http://www.asyura2.com/21/senkyo280/msg/508.html
Tweet |
※週刊朝日 2021年5月7・14日合併号 紙面クリック拡大
室井佑月・作家
イラスト/小田原ドラゴン
室井佑月「AIが政府無策を読み取った?」
https://dot.asahi.com/wa/2021042700041.html
2021.4.29 07:00 連載「しがみつく女」 室井佑月 週刊朝日 2021年5月7−14日合併号
作家の室井佑月氏が、政府は国民世論を気にして、思いつきで判断していると批判する。
* * *
先週のコラムに、自民党の二階幹事長が4月15日、TBSのCS番組の収録で、東京五輪・パラリンピックについて、「これ以上とても無理だということだったらこれはもうスパッとやめなきゃいけない」と発言した本意はどこにあったのか、というようなことを書いた。
選挙が近いから、国民世論におもねってそういう発言をしたのかと。じつは二階氏だけじゃなく、菅首相も国民世論を非常に気にする方だと思っている。
緊急事態宣言を発令したのも、まん延防止等重点措置を出したのも、あたしたちの「ほんとうにそれでコロナは収束するの?」という声に押されてだった(天敵の小池百合子さんより先に、というのもあったかも)。そんなもんはリーダーシップでもなんでもない。
感染者が何人、もしくは何人の検査をして陽性率がなん%だったら、緊急事態宣言やまん延防止措置を発動するのか? 感染者が何人、もしくは何人の検査をして陽性率がなん%だったら、それを解除するのか? 緊急事態宣言とまん延防止措置との線引きはどこにあるのか。今もってあたしたちに明確な説明はない。
説明することができないからだ。世論の反応などを鑑みて、すべて思いつきで判断しているに違いない。
彼らの考えていることは、自分らの選挙のことだけ。東京五輪も、新型コロナウイルスも、選挙に絡めて、付随しての物事だ。
だから選挙後、日本はどうなっているか、国民はどうなっているか、ということに対し、彼らの心が見えてこない。
東京五輪があってもなくても、選挙は10月には終わる。そしてそれまでに、ワクチン接種は終わっていない? 選挙に勝って国民におもねる必要のなくなった政権が、相変わらずPCR検査も十分に行わないまま、ワクチン接種を迅速に進める努力を放棄したり、去年のGo Toのようなむちゃをしたりしたら、世界中で感染が沈静化していく中で、日本だけ感染が爆発してしまうかもしれない。
東京五輪で、世界各地の種類の異なる変異株が日本に持ち込まれる可能性も、また様々な変異株を世界中に拡散してしまう可能性だってあるのだ。
筑波大学の倉橋教授がAIを使って行った予想では、政府が緊急事態宣言と同等の行動制限をしたとしても、10月20日には東京都の1日の感染者数は5600人、全国では1万人を優に超えてしまうという。もし、行動制限をしなければ1日22万にも達するという結果だ。
このAIは、まるで政府の無策を読んで、計算をしているようだ。倉橋教授には悪いけど、この予測が外れることを祈るばかり。
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK280掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK280掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。