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コロナに翻弄されるなか…「禁断の領域」に踏み込む菅政権 三枝成彰の中高年革命
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/289167
2021/05/15 日刊ゲンダイ
改憲派の集会「公開憲法フォーラム」にビデオメッセージを寄せた菅首相(C)共同通信社
新型コロナウイルスの感染拡大に翻弄される日本政府は、かつての黒船来航に右往左往した江戸幕府とそっくりだ。自主性がまったく感じられない今の官僚たちは、ちょうど幕末の役人のようである。
ワクチン接種の遅れは安倍前総理や加藤前厚労相(現官房長官)のころから引きずっているものだが、彼らが官僚たちに裁量を与え、仕事をさせなかったことにも大きな原因がある。
政府がコロナに翻弄され続ける一方で、菅総理自身は着々と自分の計画を進めているように思う。最近、森友学園問題の渦中に亡くなった元近畿財務局の赤木さんが作成したとされる「赤木ファイル」がにわかに表に出て、国がその存在を認めた。菅総理は“安倍封じ”をしたのではないか。これで関係者への追及が再燃すれば、次期総裁選への出馬を考える安倍さんを抑え込めるというわけだ。
彼はみなが思っているよりずっとしたたかで剛腕である。そして、過去のどの総理も踏み込めなかった“禁断の領域”にも踏み込もうとしているように見える。偉業を成し遂げた英雄として、歴史に名を残そうと考えているように思われてならない。
菅さんは、原発の再稼働や福島第1原発の処理済み汚染水の海洋放出も認めた。これは経済界のトップたちには受けがいい。彼らを味方につけるための方策とも思える。
そして浮上してきたのが憲法改正だ。つねに改憲を唱えていた安倍さんと違い、菅さんに積極的な発言はあまりないが、緊急事態条項を憲法に盛り込むことには意欲的だ。
これは危うい。
何が緊急事態なのか、決めるのは政府である。そうなれば、国民の私権を制限するのも思いのままだ。理由はどうにでも後づけできる。憲法に規定があれば、国民を戦争に駆り立てることも、理屈の上では可能。法の名の下に、新たな徴兵制を敷くことさえできるのだ。
そんなときに「ロックダウン」を望む人たちが増えているのも、恐ろしい。ロックダウンはつまり戒厳令である。そこには政府が国民を誘導し、戦争に向かう危うさが潜むことに気づくべきだ。戦前のナショナリズムや国家総動員法の二の舞いになる。緊急事態条項を規定した憲法は、戦争をする大義名分になるのだ。もし米中間に戦争が起きたら、それこそ緊急事態だ。米国の同盟国である日本も加担することになる。そのとき、国民はいやでも従軍するはめになるだろう。
また、日本の社会が公平なようでじつは不公平なのも問題だ。先日、ある地方の飲食店主の話を聞いた。個人経営で、今回のコロナ禍で400万円近くの給付金をもらったという。倒産する企業も増えているさなかにだ。
そうした問題のいずれもが、菅総理にはかえって好都合なのかもしれない。
コロナ騒動も、巷にはびこる不公平・不平等も、“禁断の領域”に踏み込む呼び水で、「問題解決のために必要だ」と訴え、レガシーを残すつもりなのだろう。
しかし、だ。
そんなレガシーなど、国民にとっては“負の遺産”でしかない。国民のひとりとして、その片棒を担がされるのはまっぴらだ。いま声を上げなければ、やがて言いたいことも言えなくなり、最後には国に自由を奪われる。
そうならないために私たちが持つ唯一の手段は、選挙に行くことだ。政府にNOを突きつけるには、投票で民意を示すしかないのだ。
三枝成彰 作曲家
1942年、兵庫県生まれ。東京芸大大学院修了。代表作にオペラ「忠臣蔵」「狂おしき真夏の一日」、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」、映画「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「優駿ORACIÓN」など。2020年、文化功労者顕彰を受ける。
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