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コロナ第4波では重症者高止まり クスリが効きにくい衝撃!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/289922
2021/06/01 日刊ゲンダイ
第4波は退院までの日数も長い(C)共同通信社
東京260人、大阪98人、兵庫29人――新型コロナウイルスの新規感染者数は目に見えて減少傾向に転じているが、その一方、重症者数は高止まり状態が続いている。第4波では抗ウイルス薬が効きにくくなっている可能性が浮上している。
◇ ◇ ◇
第3波の重症者数の最多は1月27日の1043人だった。この日をピークに2月28日には434人まで減った。
それに対して、第4波は5月26日の1413人が最多。第3波のピークの1.4倍のうえ、なかなか減らない。同31日の重症者数も前日より2人増えて1349人だった。
重症者が多いのは、英国株が蔓延していることが影響している可能性がある。英国株の重症化リスクは従来株の1.4倍とされる。「第4波では、重症患者向けの抗ウイルス薬『レムデシビル』を投与するケースが増えています」(医療関係者)という。
英国株に感染すると発症から重症化するまでの日数が短く、重症者数の急増につながっている。加えて、退院までの日数が長くなる可能性が出てきている。
新型コロナウィルスの治療薬「レムデシビル」/(ギリアド・サイエンシズ提供)
考えられる原因は2つ
さらに、クスリが効きにくくなりはじめているという。5月31日の岐阜新聞によると、コロナ治療をしている市民病院では「レムデシビル」を投与しても症状の改善が鈍いという。退院までの日数が延びる傾向が見られる。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「クスリが効きにくくなっている原因は2つ考えられます。レムデシビルは特効薬ではありませんが、長くコロナ治療に使われてきました。時間が経てばウイルスは薬に対する耐性ができます。また、英国株が影響している可能性があります。従来株よりもウイルス量がかなり多くなっていることが、抗ウイルス薬の効き目を低下させているのかもしれません」
変異株のウイルス排出量は従来株の100〜1000倍という海外の論文もある。
コロナ治療を巡っては、気がかりな現象がある。感染爆発に見舞われたインドでは、コロナの感染者が免疫低下に陥り、別の感染症「ムコール症」を併発するケースが相次いでいる。コロナ治療の際のステロイド薬投入や集中治療室での酸素注入が原因とみられている。ムコール症は鼻や目の異変や、吐血を引き起こし、致死率も高い。インドメディアによると、200人以上が死亡したという。
「感染拡大を長引かせると、より厄介なウイルスに変化し、薬も効きにくくなります。薬に過度に期待することは危険です。感染拡大を早期にゼロに近いところまで抑え切ることが何よりも重要です」(中原英臣氏)
それにしても手ごわいウイルスだ。
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