫っている。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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