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※2021年3月23日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2021年3月23日 日刊ゲンダイ2面
【案の定の溢れる人出】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) March 23, 2021
ワクチン来るだけ 後は野となれ山となれ
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/VZFibmiOA9
※文字起こし
2カ月半ぶりに「緊急事態宣言」が全面解除された。待ってましたとばかり、案の定、人出が急増している。
全日空によると、22日の国内路線の予約件数は5万5000人と、緊急宣言期間中の2倍に達したという。今週末は1日当たり7万人の予約が入っているそうだ。これまで旅行を控えていた人が、もう我慢できないと、一斉に観光地に飛び出している。
夜の繁華街も、間違いなく人が増えるはずだ。ただでさえ気候が良くなり、歓送迎会や花見と、酒を飲むシーンも増える。2カ月半も我慢を強いられた反動もある。
しかし、ここまで人の動きが活発になって大丈夫なのか。人の流れが増えれば、当然、新型コロナウイルスの新規感染者が増えるからだ。リバウンドが起きる懸念が大きい。
昨年5月、1回目の緊急宣言が解除された時も、あっという間に新規感染者が増えてしまった。解除した5月25日、全国の感染者は21人にまで減っていたのに、1カ月後の6月26日には100人を突破し、7月29日には1000人を突破。「第2波」が起きてしまった。昨年末からはじまった「第3波」も、クリスマスや忘年会、GoToキャンペーンによって人流が活発になったことが原因だった。
首都圏に先立って緊急宣言が「先行解除」された大阪や兵庫は、すでにリバウンドしている。しかも、感染力の強い変異株が全国に広がり、週1・5倍のハイペースで感染者が拡大している状況である。このままでは「第3波」が完全に収束する前に、「第4波」に襲われてしまうのではないか。
医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏がこう言う。
「どうして、このタイミングで緊急宣言を解除したのでしょうか。新型コロナは夏と冬に流行することが分かってきました。夏に向かってこれから感染者が増えるということです。変異株が拡大していることも危険要因です」
東大の仲田泰祐准教授のチームの試算によると、宣言解除後の東京の感染者は、6月には1日当たり1200人を超える恐れがあるという。昨年末の数字に近い。現在の4倍以上だ。その場合、3回目の「緊急宣言」が発令されるだろう。
世論調査で内閣支持率が上昇し、支持40%、不支持39%と3カ月ぶりに支持が上回った菅政権は、「底を打った」と大喜びしているそうだが、ここら辺りが菅政権のピークなのではないか。4月に訪米し、さらに支持率アップを狙っているようだが、感染者が増えたら再び支持率が下落するのは確実である。
ワクチン接種は自治体に丸投げ
緊急宣言を解除した時、西村経済再生相は「制御できるレベルだ」と豪語したが、まさか本気で制御できると思っているのか。本当は緊急宣言の効果がなくなり、打つ手がなくなったのが、真相だろう。要するに、感染拡大覚悟のヤケクソ解除だ。
もはや、菅政権はワクチンに一縷の望みをかけるしかない状況だ。二言目には「ワクチン接種が広まれば見通しが立ってくる」と口にしている。
しかし、そのワクチンを巡ってもアクシデント続きだ。全国民分のワクチン確保の目標時期も、「今年前半」から「年内」となり、「来年2月末」へと後ろ倒しするありさまである。
この調子では、ワクチン接種が本格化したら、さらに混乱が広がるのは目に見えている。
ある自治体関係者がこう嘆く。
「菅政権のやり方は酷すぎます。ワクチンを『切り札』と言っているのに、そのワクチン接種に責任を持たず、自治体に丸投げです。配るだけで終わりと言わんばかり。接種に当たる人材や会場の確保も、自治体任せです。担当者からは悲鳴があがっています。しかも、何人分のワクチンがいつ届くかも不透明だから、医療従事者や会場の確保もままならない。現場には混乱が広がっています」
ロジスティクスが得意な米国でさえ、一時、ワクチンが不足し接種会場が閉鎖に追い込まれた。ワクチン接種はそう簡単な事業ではないのだ。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)が言う。
「1億2000万人に2回打つワクチン接種は、まさに国家プロジェクトです。一自治体がこなすのは、極めて困難。国がガイドラインをつくるなど、お膳立てしなければなりませんが、政府はワクチン確保が不透明だから、道筋を示すことができないのでしょう。もっと言えば、失敗した時に自治体に責任転嫁する気ではないか。いずれにせよ、『ワクチンを確保して終わり』は通用しません」
このままでは、ワクチンはとりあえず来るだけ。「後は野となれ山となれ」が菅政権の本音だ。
病床数世界一なのに医療崩壊の愚 |
そもそも、ここまでコロナが蔓延したのは、すべて菅政権の無策のせいだ。政府がキチンと対策していれば、これほどの惨状を招くこともなかったはずである。
海外には、ワクチンに頼らず感染の封じ込めに成功した国もある。例えば、オーストラリアは、21日の新規感染者が4人。コロナ対策の“優等生”台湾も同日の感染者はたった1人だ。
日本もやるべきことをやれば、封じ込められたはずである。
なにしろ日本の病床数は世界一を誇る。人口1000人当たりの病床数は、米国の約4倍、ドイツの1・6倍超だ。医療水準は高く、資金もある。国民も真面目で従順。マスクも手洗いも励行している。他国よりも、コロナを抑え込む「好条件」が揃っているのだ。
それでも、昨年末からの第3波襲来を止められなかった。新型コロナウイルスによる国内の死者は、22日までで8870人。そのうち、6718人が昨年12月以降に亡くなっている。原因は、どう見ても対策の誤りだ。
「病床数が多いにもかかわらず医療逼迫を起こした原因は、多数の施設にコロナ患者を分散させたことです。本来、感染がある程度落ち着いていた昨年秋ごろ、政治主導でコロナ専門の中核施設の設置を進めるべきでした。米国では、大規模総合病院がコロナ重症者を一手に引き受けています。そういった対策を取らなかった政府に大きな問題があるでしょう」(上昌広氏=前出)
日本のトップが菅首相でなければ、この年末年始に6000人も死ぬことはなかったのではないか。
国民の命より五輪開催
この1年間、世界中が学んだことは、経済活性化とコロナ対策は両立しない、トレードオフだということである。
経済を回すためには、まず新型コロナを封じ込めるしかない。実際、コロナ対策が比較的うまくいった台湾、中国、韓国は、日本よりもはるかに経済的打撃が小さい。
なのに、菅政権は「経済を回す」と意気込んでいる。どうして、コロナの封じ込めが景気回復の早道だと分からないのか。このままでは、企業倒産が本格化するのも時間の問題である。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「菅首相のコロナ対策が、ことごとく失敗しているのは、国民の命や健康よりも東京五輪を優先させているからです。五輪開催を優先し、コロナ対策が犠牲にされている。緊急宣言を解除したのも、3月25日に聖火リレーをはじめるためでしょう。五輪開催を断念していたら解除しなかったはずです。でも、感染者が減らないため、五輪開催は国民の支持を得られず、外国人の観客も入れず、寂しいものになりそう。3兆円も投入したのに、見合った経済効果も望めない。まったく、バカみたいな話です」
この週末は各地で桜が満開になる。緊急宣言が解除され、多くの人が花見に繰り出すのだろう。しかし、花見に浮かれている場合なのかどうか。
戦前、日中戦争がはじまった時も、国民は悲惨な結末を予想できず、百貨店の戦勝バーゲンは大盛況となり、皆「勝った」「勝った」と大騒ぎしていた。地獄が待っているかも知れないのに、花見に浮かれる国民は、あの時の国民と同じなのではないか。
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- <投稿者の非表示で納得いかないコメント転記>Re: <案の定の溢れる人出>ワクチン来るだけ 後は野となれ山となれ(日刊ゲン… HIMAZIN 2021/3/28 01:35:56
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