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東京五輪「聖火リレー」の偽善と危険性とばかばかしさ 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/287325
2021/04/02 日刊ゲンダイ
「止まらない暴走列車」/(C)共同通信社
「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てる」
五輪憲章にこう掲げられている通り、五輪は崇高な目的を持っている。
ところが、東京五輪は出発点から歪んでいた。
安倍前首相は2013年、ブエノスアイレスで招致演説し、「福島にお案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、制御されています」とあいさつ。その後、招致をめぐり、東京五輪の招致委員会がIOC(国際オリンピック委員会)委員に賄賂性の疑いのある金銭を渡していたことも発覚した。
政府は五輪開催を政治的に利用し、菅首相は今年1月の施政方針演説で、「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして、また、東日本大震災からの復興を世界に発信する機会としたい」と語った。
「新型コロナウイルスに打ち勝った証し」と言っていたが、新型コロナは今もなお世界に蔓延している。誰もが東京五輪が開催する時に新型コロナが収束しているとは思っていない。つまり、「新型コロナウイルスに打ち勝った証し」は虚偽発言と言っていいだろう。
さらに現在、廃炉作業が進められている福島原発では、<福島第1原発で見つかった「桁違い」の高濃度汚染 原子炉格納容器の上ぶた、デブリに匹敵の4京ベクレル>との報道があったばかりだ。安倍前首相の招致演説から約8年たった今日でも、全く「制御」されていないのである。
日本政府は世界に「嘘」を発信し続けている。そして、その欺瞞を世界が暴露し始めた。
3月3日の英タイムズ紙は、日本政府やスポンサー企業が五輪開催を推進していることについて、<止まらない暴走列車>と批判。<今、日本政府はお金と名声のためにこれらを犠牲にしようとしている>と報じた。
新型コロナが猛威を振るう中、東京五輪を行う積極的な理由は、IOCがテレビ放映で巨額の金額を得ることぐらいしかない。
米国で放映権を持つテレビ局はNBCである。このNBCが聖火リレーについて<新型コロナが大流行する中、公衆衛生を犠牲にする危険がある>と指摘し、福島県からのスタートを<この儀式の偽善、危険性、ばかばかしさを浮き彫りにする>と報じた。
福島からのスタートは危険な地を安全という欺瞞だ。日本の大手メディアは、果たして聖火リレーの偽善と危険性と、ばかばかしさを報じたのだろうか。
危険でばかばかしい聖火リレーが日本中を駆け巡り続ける間、世界の国々もまた、日本を「ばかか」と呆れながら見つめているのである。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
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