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ひたすら「感動」をあおる五輪報道 皆はき違えていないか ラサール石井 東憤西笑
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/287601
2021/04/08 日刊ゲンダイ
奇跡の復活の池江選手には頭が下がるが…(C)共同通信社
本当にオリンピックやるんですか?
水泳の池江選手が日本選手権100メートルバタフライで優勝を果たし、東京五輪リレーでの出場権を得た。白血病から2年でのこの成果は奇跡的で、その努力、その精神力には心底頭が下がる。涙のインタビューは感動的で、コロナ禍の暗い世の中、国民に大きな勇気を与えた。
コロナがなければ開催は去年だったわけだからおそらく復活はなかったことを思えば、なんとも予想外の展開で、今回の大会が無事開かれて出場させてあげたいと思うのは人情だろう。ひねくれた私の心にもそういう気持ちはある。
しかし、選手や国民の純粋な気持ちを利用して「よし。これでやれる!」とほくそ笑んでいる不純なやからがその向こうにいるかと思うと、前回の大会で10歳ぐらいだった頃のようなオリンピック万歳と思える少年の気持ちにはなれない自分がいるのだ。それは1年前の国立競技場に池江選手を一人立たせ「2020+1」と謳った、あのピッグ辞任の佐々木氏の演出に違和感を覚えた、物事の裏を見てしまう大人になった自分である。
おりしも国際水泳連盟が、日本で行われるはずだった飛び込みやアーティスティックスイミング(旧シンクロ)の予選の中止を通達した。日本の水際対策が甘く、審判などから行きたくないという声があるという。それどころか、今年、中国・成都で行われるはずの学生のオリンピックである世界ユニバーシティーゲームズですら、もうすでに来年に延期されているのだ。
北朝鮮は早々と不参加を表明した。さて各国はどうなるのか。
ここ何回かの大会では200カ国以上が参加しているが、30カ国ぐらいになるのではという予想もある。
PCR検査もワクチンも国民の99%以上が行っていない国に来るのにはかなりの勇気がいるだろう。それでも聖火ランナーは走っている。SNS上では悪名高いあのゴテゴテした派手な照明とうるさい音楽の宣伝カーに先導されて。彼らはひたすら感動をあおる。
相模原市の市長はパラリンピックの聖火の採火を、あの凶悪事件が起きたやまゆり園でやるという。遺族には何も知らせずにである。「事件を風化させないために」と言うが、風化も何も人々の記憶にまだ生々しく残っている。40人以上が殺傷された事件現場を聖地のように扱うのには違和感がある。
皆なにか「感動」をはき違えていないか。
オリンピック=感動という図式はいつから生まれたのか。感動はあらかじめ用意したり演出するものではない。ましてや強制されるものではない。何かの結果、人々の心に自然と湧き起こるものである。
オリンピック本当にやるんですか。やるんでしょうね。
今は終わった後が心配です。まるで焼け野原のようなディストピアにならないことを願います。
ラサール石井 タレント
1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。
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