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五輪ありきで4月に“鎖国解除” 高まる「変異株」流行リスク
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/286275
2021/03/11 日刊ゲンダイ
五輪ありきで中止は頭にない(五者協議でリモート参加する橋本聖子組織委会長、スクリーンはバッハIOC会長)/(C)Pool via ZUMA Wire/共同通信イメージズ
東京五輪・パラリンピックのテスト大会が4月から再開される。飛び込みワールドカップ(4月18〜23日)やアーティスティックスイミング(5月1〜4日)の五輪最終予選には海外選手が出場予定だ。菅政権は「緊急事態宣言解除後」に大会関係者の新規入国を認める方針である。変異株による「第4波」の懸念は深まるばかりだ。
◇ ◇ ◇
菅政権は昨年12月末、感染拡大に伴い新規入国を停止。宣言発令と変異株の拡大を理由に、1月14日からは、11カ国・地域に例外的に認めていたビジネス目的の入国も禁止した。
ところが、来月の五輪テスト大会を前に、この「鎖国」を解くつもりだ。現状では、家族が日本にいる場合など「特段の事情」があれば、例外的に入国を認めている。この例外措置を大会関係者や海外アスリートにも認め、段階的に緩和していくという。さらに、国費留学や教育関係者、インフラ技術者も追加する方針。
肝心の入国後の管理もユルユルだ。入国の際に72時間以内の検査証明書の提出や位置確認アプリのインストール、入国後14日間の自宅待機などを義務付けているものの、健康状態の確認方法は国の「入国者健康確認センター」からの1日1回のビデオ通話。いくら待機を「お願い」しても、それが担保される保証はない。本来、2週間程度、用意した施設に隔離すべきなのに、事実上、“野放し”に近いのだ。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)がこう言う。
「五輪を開催するなら感染拡大を抑え込むことが前提条件なのに、五輪ありきで水際対策が行われようとしています。物事の優先順位がまったくアベコベです。全豪オープンでは選手の行動が厳しく制限されましたが、テスト大会や五輪本番では一体どうなるのか。ワクチン接種が進まず、変異株がジワジワと広がっている状況で入国緩和の方針が出てくること自体、本末転倒と言わざるを得ません」
変異株の流入、最大級の猛威(ブラジル・マナウスで、感染拡大に酸素ボンベの補給のために集まった入院患者らの家族ら)/(C)ロイター=共同
25〜61%の確率で免疫回避 |
入国者を増やせば、それだけ変異株の流入リスクが高まる。特にヤバイのが、ブラジル由来の変異株だ。
埼玉県は8日、県内で20人が変異株に感染したと発表。うち18人がブラジル由来の変異株だとみられている。同変異株が猛威を振るっているブラジルは現在、1日の新規感染者数が米国を超えてワースト1位、1日の死者数は2000人近くに上っている。
惨劇の原因は、その感染力の強さだ。国立感染症研究所は、「感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株について(第7報)」と題した報告書(8日公表)で、ブラジル型について〈1.4倍から2.2倍伝播しやすく、既感染による免疫を25〜61%回避可能である〉と指摘。次のように警鐘を鳴らしている。
〈今後、社会における接触機会の増加や、感染対策の緩みが生まれることで、これまでより顕著にVOC(変異株)の流行が拡大するリスクがある〉
ブラジル型は免疫を回避するため、ワクチン効果への影響も心配される。いまブラジルは夏だ。日本もこれから暖かくなる上、21日には宣言の期限を迎える。ブラジルの“二の舞い”にならないよう、第4波に備えた方がいい。
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- 投稿者による非表示で納得いかない一部コメントの転記 HIMAZIN 2021/3/15 09:03:53
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