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安倍前首相が下関市長選で「絶対に票を落とせない」理由
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/286206
2021/03/10 日刊ゲンダイ
シャカリキ(元秘書の前田晋太郎候補=左2、を応援する安倍前首相=右2)/(C)日刊ゲンダイ
自身の戦いのような必死の形相だ。山口県下関市長選の告示日(7日)、安倍前首相が地元入り。現職の前田晋太郎氏(自公推薦)の出陣式で応援演説のマイクを握った。その後も安倍前首相は前田氏と同伴し、合併前の旧郡部4カ所を回る熱の入れようだった。
シャカリキな理由は、“安倍ブランド”の失墜隠し。昨年11月以降、「桜を見る会」前夜祭を巡り安倍事務所の経費補填、118回もの虚偽答弁、公設秘書の略式起訴と続き、さすがに地元でも評判はガタ落ち。ましてや前田氏は安倍前首相の元秘書だ。桜疑惑の発覚当初、「地元の方々に喜んでもらうことが悪いのですかね」と発言し、安倍前首相をかばうなど“一蓮托生”の立場でもある。
「市長選の結果によっては、現職の河村建夫元官房長官を押しのけ、衆院山口3区への鞍替えが取りざたされる地元選出の林芳正参院議員との主導権争いにも影響します」(現地を取材するジャーナリスト・横田一氏)
街頭演説する田辺よし子候補(C)日刊ゲンダイ
露骨なギブ&テーク選挙
下関市の保守層は安倍派と林派に色分けされ、前回の市長選は両派が激突。前田氏が3350票差で勝利した。今回は共産・れいわ推薦の新人で「下関から脱アベ私物化政治を」と訴える田辺よし子元市議との一騎打ちである。
「前回、安倍派と林派が推した両候補が得た票は、計約9万5000。ここから前田氏が大きく票を減らすと、あわよくば首相再登板をもくろむ安倍氏の中央政界における影響力低下も免れません。それを避けるため、安倍氏は桜を見る会に参加した後援者に前田氏支持を呼びかけ、“恩返し”を迫る形です。露骨なギブ&テーク選挙に、一般の市民はあきれています」(横田一氏)
田辺氏の第1声には、れいわの山本太郎代表が応援に駆けつけたが、野党第1党の立憲民主の存在感はゼロ。前田陣営には連合山口も推薦に回り、どれだけ票を獲得できるのか。14日の投開票が見モノだ。
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