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※2021年3月1日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2021年3月1日 日刊ゲンダイ2面
【止められなければ戦前と同じ】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) March 1, 2021
ブチ切れ・破れかぶれ政権の五輪暴走
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/NCnPNgyUZF
※文字起こし
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が1日、6府県で先行解除された。とはいえ、解除された地域で社会経済活動が一気に正常化するわけではなく、飲食店などへの時短営業要請は続く。大阪府では対象を府内全域から大阪市内に絞るものの、午後9時閉店を要請。愛知県や兵庫県、福岡県は全域で午後9時まで。専門家が懸念する感染のリバウンドを避けるため緊張状態は当面続くが、自粛に疲れた世間は早くも浮かれムード。繁華街に繰り出す人が後を絶たない。
全国各地で晴天が広がった週末、先月27日午後3時台。IT関連企業の「Agoop」による携帯電話の位置情報解析では、7週間前の1月9日と比べた人出は福岡・天神駅で34・4%増、大阪・梅田駅で28・9%増、愛知・栄駅で13・2%増など、軒並み増加した。新規感染者数が下げ止まり、期限の7日解除が危ぶまれている東京都はさらに人出が多い。お台場72・0%増、歌舞伎町49・6%増、表参道駅32・0%など、データが公開されている都内18カ所すべてで増加した。一部地域の先行解除については、政府分科会や基本的対処方針等諮問委員会の専門家から「かなり強いリバウンドへの危機感」が示される中での“政治決断”だった。だからこそ、菅首相は国民に明確かつ丁寧なメッセージを発すべき局面なのに、保身に走って会見を拒否するありさまだから、世間が浮つくのも無理はない。
工作裏目で言いがかりの逆ギレ
それにしても、先月26日のぶら下がり取材は何から何までひどかった。宣言をめぐる政府方針決定時には首相会見が開かれてきたが、官邸は前日夕にキャンセル。「山田隠し」がその理由だ。放送事業会社「東北新社」に勤める菅の長男による総務省違法接待問題で、首相会見の進行を担う山田真貴子内閣広報官が総務審議官時代に7万円超もゴチになっていたことが判明。菅が会見すれば、長男に関する質問を渦中の広報官がさばくことになる。それで、ぶら下がりでお茶を濁そうとしたわけだが、むしろ裏目に出た。
「宣言の6府県解除という重大な決定をしたにもかかわらず、なぜ会見を行わなかったのですか。
高額接待を受けた山田内閣広報官の問題が影響したのですか」「対策本部でも国民に時短や感染防止のお願いをしている。会見をやらずとも国民の協力を得られるとお考えか」――。仕切り役不在の中、会見拒否の理由を矢継ぎ早に何度も問われた菅は「全く関係ありません」「こうして『ぶら下がり会見』やってる」とイキリ立ち、しまいには「同じ質問ばっかり」と吐き捨てた。完全な言いがかりの逆ギレだ。真正面から答えなければ、繰り返し聞かれるのは当然である。
橋本会長「開催」断言、「無観客」否定で世論黙殺 |
この首相がもはやマトモな頭でないことはぶら下がり取材でのイラ立ち、居直りで見て取れたが、恐ろしいのは追い詰められた政権のイチかバチかの東京五輪突入ではないのか。第3波の収束が見通せない中、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は「開催」を断言。中止ないしは延期を望む半数を超える世論は黙殺である。
橋本は先月26日に大手メディアのインタビューに対応。朝日新聞(27日付朝刊)によると、「開催することは決まっている」と言い切り、再延期については「IOC(国際オリンピック委員会)もIPC(国際パラリンピック委員会)も一切、言っていない。1年後に北京の冬季大会があり、冬の競技を追い越していくことにはならない」と否定。無観客開催案についても、「シナリオの中でどうかと考えたとき、他の大会がお客さんを入れてやっているので、オリパラだけなぜ入らないのか、と絶対アスリートは思う」などと否定した。「外国からの観光客が来る、医療の逼迫につながっていかないかなど、たくさんの懸念材料が払拭されない限り、支持率は上がっていかない。第一にやるのはコロナ対策だ」とも言いながら、猛進しているのである。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。
「リバウンドによる第4波が危ぶまれ、感染力の強い変異ウイルスの市中感染も広がっている。五輪を開催すれば海外から選手だけで1万人超、大会関係者や観客も含めれば相当数が来日するでしょう。それまでに全国民分のワクチン確保は到底無理。こうした状況では無謀としか言いようがありません。専門家の意見は聞かない、科学や学術を軽視する。反知性主義そのもので、五輪強行は菅政権の政治的思惑以外の何物でもない」
菅が「感染拡大防止の決め手」とするワクチン接種は完全な計画倒れ。政府の新型コロナ基本的対処方針には「21年前半までに全国民に提供できる数量の確保を目指す」と明記されたままだが、政府の手際の悪さと「ワクチンナショナリズム」の過熱で朝令暮改だ。
ワクチン担当の河野行革相は医療従事者470万人分の先行接種に続く65歳以上の高齢者約3600万人分のワクチンについて、「6月いっぱいで自治体に供給を完了することができる」としているが、うのみにはできない。
ラグビーW杯でインフル早期流行 |
それでも、菅政権が五輪開催に固執するのは、それが数少ない政権浮揚の一手だからだ。泥縄の新型コロナ対応で内閣支持率はつるべ落とし。長男の違法接待問題で足元はグラグラでもしぶとい。五輪でお祭りムードを醸成し、支持率回復で求心力を高め、解散総選挙になだれ込んで勝利。そのまま自民党総裁選で再選、長期政権を敷くというご都合シナリオにしがみついているのである。
西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)はこう言う。
「ハッキリ言って、菅政権というのは悲惨な太平洋戦争に突き進んでいった戦前の軍部と同じですよ。国民の健康、生命、暮らしはなおざり。科学的根拠なく、すてばちで五輪に突っ込もうとしている。PCR検査を受けられずに陽性だと知らないまま亡くなった人、入院や宿泊療養などを調整中に自宅で亡くなった人。五輪ありきで新型コロナ対応にあたり、感染を小さく見せようとした政府の不作為によって、どれほどの国民が犠牲になったか」
ブチ切れ、破れかぶれ政権の五輪暴走を止めなければ、戦前と同じ過ちを繰り返すことになる。
25日には聖火リレーがスタート予定で、菅政権は宣言の全面解除後を見据えて今月中に五輪・パラに参加する選手らの入国を許可する方針だという。与野党や世論の批判を受けて1月中旬から外国人の新規入国は原則停止しているが、4月から国内で車椅子ラグビーや水球などのテスト大会が始まることから、出入国管理法に基づく「特段の事情」の解釈を拡大。大会関係者を受け入れ、環境整備を急ぐというのだ。 変異ウイルスは「英国型」「南アフリカ型」「ブラジル型」に加え、米ニューヨーク州とカリフォルニア州で確認された「米国型」の出現も指摘されている。IOCは選手にも大会関係者にもワクチン接種を義務化していない。国内は全く行き届いていない。「開催」が議論にすらならず、反対者を封じ込め、入国規制も緩和、観客も入れるという“玉砕”の行く末はどうなるのか。
「ラグビーW杯が開催された19年はインフルエンザの流行入りが例年より1カ月ほど早かった。期間中の9〜11月にインバウンドが急増し、それに伴ってウイルスが早期に流入したためです。海外からの大量入国は多大なインパクトがある。五輪強行で感染が再び拡大するのは避けられないでしょうし、われわれが経験したことのない感染大爆発に直面することになるかもしれません」(中原英臣氏=前出)
1日の衆院予算委員会の集中審議には菅も出席。長男の違法接待問題、オトモダチの鶏卵汚職、そして五輪問題が火を噴いている。手ぐすね引く野党の追及にどうこたえるのか。
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