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変異株けん引コロナ第4波“ネズミ算式”に感染大爆発の恐れ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/288912
2021/05/10 日刊ゲンダイ
「倍々ゲーム、ネズミ算式に広がる」と、西村康稔コロナ担当相(C)日刊ゲンダイ
「倍々ゲーム、ネズミ算式に広がる。これが大阪で感染が急速に拡大した状況だ」――。9日のNHK日曜討論で西村コロナ担当相は「変異株の脅威」をそう表現した。流行が先行した大阪と兵庫の深刻さが際立っているが、変異株の全国展開はこれからが本番。一体どんな事態が待っているのか。
◇ ◇ ◇
大阪と兵庫では、すでに4月中旬には感染力が強い英国型変異株が陽性者の8割を占めていた。第3波と比べると、その威力は明らかだ。
第3波では大阪の最多感染者数が654人(1月8日)、兵庫は324人(1月9日)だったが、9日までの第4波の最多はそれぞれ1260人(4月28日、5月1日)と629人(4月24日)。ともに第3波の1.9倍だ。これがピークとも限らない。まさに「倍々ゲーム、ネズミ算式」である。
変異株は今月中に全国でも主流になるとみられ、大阪や兵庫のような事態は各地で十分起こり得る。第3波での全国の最多感染者数は7957人(1月8日)だから、1.9倍なら1万5000人を超える計算だ。
すでに第3波の1.9倍、大阪や兵庫のような事態は各地でも十分起こり得る(GW中の大阪ミナミ・道頓堀周辺)/(C)日刊ゲンダイ
重症者数も“倍々”で増えていく可能性 |
重症化の勢いもはるかにしのぐ。重症者の数字は感染者数の増加から遅れて反映される。第3波の重症者数は、感染者数が最多だった1月8日の11日後に1000人を超え、19日後に1043人とピークに達した。
第4波の重症者数は、5月1日に1000人を突破したが、10〜20日前ごろの感染者数は4000人前後で推移していた。つまり、第3波では感染者が8000人に迫った後、重症者は1000人を突破したが、第4波では感染者4000人程度でやすやすと1000人の壁を超えたのだ。それだけ変異株は重症化しやすいと言えよう。
9日も重症者数は1144人と過去最多を更新したが、まだ序の口かもしれない。
感染者数のピークアウトが見通せない中、重症者数も2000人、4000人と倍々で増えていく可能性は否定できないのだ。
厚労省の資料によると、全国の重症病床の確保計画数は3687床、医療機関と調整しているのは4539床だ(5日時点)。危険水域とされる使用率50%を超え、あっという間に重症病床が逼迫していく恐れがある。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「英国型変異株は、感染力が強く、重症化率が高い。重症に至るまでの時間も短いと、随分前から指摘されてきました。また、変異株の蔓延した大阪や兵庫では入院できない患者があふれかえる光景を目のあたりにしています。ところが、延長した緊急事態宣言も対象はわずか6都府県。変異株の猛威に対しては焼け石に水と言えます。それでも菅政権が危機感を募らせているようには、まるで見えません。医療崩壊してからでは手遅れです。すみやかに全国に緊急宣言を発令すべきです」
このままでは大阪や兵庫のような惨事が日本中で起こってしまう。
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