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イモトアヤコ聖火リレー辞退をめぐるワタナベエンタの横暴を鳥取県知事が暴露!「事務所のお偉いさんが」「恫喝された」
https://lite-ra.com/2021/05/post-5900.html
2021.05.26 イモトアヤコ聖火リレー辞退をめぐるワタナベエンタの横暴を鳥取県知事が暴露! リテラ
とりネット/鳥取県公式サイトより
新型コロナウイルスの変異株の猛威が全国に広がり五輪中止論も高まるなか、強行され続けている聖火リレー。芸能人ランナーの辞退も続出し、公道でのリレーを中止する自治体も相次いでいる。
そんななか、鳥取県の平井伸治知事が、聖火リレーをめぐる組織委員会と大手芸能事務所の横暴を暴露した。
鳥取県といえば、徹底した検査と隔離で感染拡大を全国最小レベルに抑制してきた自治体。その鳥取県では5月21日、22日と聖火リレーが行われたが、ガンバレルーヤのまひる、イモトアヤコ、マラソン銀メダリストの森下浩一氏などの著名人ランナーが辞退していた。
この辞退のうち、まひるをめぐっては組織委員会が、イモトアヤコをめぐっては所属事務所であるワタナベエンターテインメント(以下、ナベプロ)が、鳥取県に対して、圧力と取られかねない理不尽きわまりない対応をしていたのだ。
まひるは、聖火リレー最大のオフィシャルスポンサーであるコカコーラ「い・ろ・は・す」ブランド枠ランナーとして、出身地でもある鳥取県内を走ることが発表されたのだが、組織委はメディア向けにまひるが「公道を走る」とした資料をリリースした。
しかし、鳥取県は、人だかりを作らないために著名人は公道を避けるよう組織委に要請し、まひるは大規模店舗の駐車場の一角で観客を制限して行うことになっており、この情報は間違いだった。県側は、組織委に対して即座に訂正を求めたが、組織委は訂正を拒否。「機会を見て新しい情報として出す」としていたが訂正しないまま放置。しかもリレー直前の5月18日になって、組織委は県側から正しい情報を出すよう求めてきたのだという
情報が錯綜するなか、同日まひるは自身のインスタグラムで、〈人がいない場所を走るとお聞きしていたのですが、一部で私が公道を走ると誤解されるような報道があった〉ことから地元に迷惑をかけるのではないかと不安を覚えたとして辞退を表明。こうした経緯について、平井知事は「本来は組織委やスポンサー企業がやるべきこと」「私たちに尻ぬぐいをさせようとした」と怒りを滲ませた。
当初訂正を拒否したところを見ると、組織委が「まひるが公道を走る」と公表したのも、単なる間違いでなく、公道で走ることをゴリ押ししようとしていたのではないかとさえ思えてくる。
■イモトアヤコの辞退を発表した鳥取県を「事務所のお偉いさん」が「恫喝」!
一方、イモトアヤコの辞退をめぐっては、前述したように、イモトの所属事務所であるワタナベエンターテインメント(ナベプロ)から、圧力があったことを、平井知事が明かした。
イモトがランナーを辞退することが初めて公になったのは、4月22日午前の平井知事の定例会見でのこと。平井知事はこの会見で、聖火リレーでのコロナ対策として、ルート短縮、観客制限、著名人ランナーは公道を走らない、などの見直しを報告。それに続けて、イモトと森下元選手の辞退も発表した。いずれもランナーサイドからの辞退だったとして、その理由をこう説明した。
「2人の著名人ランナーのサイドのほうからは、越境してこういう鳥取に来るということに対する懸念を感じていますというお話とか、それから所用があってもともといろんなスケジュールのおありの方々でありまして、所用があって辞退というようなお話もいただきました」
イモト辞退はすぐ大きく報じられ、感染拡大防止に対する配慮には賞賛の声が上がった。ところが、その日の午後になって一転、鳥取県の担当者が「県が大会組織委員会を通じて事務所に辞退を要請した」と平井知事の会見での説明を誤りだったと訂正。イモトも自身のインスタグラムで〈今回『鳥取県実行委員会からの感染拡大の懸念により著名人の公道走行は御遠慮頂きたい』と要請があったこともあり、このような決断させて頂きました〉と説明した。
それを受け、メディアが「イモトさん、リレー辞退理由訂正 鳥取県の当初説明は誤り」と報じると、鳥取県には「嘘つき」などと非難の声が上がった。
しかし、5月20日の平井知事の会見によると、辞退はやはりイモト、ナベプロ側からの申し出によるものだったのだが、ナベプロ幹部の「恫喝」で無理やり鳥取県側が要請していたことに訂正させられてしまったのだという。
平井知事によると、鳥取県は島根県知事の聖火リレー中止発言を受け、3月から聖火リレーの見直しを検討し始めたのだが、そもそもそれ以前の段階ですでにイモトは組織委を通じて聖火ランナー辞退を申し入れていた。理由は「スケジュールの都合」。県は組織委か事務所が辞退を発表するのだろうと待っていたが、一向に発表されない。聖火リレーに関し最終決定する実行委員会を迎えてもまだイモトの名前は残ったまま。困った鳥取県は、関係者と打ち合わせた上で、4月22日の平井知事の会見でイモトの辞退を発表したのだという。
ところが、ナベプロはこの発表に激怒し、信じられないような行動に出る。平井知事はその状況について、5月20日会見でこう説明した。
「その(4月22日)昼休みに、担当者が血相を変えて私の部屋にやってきたんですね。事務所のお偉いさんが怒っていますと、こういう言葉でありまして、その表情を見て私は顔面の顔色を失っていますし、体も声も震えたような形でございまして、これは恫喝されたなと思いました。それで、そういうようなことで、いったいどういうことにその後なったかというと、それは皆さんの御案内のとおりで、私は、実はそこはあまり深くは立ち入っていませんが、結局、前日の実行委員会の後、鳥取県が辞退をお願いをした。それに応じて辞退をした。こういうことでストーリーが変えられていたんですね。」
結局、ナベプロ側の要望により、担当者は知事の会見での説明を誤りだったとして「前日の実行委員会の後、鳥取県が辞退をお願いをした。それに応じて辞退をした」と一転させたのだ。
■同じナベプロの恵俊彰は緊急事態宣言下で『ひるおび』を途中退席し聖火リレーへ
それにしても、なぜナベプロの「お偉いさん」は、担当職員が震え上がるほどに激怒したのか。
イモトは辞退したことでバッシングを受けたり炎上したりしたわけでもなく、むしろ感染拡大防止への配慮に賞賛の声が上がっていたくらい。それをわざわざ、「県から辞退を要請した」と虚偽の説明までさせるべく圧力をかけた理由はなんなのか。
その背景として、考えられるのがナベプロの東京五輪への異常なまでの肩入れだ。
実際、2019年12月に聖火ランナーが発表された際も、多数の芸能人のなかでも、政権べったりの吉本興業の芸人たちと並んで目立っていたのが、ナベプロ所属の芸能人の多さだ。群馬県で選ばれた中山秀征、東京都で選ばれた中川翔子、広島県で選ばれたアンガールズ・田中卓志、鹿児島県で選ばれた恵俊彰……。
しかも、聖火リレーの中止論が取り沙汰されたりランナー辞退者が続出するなかでも、『ひるおび!』(TBS)でMCを務める恵俊彰や、『バイキングMORE』(フジテレビ)の曜日レギュラーである田中卓志は、自分は辞退しないとわざわざ言及していた。
田中は結局、緊急事態宣言が延長となったため辞退することになったが、恵は故郷・鹿児島での聖火ランナーを強行している。
恵が聖火ランナーを務めたのは、4月28日のことで、すでに東京では緊急事態宣言が出ており、都外への移動自粛が呼びかけられていた。また聖火ランナーは、感染対策として、走る2週間前から会食や人手の多い場所への外出を避けるよう求められていたが、恵は同日の『ひるおび』午前中いっぱいまで出演し、鹿児島に向かったのだ。
ちなみに恵が聖火ランナーを行なった鹿児島県では、市は違うが、聖火リレーの交通整理を担当していた職員ら6名が感染するクラスターが発生している。このクラスターと恵らの鹿児島入りに因果関係があるとは思わないが、感染が拡大している都市圏から何人も人が動けば、その地方に感染が拡大するリスクがあることは、現在の北海道や沖縄の感染状況を見ても明らかだ。
緊急事態宣言の最中、明日からGWが始まるというときに、お昼の帯番組の司会者が番組途中で聖火リレーのために地方へ旅立つというのは、視聴者に対して都市圏から地方に旅行していいんだという誤ったメッセージにもつながる。
情報を扱うワイドショー司会者の行動とは思えないが、逆に言うと、それくらい、ナベプロは五輪に肩入れしていたのである。
■ナベプロ名誉会長は安倍首相の母・洋子氏と旧知の仲、恵俊彰は菅首相と…
そして、その肩入れの背景にあるのは、やはりナベプロと政権との癒着関係なのではないかといわれている。ナベプロいえば、安倍首相の母・洋子氏と渡辺美佐名誉会長が旧知の仲で、古くから清和会との関係が深いことで知られ、近年も美佐名誉会長が産業遺産国民会議の評議員を務めていたり、渡辺ミキ社長が所属タレントたちを引き連れて「桜を見る会」に参加するなど安倍政権と近かったことで知られている。
さらに看板タレントのひとり恵俊彰がMCを務める『ひるおび』は、安倍政権・菅政権通じて応援団番組の筆頭で、とくに恵は菅首相と近く、官房長官時代に会食をしていたという話もある。
いまさら説明するまでもないが、菅首相は政権浮揚のために、五輪開催を何としても強行しようとしている。そんななか、ワイドショーの司会者として大きな影響力をもつ恵が聖火ランナーを辞退したら、五輪中止派が勢いづき、自分たちが応援する菅首相に敵対することになりかねない、と判断したのではないか。
そして、イモトの辞退を鳥取県のせいにしようとしたのも同様だろう。4月22日、イモトが緊急事態宣言が出ていない鳥取県の聖火ランナーをイモト側からの申し出で辞退したことを明かされてしまったため、ナベプロ幹部は政権ににらまれることを嫌がったのはもちろん、どうしても強行せねばならない1週間後の恵の聖火ランナーにも影響を与えかねないと考えたのではないか。
平井知事は、芸能人ランナーをめぐるトラブルを明かした上で、聖火リレーについて、「我々が招いたわけではないコマーシャリズムが色濃くあるかもしれませんが、それは、また見ていただいて今後のオリンピックを考えるきっかけに」と語っていたが、オリンピック強行の裏側には、コマーシャリズムだけではなく、今回垣間見えた政治権力との癒着などの問題もある。そして、そのために、国民の健康を平気で危険に晒そうとする横暴。まさにグロテスクというしかない。
(編集部)
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