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※2021年3月16日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2021年3月16日 日刊ゲンダイ2面
【案の定の疑惑の社長、国会招致】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) March 17, 2021
これじゃあ 消化試合の中の茶番劇
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/P9coj4E6TF
※文字起こし
野党も菅政権と握っているのか。そう勘繰りたくなるほど、総務省汚染をめぐる国会審議は期待外れのスッカスカだ。第1ラウンドとなったのは、菅首相と関係閣僚が出席した15日の参院予算委員会集中審議。政務三役から幹部官僚まで手厚く接待してきたNTTの澤田純社長、菅首相の長男が勤める東北新社の中島信也社長が参考人として出席し、NHKが夕方まで生中継したが、関係者の国会招致を要求した野党の追及の生ぬるいこと。両社長とも開口一番に「心よりお詫び」と口にしたものの、一連の疑惑はちっとも深掘りされず、真相解明にはほど遠い。
従業員32万人の頂点に立ち、グループ再集結を成し遂げた澤田氏は「私どもは日頃より、例えばマスコミ、あるいは与野党の国会議員の方々をはじめとする各界の有識者の方々と懇談を行い、将来の社会や国際情勢全般について意見交換をさせていただく、そのような場を設けている」とクギを刺し、野党を牽制。何を問われても能面ヅラを崩さず、答弁にはスキがない。
「同じムラの住人」が浮き彫り
NTTをめぐる疑惑の核心はNTTドコモの完全子会社化と、菅の金看板である「携帯料金値下げ」の関連だ。官房長官時代の菅が2018年に「4割下げる余地がある」「競争が働いていない」とブチ上げて以降、NTTによる接待はハイペースになり、菅政権発足から間もなくいずれも実現したのだが、澤田氏は政務三役との会食について「週刊誌に出ていたことで、議員の方々が公表された分については主に事実だ。それ以外の個別の案件については控える」としながら、「常態化しているわけではない」とベッタリを否定。菅との会食の有無については「NTTは3分の1の株を政府が保有している特殊会社。それと同時に上場会社でもある。上場会社の社長が個別にどなたかと会食をしたか否か、これを公の場で公開することは事業に影響を与えるものだと考えている。個別の会食については控えさせていただきたい」とはぐらかす。
一方で、「ミスター携帯」と呼ばれ、菅の懐刀の谷脇康彦前総務審議官は澤田氏との会食時に携帯に関するやりとりがあったと国会答弁。そう指摘されても、「料金値下げは事業者の戦略。私の方から料金の話を出すことはない」とかわし、「谷脇さんが〈そういう話が出たかもしれない〉とおっしゃったとすれば、出たかもしれないが、私はたぶんそこで(話題にするのを)止めたと思う」とシラを切る。ドコモ子会社化についても、「まさしくインサイダー情報そのものなので、どなたにもお話をしていない」と強調した。事業への影響、インサイダー情報。いずれももっともらしく聞こえるが、どうにも腑に落ちない。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)は言う。
「現職大臣をもターゲットにしたNTTによる大掛かりな接待、BS4K放送をめぐる東北新社の外資規制違反。総務省とのズブズブ関係が次々に明るみに出て、世論の批判は高まっている。政府にとって最も重要な来年度予算案は年度内成立がすでに確実で、国会スケジュールもほぼ決まっています。野党に譲歩し、疑惑に向き合っているという絵を作るために与党はアリバイ作りで参考人招致に応じたのでしょうが、両トップのシレッとした答弁から両社ともビクともしていないことが伝わってくる。政官業が同じムラの住民である構図が浮き彫りです。むしろ、国会に呼んだことで一蓮托生だと脅しをかけているようにさえ見える。真相究明を進めるはずの国会招致は有名無実化してしまっています」
総務省に駆け込んだ執行役員が「御礼接待」か |
前社長の引責辞任を受けて先月、副社長から昇格した中島氏は自ら「私はこれまで衛星放送に関わる業務を行っていなかったため、現在も鋭意勉強中」と言った通りで、答弁は「〜と報告を受けている」のオンパレード。当事者能力ゼロの人物が菅の長男について、「本人と面識があった弊社創業者との間で話をする中で当社に来る話が出て、正規の手続きを経て入社した。『なぜ』ということは報告が入っていない」と言いながら、「優秀な若者だが、総務省との接待の要員のためにいたのではない」と擁護したのはマンガだ。接待攻勢については、「〈なぜそんなにたくさん会食しているのか〉と(当事者に)直接聞いたら、本人は〈顔つなぎだ。いつもお世話になっているからお誘いしていた〉と言っていた」とアッケラカン。ア然とさせられるが、新事実も判明した。外資規制違反への対処プロセス、そして接待の理由だ。
東北新社は外資比率20%超だったにもかかわらず、16年10月に申請。17年1月に認定を受けたが、1秒も放送しないまま新設子会社への事業承継を決め、17年10月に認められた。その5日後、吉田真人総務審議官と銀座で会食したのが接待主要メンバーの木田由紀夫執行役員(当時)で、外資規制違反の対応で総務省に駆け込んだその人。「御礼接待」だった疑いがますます濃厚になった。
中島社長は「17年8月4日に担当者が外資規制に違反している恐れがあることに気づき、8月9日ごろに4K認定について木田が総務省の(情報流通行政局)総務課長に面談して報告した」とし、「当方からその(子会社への事業承継)アイデアを出したことは報告を受けている」と説明。これに対し、吉田博史情報流通行政局長は「当時の担当者によると、〈外資規制に抵触する可能性がある旨の報告を東北新社から受けた覚えはない。そのような重大な話なら覚えているはずであり、口頭で済む話ではないのではないか〉とのことだった」と反論し、水掛け論になったが、ズブズブ関係がまたひとつ裏付けられた格好だ。
「疑惑を招く会食」で押し問答
マトモに答えない菅以下、国民愚弄官僚に大甘追及の野党。疑惑の社長の国会招致は案の定の展開で、これじゃあ消化試合の中の茶番劇である。菅は「家族が関係し、結果として国家公務員倫理法違反となったことは大変申し訳なく、お詫び申し上げる」と決まり文句をぶつぶつ言うだけで、総務省問題に対する特別委員会設置を迫られても、「国会でお決めになることだ」と無表情。NTTによる接待の有無を明言しない武田総務相も、「国民のみなさんから疑念を招くような会食や会合に応じたことはない」と相変わらず事実関係の説明を拒否。「国民の疑惑を招く会食」について野党から問われ、「法令に違反するような会食」と答弁したことで、今度は供応接待を禁じる「大臣規範」を含むかどうかで押し問答だ。解釈を問われた加藤官房長官にしても、「してはならないのは国民の疑惑を招くような行為だ」と規定を繰り返すだけ。踏み込んだが最後の地雷なのか。
安倍・菅政権下で進んだ恐るべきモラルの低下と国会審議の形骸化、その成れの果てが今国会の惨状ではないか。なぜ、会食の有無さえ答えないのか。生中継された菅政権、最大の政治案件の当事者たちのスットボケに国民の怒りは募るばかりだ。コラムニストの小田嶋隆氏はこう言う。
「モリカケ桜疑惑で安倍政権を取り逃がした影響は大きい。国会でどれほど追及されようが、のらりくらりかわして時間を稼げば世間はそのうち忘れる。そうタカをくくっているのでしょう。残念なことですが、実際、世間に飽きが広がったのも事実。しかし、国民に自助を強いる政権が身内びいきの上、税金を下げないで携帯値下げで国民の歓心を買おうとは実に姑息ですよ」
16日の衆院予算委はズブズブ疑惑の第2ラウンド。参院と同じ轍を踏めば、批判の矛先は野党にも向くことになる。
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