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※週刊朝日 2021年3月26日号 紙面クリック拡大
首都圏知事“離反”、都ファ続々離党 露呈する小池百合子の限界
https://dot.asahi.com/wa/2021031200049.html
2021.3.14 11:32 上田耕司 週刊朝日 2021年3月26日号
小池百合子東京都知事 (c)朝日新聞社
緊急事態宣言延長の裏で、東京都の小池百合子知事の馬脚があらわれる出来事があった。神奈川県の黒岩祐治知事が3月7日のテレビ番組で、小池氏との不協和音を“暴露”したのだ。
それによると、緊急事態宣言の2週間程度の延長が必要と考える小池氏は、しぶる黒岩氏を説得して1都3県合同で国に要請を出そうと「他の知事たちも賛成している」と言ってきたが、黒岩氏が後で確認すると千葉県の森田健作知事と埼玉県の大野元裕知事も同様に「他の知事は賛成している」などと説明されていた。黒岩氏は「こういうことをやられると信頼関係が薄れる」と小池氏に抗議したという。
小池氏はこれまで4知事で連携して行動することで、国に対しコロナ対策の主導権を握ってきた。政府関係者はこう語る。
「官邸は小池氏の動向を気にしている。今回の宣言延長も『7日に宣言を解除して感染が再拡大したら、都知事から批判される』と考えてのもの。コロナ対策が『対小池』で決まってしまっている」
だが、今回の件で知事間に溝ができれば、小池氏の影響力低下は必至だ。自民党東京都連の深谷隆司・最高顧問がこう語る。
「1月の緊急事態宣言の直前には、小池氏は3知事と連携して国に要請し、菅義偉首相が『後手に回った』というイメージをつくり出しました。しかし、今回はシナリオが崩れたようですね。知事たちも小池氏に利用されているとようやく気づいたのではないでしょうか」
小池氏の足元も揺らいでいる。小池氏が特別顧問を務める都民ファーストの会は、2月に栗下善行都議が離党し、石毛茂都議が除名処分に。2017年の都議選後、党を離れた者は計8人となった。なぜ、去る者が相次ぐのか。19年1月に都ファを離党した奥沢高広都議はこう話す。
「党の意思決定過程が不透明。私は党運営改革の提案書を出すなどしましたが、取り入れてもらえませんでした」
小池氏と都議の関係についてはこう証言する。
「雲の上の人で、そんなに親しく話すという感じではなかった。人にもよるようですが、私の場合、小池さんと議論したり、考えに耳を貸してもらったりということはあまりありませんでした」
政治家として随所で勝負強さをみせる小池氏だが、最大の課題は離れゆく人心か。7月4日の都議選では、前回、都ファと組んだ公明党が自民党と再接近するとの観測もある。前出の深谷氏が語る。
「今、都議会自民党と都議会公明党の幹部が協力関係を相談していて、いい方向に向かっています。自公で政権を取っているんですから、それが自然。今年は衆院選もありますからね。前回はブームにやられましたが、持てる力を発揮すれば、自民党は復活するでしょう」
(本誌・上田耕司)
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