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小池知事「五輪中止」のタイミング…重なる4年前の都議選 小池知事「伏魔殿都政」を嗤う
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/289211
2021/05/17 日刊ゲンダイ
2017年6月の都議選で大勝し笑顔を見せる小池都知事(C)日刊ゲンダイ
小池知事の動向に注目が集まっている。5年前、“崖から飛び降り”て都知事の座を射止めた人である。風を読んで、東京オリンピックの中止をいつ言い出すのか分からない。そんな声があちこちから聞こえてくる。
小池知事が中止を言い出すタイミングとして、「6月1日表明説」がある。この日は第2回都議会定例会の開会日。本会議場で所信表明を読み上げる中で、知事自ら五輪中止をぶち上げる、という見立てである。しかし、可能性は低いだろう。新型コロナウイルスの変異株拡大とワクチン接種の進行がせめぎ合う中、状況は極めて流動的である。さすがの小池知事もフライングは避けなければならない。動くタイミングとして時期尚早である。
では、いつ、どのような形で小池知事は動くのか。ヒントは4年前にあった。
4年前の2017年6月を思い出していただきたい。前年の16年8月、都知事に就任した小池氏は11月に迫った築地から豊洲への市場移転を延期すると表明、年明けには地下水の基準値越えの汚染も発覚した。都政は築地か豊洲かで真っ二つに割れ、マスコミは連日「知事の決断近し」とその動向を伝えた。しかし、当の小池知事は、都議選直前になっても都民をじらすかのように態度を明確にしなかった。
都議選告示日の3日前、小池知事は突如、基本方針「築地は守る・豊洲を活かす」を発表。築地残留を色濃く示す内容だった。そして、7月2日の都議選で、「都民ファーストの会」(都ファ)が圧勝したのは周知のとおりである。
既視感を強く感じるのは私だけではないだろう。世論を二分する二者択一の大問題。間近に迫る都議選。耳目を集める小池知事の動向。今と4年前、比べれば比べるほど、すべてが瓜二つなのである。
「築地か豊洲か」を「五輪開催か中止か」に置き換える
さらに付言すれば、4年前の都議選から3か月後、衆議院選挙が行われた。その際、小池知事は「希望の党」を立ち上げた。今年も秋までには衆院選が必ず実施される。国政選挙に至るまで、コピペしたようにそっくりな展開である。希代のポピュリスト・小池百合子氏がこの状況を利用しないわけがない。「築地か豊洲か」を「五輪開催か中止か」に置き換えて、進撃の狼煙を上げるのは確実である。
ならば、それはいつか。今年の都議選に関する日程は以下の通りだ。6月1日〜7日は令和3年第2回都議会定例会。6月25日は都議会議員選挙告示日、7月4日投開票。つまり、小池知事が動くとすれば、都議会定例会と告示日に挟まれた期間である。必ず何かを仕掛けてくる。
だが、4年前と決定的に異なる点がある。市場移転問題は、ある意味、前任者たちに起因する問題であり、自らの責任は小さかった。しかし、五輪開催問題はそうはいかない。まさに小池知事が当事者であり、開催都市のトップが直接、五輪中止に言及するのは大きなリスクを伴う。小池知事として、五輪開催に疑問や不安を抱く都民感情を最大限利用したいのは山々だが、今回は自分が前面に出て動き回る手法がとりづらい。彼女なりに悩ましいのである。
そこで選択肢として浮上するのが、都議選における都ファの活用だ。小池知事は都ファの特別顧問であり、実質的なオーナーである。都ファにとっても小池知事頼みは4年前と変わらない。おそらく、自身の別働隊として都ファを操縦し、選挙公約に「五輪中止」を打ち出すことを小池知事は考えている、私はそうにらんでいる。
東京五輪開催可否を政争の具にしてはならない
選挙公約であれば、知事が言った言わないの責任論から逃れられる。仮に開催となっても一会派の考えであると言い訳が立つ。
この選挙公約作戦はメリット満載だ。五輪中止を都ファが公約に掲げれば、都民の相当数の賛同を得ることが可能である。苦戦が伝えられる都ファが盛り返せば、小池知事の政治的なプレゼンスは嫌が上にも高まるのだ。衆院選の布石としても十分である。
もちろん、小池知事が動かなくても共産党都議団は五輪中止を声高に主張するが、小池知事肝入りの都ファが公約に掲げるのとでは影響力が違う。小池知事の動き次第で都議選に対する世論の関心は一気に高まり、心情的に五輪開催に不安を感じる多くの都民を引きつけることになるだろう。
都議選である以上、本来ならコロナ対策の評価やコロナ後の東京のあり方などが問われてしかるべきなのだが、絶対にそうはならない。小池知事の巧妙な世論操作によって、今回の都議選は好むと好まざるとに拘わらず、五輪開催か中止かを問う「都民投票」の様相を呈することになるのである。
確認しておくが、小池知事にとって五輪が開催されようが中止になろうがそんなことはどうでもいい。五輪開催か中止かのシンプルな二者択一問題を都議選にぶつけて都民感情を煽り、政治状況に揺さぶりをかけて自らの政治的存在感を高める、それさえできれば万事OKなのだ。
小池知事は、漠然とした都民の不安感に付け込むのが誰より上手い政治家である。4年前、市場移転問題は小池知事の手によって政争の具と化した。同様に、東京オリンピック・パラリンピックまでもが同じ轍を踏んでしまうのか。小池知事による五輪の政治利用を許してはいけない。
澤章 東京都環境公社前理事長
1958年、長崎生まれ。一橋大学経済学部卒、1986年、東京都庁入都。総務局人事部人事課長、知事本局計画調整部長、中央卸売市場次長、選挙管理委員会事務局長などを歴任。(公)東京都環境公社前理事長。2020年に『築地と豊洲「市場移転問題」という名のブラックボックスを開封する』(都政新報社)を上梓。YouTubeチャンネル"都庁OB澤章"を開設
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