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「緊急事態宣言」と首相、都知事、五輪関係者の歪んだ執念 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/286598
2021/03/18 日刊ゲンダイ
菅政権にとって五輪開催は絶対的生命線(菅首相とIOCのバッハ会長)/(C)共同通信社
延長された緊急事態宣言を解除するのかどうかの決断が迫られるのが今週末である。東京都はじめ首都圏の感染者数などの数値発表を見る限り一進一退の下げ止まり状態が続いていて、とうてい「さあ、もう大丈夫」と胸を張って五輪の選手団や海外からの観客に来ていただこうという気持ちになるのは難しい。
毎日新聞3月14日付の世論調査でも「ただちに解除」7%、「21日の期限で解除」22%に対し、「21日以降も延長すべき」は、宣言対象の首都圏では52%であっても他地域では61%で、半分以上、3分の2近い人々がこの段階での解除に不安を抱いていることが分かる。
それは当然で、そもそも3月7日までだった期限を首都圏に限って2週間延長した際に、なぜ大阪府など他では解除できて首都圏はできないのか、従ってまた、なぜ1週間ではダメで2週間ならいいのか、さらに仮に3週間とした場合にはどういう見通しが生じうるのか、といった合理的説明は一切行われることがなかった。何となく、そのくらいまで国民が自粛してくれれば少しは鎮まってくれるのではないか、という「希望的観測」に頼った延長でしかなかったのである。
毎日新聞(12日付)の投書欄に「延長の科学的根拠は?」と題して、埼玉県の74歳の男性が「解除の基準や2週間の期間の根拠があいまい」であり、結局「4都県の知事が政府への延長要請をするのに先んじて延長を決定して後手批判を払拭する思惑もあったのだろう」と、うがった見方を述べている。それもあるかもしれないが、私の見るところ、そういう政治的駆け引き以前に、菅義偉首相の頭の中は、「25日の聖火リレー出発」から逆算して、その3日前に当たる22日には緊急事態宣言は解除されていなければ五輪開催そのものが危うくなるという危機感で占められていたのではないだろうか。
菅政権にとって五輪開催は絶対的生命線である。五輪が延期・中止となればその時点で菅政権の命運は尽きる。逆に、何としてでも五輪が開催されれば、9月に自民党総裁再選、10月中に総選挙で政権延命という、かすかな生き残りの道が残される。
菅、小池百合子都知事、五輪関係者の「何としても」の歪んだ執念と国民の常識的判断と、どちらが勝るのかが問われている。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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