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宣言解除の障壁 感染リバウンド招いた東京限定「3つの災厄」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/286593
2021/03/17 日刊ゲンダイ
注目を浴びたいだけ(小池百合子都知事)/(C)日刊ゲンダイ
緊急事態宣言の期限まで残り4日。政府は18日にも対策本部を開き、首都圏1都3県の解除の可否を一体で判断する方針だが、最大のネックは東京都の感染増加だ。16日の都内の新規感染者は300人。前週9日より10人増え、実に8日連続で前週同曜日を上回った。感染リバウンドの元凶は何か。都民の気の緩みだけでなく、東京限定の「3つの災厄」が存在する。
◇ ◇ ◇
まず感染経路や濃厚接触者を追跡する「積極的疫学調査」の影響だ。都は1月22日、保健所の負担軽減を理由に調査縮小を通知。感染ピーク時の週(1月4〜10日)に都内の検査数は1日平均1万2371件に及び、12日には過去最大の1万7836件に達したが、調査縮小の通知後はみるみる減少していった。
通知翌週に1日平均1万件を割ると、2月最終週(22〜28日)は6715件。23日は祝日で検査数がガタ落ちしたとはいえ、ピーク時から、ほぼ半減した。
新規感染者数も通知当日の1184人から5週間後の2月26日には270人と大幅に減った。この日、小池知事は積極的疫学調査を通常体制に戻すと保健所に通知。すると、今度は感染者数が右肩上がり。前週同曜日超えが始まったのは、調査再開から11日後のこと。調査を元に戻した途端、感染者数が増加に転じたのだ。
裏を返せば調査縮小が検査件数の大幅減につながり、その間に感染者数が大幅に減ったのは「みせかけの激減」にも思えてくる。都に聞いた。
「感染者が減れば検査数も減るとも言えます。積極的疫学調査の縮小と再開による感染者数の増減への影響は『卵が先か、ニワトリが先か』の議論ではないですが、非常に評価は難しい」(感染症対策部)
薄れる警戒感、増す「密」/(C)共同通信社
変異株蔓延の恐れも都の検査はユルユル
都内の感染急増は、感染力の強い変異株が既に蔓延している恐れもある。それでも都の変異株検査はユルユルだ。厚労省が求める検査の目安は、新規感染者数の「5〜10%」。都の検査率は3月1週(1〜7日)で4.5%、先週は5.3%と、かろうじて目安を上回る程度に過ぎない。
おかげで都の変異株の感染確認例は14人にとどまる。60%超の検査を実施する神戸市は4日までに74人。神戸市の人口は都の9分の1なのに、5.29倍もの変異株感染が見つかっているのだ。いかに都が実態を把握していないか、把握しようとしないかを物語る。
「小池知事もパフォーマンスに明け暮れるだけで感染防止の本気度はうかがえません。1日6万円の時短要請協力金だって店舗の規模に応じたキメ細かな対応を求める声を無視して、不公平を放置。常に注目を浴びるタイミングで、政治的打算に基づいた行動しか取らない。宣言解除後に“第4波”が到来しても『私は解除に慎重だった』と言わんばかりのポーズで、責任を菅政権に押し付ける姿が今から目に浮かびます」(ジャーナリスト・横田一氏)
リバウンドの元凶を“排除”しない限り、感染拡大は終わりそうもない。
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