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国民は生贄か!五輪組織委の選手用病院確保報道に怒りの声
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/288528
2021/04/28 日刊ゲンダイ
大阪コロナ重症センターでの研修風景(C)共同通信社
「アスリート・ファースト」とは果たしてこういう意味だったのか――。
東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会が、今夏に予定される東京五輪大会に出場するアスリートに新型コロナの感染者が出た場合に備え、受け入れるための指定病院を準備しているとJNNが報じた。
報道によると、指定病院は大学病院や都立病院などで、都内に10カ所程度、都外に20カ所程度を確保する方向で調整を進めているという。
東京五輪は海外からの観戦客の受け入れ中止を決めたものの、予定通りであれば参加選手だけでも約200カ国・地域から約1万人に上り、このほかに各競技連盟や審判、メディアら想定される大会関係者は約5万人ともいわれる。
選手村や競技会場で新型コロナのクラスターが発生した場合の万一の対応なのだろうが、日本国内は東京だけでなく、すでに全国あちこちで医療体制がひっ迫している状況だ。さらに東京五輪のために病床や医療従事者を確保しておくとなれば、現場はさらに大混乱してしまうだろう。
このままだと、東京五輪は予定通り開催されたとしても、選手村や競技場の外では、入院できずに自宅などで亡くなる新型コロナ感染者が続出するかもしれない。まさに最悪の展開で、ネット上でも<俺たちは五輪にいけにえ><人命よりも五輪ファースト>といった批判が続出している。
万全の競技環境を整えることが真の意味の「アスリート・ファースト」
都内は3回目の緊急事態宣言が発令され、不要不急な外出自粛の呼び掛けとともに繁華街は夜の消灯まで要請されている。プロ野球なども無観客試合となる中で、五輪だけは何事もなかったのように着々と準備が進められている状況は矛盾の極みだし、何よりもアスリート自身が快く思わないだろう。
夏季五輪は3年後の2024年にパリ、28年にはロサンゼルスで予定されている。日本も世界も、とにかく今はコロナ対策に全力を尽くし、将来に向けて万全の競技環境を整えていくことこそが、真の意味の「アスリート・ファースト」ではないか。
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