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沖縄に必要な21世紀的イマジネーションの「大風呂敷」 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/288562
2021/04/29 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
陸自配備で「空白解消」を強調(奄美駐屯地)/(C)共同通信社
5月の大型連休が明けて15日となると、沖縄返還から50周年の1年前の記念日である。私がこれから1年間かけて取り組みたいと思っているのは、半世紀前に沖縄が「祖国復帰」という言い方をして大いに「祝賀」されたのは正しかったのかどうかの徹底検証である。
いや、もちろん、そのまま米軍の直接占領下に置かれていた方がよかったという選択肢などあるはずもなかったのだから、「祖国復帰」そのものはそれでよかったのだけれども、このような復帰の仕方でよかったのかどうかは厳しく問い直されなければならない。
50年前というと私は27歳の駆け出しの記者で、その年に他の先輩記者たちとの共著で「君の沖縄」という本を出した。当時、政府・マスコミは「核抜き・本土並み」返還とか囃し立てていたけれども、実は本土の方が「核付き・沖縄並み」にさせられて米軍の日米安保上の立場が強化されるのではないかという懸念に加えて、沖縄に初めて自衛隊が進出し、米軍基地への沖縄住民の反発をはね返すガードマンの役割を果たすだけでなく、それをいいことに自衛隊自身の活動範囲を大きく南方に広げようとするのではないかという問題を指摘した。この本はもちろん絶版だが、今もアマゾンの中古本を検索すると「1円」とかで売られているので、ご関心ある向きは参照していただきたい。
私はこの本の42ページに「一挙に広がる自衛隊の作戦行動〔範囲〕」という図を作成・掲載したのだが、今まさにその通りの陸自による与那国、石垣、宮古、奄美などへの基地建設ラッシュが起きていることに、いささかの先見性への自負を感じている。
かつて大田昌秀知事の時代に「基地返還アクションプログラム」が策定され、それは、日本政府に何を言っても埒が明かないので、沖縄県として米国と直接交渉し、県下の米軍基地について、不要不急のものから順番に3段階に分けて、15年かけて全基地をなくし、その跡地に「国際都市」を形成するという大構想だった。
私が思うに、いま沖縄にいちばん必要なのはこういう「大風呂敷」で、端的に言えば「基地をなくして東アジアの平和の大拠点にする」という21世紀的なイマジネーションである。来年秋は玉城デニー知事にとっては再選をかけた試練の時だが、それが成るかどうかは、私が思うに彼がどれだけの「大風呂敷」を広げられるかにかかっている。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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