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印で猛威 二重から三重変異株に進化し日本上陸“秒読み”か
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/288397
2021/04/25 日刊ゲンダイ
インドの感染者は連日30万人以上(C)ロイター
新型コロナウイルスの感染爆発に見舞われているインド。22日には1日の新規感染者数が世界最多となる31万4835人に上った。いったんは収まった感染が再拡大したのは、ウイルスに2つの変異が見られる「二重変異株」が原因のひとつだと指摘されている。ところが、今度は「三重変異株」が確認されたというから驚きだ。
◇ ◇ ◇
インドは昨年9月に第1波に見舞われ、1日当たりの新規感染者数が10万人近くまで増加したが、ワクチン接種が始まったこともあり、今年2月中旬には1万人ほどに減少。
ところが、3月から感染爆発に襲われ、あれよあれよと感染者は増え続け、4月5日に初めて10万人を突破すると、15日には20万人に達し、22日から連日30万人を超えている。わずか2カ月の間に感染者は30倍である。
インドはワクチンの「製造大国」だ。それでも感染爆発は収まらないのだから恐ろしい。専門家は「二重変異株」が急拡大の要因と指摘している。
その闘いの真っただ中、追い打ちをかけるように現れたのが「三重変異株」だ。
インドメディアによると現地の研究者らは「三重変異株」を「ベンガル株」と命名。「二重変異株」から進化したとみられており、4つの州から集めた検体から2件確認されたという。
気になるのは、感染力やワクチンへの影響だ。
カナダのマギル大教授のマドカフ・パイ氏(疫学)は「三重変異株」について、現地メディア(NDTV)の取材に、「さらに感染力のある変異株です。とても速いスピードで多くの人に感染している」と指摘。免疫を回避する可能性を念頭に、「ワクチンを調整し続けなければならない。そのためには、この病気を理解しなければならないが、闘いながら分析する必要がある」と、警鐘を鳴らしている。
水際対策はザル(成田空港で帰国・入国者のPCR検査を行う検疫担当者)/(C)共同通信社
国内に流入する恐れも
いったい、どこまで変異を続けるのか。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「ウイルスが変異するのは当然ですが、新型コロナほど変異しやすいウイルスは人類史上初めてではないか。無症状で感染を広げる“巧妙さ”もある。多くの人が感染すればするほど変異の確率は高まるので、感染拡大を抑えない限り、どんどん変異していくでしょう」
日本でも22日、「二重変異株」が国内で5件確認されていることが判明したばかり。政府は「水際対策や監視体制の強化を通じ、感染拡大防止策を徹底していきたい」(加藤官房長官)と意気込むが、世界で主流となった変異株の侵入を「漏れなく」許している。
空港検疫はPCR検査よりも精度が劣るとされる抗原検査を採用しており、このままでは「三重変異株」が日本国内に襲来するリスクは高い。
「本気で流入を防ぎたいなら、あらゆる入国を止めるしかありません。春節で中国人観光客が押し寄せ、第1波につながりましたからね。中途半端な対策のまま、政府は同じことを繰り返すのでしょうか」(中原英臣氏)
「三重変異株」の怖さは未知数だ。注意しても、し過ぎることはないが、日本に上陸するのはもう秒読みかもしれない。
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