http://www.asyura2.com/21/senkyo280/msg/159.html
Tweet |
※2021年4月6日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2021年4月6日 日刊ゲンダイ2面
【鼻白む五輪メディアの感動押し付け】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) April 6, 2021
池江の復活と五輪開催可否は別問題
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/ty8u4Ib4tP
※文字起こし
白血病を乗り越えてつかんだ五輪の切符――。奇跡の復活劇が世論に与える影響は計り知れない。
4日の競泳日本選手権で、女子100メートルバタフライに出場した池江璃花子選手が優勝。400メートルメドレーリレーの派遣標準記録をクリアして東京五輪出場を決めた。
「自分が勝てるのはずっと先のことだと思っていた。すごくつらくて、しんどくても、努力は必ず報われるんだなと思った」
2019年2月の白血病判明から、闘病生活を経て返り咲いた日本一。彼女が流す涙に多くの人が心を打たれたものだ。
人気者に便乗するのが好きな安倍前首相も5日、自身のツイッターを更新して、こう称えた。
<池江選手、本当におめでとうございます。「自分がすごくつらくてしんどくても、努力は必ず報われる」。白血病から復帰し、オリンピックの代表へ。ここまで重ねてこられた努力は本当に並大抵のものではなかったと思います>
<そして、いよいよ夢の舞台。感動と勇気をありがとう。オリンピックでのご活躍を祈念しています>
「桜を見る会」前夜祭の問題だけで118回も虚偽答弁をするのも並大抵のことではないが、まさか、病気を理由に辞任し、コロナ対策を放り投げた自分と池江を重ねているのか? せっかくの感動ストーリーも、大嘘つきに「感動をありがとう」なんて言われると鼻白んでしまう。
「日本にとって意味がある」
「池江選手の回復は喜ばしいことですが、安倍氏の持病はどうなったのでしょうか。良くなったのなら、こんなふうにシャシャリ出てくる前に、自らの疑惑の数々について説明すべきです。安倍氏のツイートは、池江選手の活躍を人気取りと五輪開催ゴリ押しに利用しようとしているだけに見える。在任中に何の成果も残せなかった安倍氏にとって、汚染水は『アンダーコントロール』と世界に大嘘を言って引っ張ってきた東京五輪は唯一のレガシーになり得るので、どうしても開催して欲しいのでしょうが、復活劇を五輪開催の世論醸成に利用されたら、池江選手も迷惑でしょう」(政治評論家・本澤二郎氏)
池江の五輪内定を報じた英BBC放送は、優勝シーンの写真を見せながら「彼女にとって重要な瞬間であるだけでなく、日本にとっても意味がある」と伝えていたが、その通りだ。
この新型コロナウイルス禍で、今夏の五輪開催中止を求める世論は日増しに大きくなっている。
大阪、兵庫、宮城の3府県では5日から「まん延防止等重点措置」が初めて適用され、14日に予定されていた大阪市内での聖火リレーも中止になった。
聖火もつなげなくて、五輪を予定通り開催できると考える方がおかしいだろう。
ワクチン接種も遅々として進まず、厚労省の発表によれば、全国の接種回数は5日時点で約120万回と、まだ人口の1%にも達していない。約480万人の医療従事者はもとより、65歳以上の高齢者への接種が五輪開幕までに完了するのか甚だ心もとない状況だ。
世界に目を転じても、感染拡大で再びのロックダウンを余儀なくされている国は少なくない。7月までに地球規模で収束している可能性は低く、世界各国から選手やスタッフが来日することへの不安もある。そもそも予選開催や国際交流試合、トレーニングもままならない状況で、世界中の選手が万全の状態で臨めない五輪にどれほどの意味があるのか。
アスリートそっちのけの利権ファーストで政権延命 |
五輪の中継権を持つ大スポンサーの米NBCまでもが、日本で聖火リレーがスタートした際には「セレモニーが偽善であり、害悪であり、バカげているということを浮き彫りにしているだけではなく、この歴史的瞬間に、日本全体がオリンピックに向けて突き進んでいるという問題を表している」という寄稿をニュースサイトに掲載するなど、国際世論が中止論に傾く中、開催国の世論は最後の砦と言ってもいい。
今回、池江の活躍に日本中が沸き立った。これだけの感動をもたらした池江は、何としても開催したいIOCや大会組織委員会、政府にとって救世主だ。
「財界や政治は、間違いなく池江選手への期待感を五輪開催ムードの醸成に利用するでしょう。大メディアも感動ストーリーを垂れ流して協賛しています。コロナ禍は言うに及ばず、招致の段階から裏金疑惑もあり、“コンパクト五輪”“復興五輪”とうたっていたのに開催費用は過去最大に膨れ上がり、東京五輪優先で復興が置き去りにされるなど、この五輪は何から何まで欺瞞に満ちている。森喜朗前会長の発言や開会式の演出案で組織委の人権意識の低さも次々と明らかになりましたが、ここへきて五輪の人件費委託が1日当たり30万円というトンデモないカネの使い方まで報じられている。これらの薄汚い事実も池江選手の美しい涙で忘れ去られるのなら、美談に弱い国民性に政治もメディアもますますつけ込んでくるでしょう。科学的根拠も合理性もない薄っぺらな商業主義で、結局はアスリートのためでも被災地のためでもなく、利権ファースト、電通ファーストの五輪なのです。それを政権延命に利用しようとしているのが自民党で、池江選手の努力が卑しい政治の思惑で台無しにされてしまうのは本当に気の毒です」(本澤二郎氏=前出)
ウイルスに美談は通用しない
五輪メダリストの有森裕子氏も、NHKの番組で「五輪開催の理由に選手やスポーツを使うのはやめて欲しい。社会ファーストだ」と言っていた。
自分の利益しか考えていないヤカラほど、偽善ヅラして「ナントカファースト」を掲げるきらいがる。アスリートファーストとは、東京五輪を無理やり開催することではないはずだ。コロナ禍が一日も早く収束し、世界のトップレベルの選手が平等な条件で競い合える環境を取り戻すことが望まれているのではないか。
東京五輪関連の著書がある作家の本間龍氏が言う。
「池江選手が病気を乗り越え、復帰したことは純粋に喜ぶべきことです。しかし、五輪を取り巻く環境はまったく変わっていないし、コロナの感染拡大はむしろ状況が悪化している。池江選手への敬意や期待と、五輪開催の可否は別問題だと冷静に考える必要があります。水泳にかぎっても、国際水泳連盟は4〜5月に日本で開催予定だった飛び込み、アーティスティックスイミング、オープンウオーターの東京五輪最終予選を中止する意向を表明している。ワクチン接種も進まない日本は、大会を開催できる状況にないということです。個々の選手が五輪出場やメダル獲得を目指して努力していることに変わりはなく、池江選手だけをフィーチャーするのは安直な商業主義と言わざるを得ません。今夏の東京五輪を開催したいのであれば、今すぐ全国一斉にロックダウンして外出も禁止し、検査徹底と陽性者の隔離でコロナ収束に本気で取り組むしかない。それをやらずして、池江選手頼みで世論を誘導するのは無理があるでしょう」
池江の努力は尊いし、3年後のパリ五輪が目標と言いながら東京五輪の出場権を得たことは驚嘆に値するが、ウイルスがお涙頂戴の美談に感動して感染拡大を自粛することはない。
彼女が今夏の五輪で活躍できるかどうかはコロナ対策次第であり、応援する気持ちがあるなら、政府の後手後手を突き上げるべきだ。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK280掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK280掲示板 次へ 前へ
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。