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トラブル続出のワクチン大規模接種センター予約システム 運営会社の背後に自民党人脈
https://dot.asahi.com/dot/2021052200028.html
2021.5.23 07:30 吉埼洋夫 AERA dot.
岸防衛相(C)朝日新聞社
菅義偉首相の肝いりで東京と大阪で5月24日から開設される防衛省のワクチン大規模接種センターの予約サイトでトラブルが続出している。
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架空の番号を入れても予約できるという重大な欠陥があることをAERAdot.は17日夕方、『【独自】「誰でも何度でも予約可能」ワクチン大規模接種東京センターの予約システムに重大欠陥』と特報。
岸信夫防衛相は18日朝の会見でAERAdot.が指摘した欠陥を認め、一部改修することを明らかにした。だが、報道に対し、「貴重なワクチンそのものが無駄になりかねない極めて悪質な行為」などとツイッターに投稿し、それを引用する形で、実兄の安倍晋三前首相も「極めて悪質な妨害愉快犯」などとツイートした。
朝日新聞出版は19日、「(AERAdot.は)取材過程でシステム予約をおこなったが、情報の真偽を確かめるための必要不可欠な行為であり、記事にある通り、確認後にキャンセルしております。(略)記事は極めて公益性の高いものと考えております」との見解を公表した。
こうした騒動後も予約システムを巡ってはトラブルが相次いでいる。
板橋区で接種券番号など正しい番号を入力しても予約ができないトラブルが22日までに数十件、確認された。目黒区では予約サイトで情報を入力したあとに間違いがあることに気づき修正すると、予約が進めなくなるトラブルが数件、あった。渋谷、品川、新宿、北区などでも同様のトラブルが確認された。それぞれの区が防衛省に対応を問い合わせると、「わからない」と繰り返すばかりだったという。
なぜ、これほどまでにトラブルが相次ぐのか。情報セキュリティやITシステムに詳しい明治大の齋藤孝道教授はこう見る。
「今回の予約システムは当初、それが招くリスクを積極的に対処しているとは言えなかった。いたずらレベルの対策や、入力ミスの対策に関する想定が十分でなかったように見えた。元々スケジュールに無理があったが、責任者が何を捨てるべきで、何を捨ててはいけないのかの判断が甘かった可能性がある」
また、関係者の間でどういうシステムになっているのか、どう運用するつもりなのかを共有できていなかったようだとも指摘する。
「そのような状況では、接種会場で予約を取ったつもりの人が現れるなど様々な混乱を招くことになるかも知れません」
今回、予約を含めて会場の運営を防衛省から受託したのは「日本旅行」(東京都)だ。入札は行われず、約19億5千万円の随意契約だった。しかし、予約サイトを見ると、運営は「マーソ」社(東京都)になっている。
人間ドック・健診予約サイトを運営するマーソ社は、今年2月に日本旅行と接種業務について業務提携を結んでいた。自治体などにワクチン接種システムを売り込んでおり、鳥取市は国と同じように、3月からワクチン接種事業を委託している。日本旅行がコールセンター、会場の受付、接種券の発送などを担い、予約システムはマーソが担当するという役割分担だという。
鳥取市によると、予約サイトと接種券番号と生年月日の情報は紐づけられており、予約サイトで認証を行っている。東京センターで起こったような架空の番号で予約ができたり、反対に正しい番号で予約できないなどのトラブルは、「特に起きていない」(同市担当者)という。
なぜ、今回のシステムは鳥取市のように予約サイトと生年月日、接種券番号などの個人情報を紐づけることができなかったのか。
岸防衛相は18日の会見で「虚偽予約を防止するシステムを短期間で実現するのは困難」「接種対象となる国民の個人情報を防衛省が把握することは適切ではない」とその理由を述べた。こうした発言に対し、防衛省の関係者はこう見る。
「岸防衛相は個人情報ともっともらしい言い訳を言っていますが、ようは菅官邸が各省や自治体との事前調整なく、トップダウンで『24日に大規模センターをつくる』とぶち上げたことが原因です。日付ありきで開設が決まり、押し付けられた防衛省は、システムに不具合が想定されても、間に合わせるために見切り発車をせざるを得なかった」
トラブルは起こるべくして起こったというのだ。
「出鼻をくじかれる結果となりましたが、そもそも各自治体が大規模接種センターを設置し、そこへサポート役として自衛官を派遣する形を取っていれば、余計な混乱は起こらなかったはずです」(同前)
ワクチン予約のシステムで注目を集めることになったマーソ社だが、取材を進めると、実は自民党人脈とつながりがある会社であることがわかった。
マーソ社は15年に、「Sシステム」の子会社として設立された。Sシステムはゴルフ場向けのシステム開発を行っている会社で、マーソ社の現社長・西野恒五郎氏の父が1982年に茨城県で立ち上げた。Sシステム会長だったのは、恒五郎氏の祖父で、地元では大物自民党議員として知られた西野恒郎氏(故人)だ。
恒郎氏は内閣官房長官や自民党幹事長を歴任した梶山静六氏(故人)の盟友でもあった。梶山氏も西野氏も自民党の茨城県議出身で、県議会議長を務めた。西野氏はその後、衆議院議員になった梶山氏の後援会長も務めた。梶山氏は菅首相が「政治の師」と崇める人物で、息子の弘志氏は菅首相に抜擢され、経済産業相を現在、務めている。
それだけではない。マーソ社の西野社長のフェイスブックで「友達」のページを見ると、多くの大物自民党議員がフォローされていた(現在は解除されている)。
さらにマーソ社の役員を見ると、人材派遣大手パソナグループ会長で、菅首相のブレーンとして有名な竹中平蔵氏が16年より経営顧問に就任。また、社外取締役として大物弁護士の熊谷信太郎氏が名を連ねていた。熊谷氏は熊谷綜合法律事務所(東京都)の所長で、吉村洋文大阪府知事の元上司だ。
今回の予約サイトを受注した経緯やトラブルについて、マーソ社の見解を書面で質問したが、下記の回答があった。
「防衛省様にてご説明なさっている状況にあり、弊社からの回答は控えさせて頂きます。なお、ご質問事項には思い込み等に基づくものが散見されることを付言致します」
回答にある「思い込み等」とは何か尋ねたが、回答はなかった。
パソナグループを通して竹中氏にも、今回の予約システムの欠陥について、マーソ社や防衛省などに何らかアドバイスをしたかなどの質問を送ったが、「当社は回答する立場にございません」(広報部)との回答だった。
防衛省は今回の予約システムの欠陥をどう改修するのか、竹中氏の存在を契約前に知っていたのかなど質問状を送ったが、「調整中」と言うばかりで具体的な回答はなかった。
今回の予約システムの欠陥に関してAERAdot.では17日から問い合わせを何度もしているが、防衛省から具体的な回答が寄せられたことは一度もなかった。
24日にスタートする高齢者へのワクチン大規模接種センターでトラブルが起こらないことを祈るばかりだ。
(AERAdot.編集部 吉崎洋夫)
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