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武藤事務総長は密室での検討委なぜ放置?非公開に憤りの声
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/285318
2021/02/16 日刊ゲンダイ
武藤事務総長(C)日刊ゲンダイ
<メンバーが非公表って一体どういうこと>
<誰が選んだのかが分からないのに透明性は確保されている?>
<何だか先祖返りしていないだろうか>
すでにネット上では、疑問や憤りの声が広がっている。16日午後に開かれた「東京五輪・パラリンピック組織委員会」の新会長を決めるための候補者検討員会(委員長・御手洗冨士夫名誉会長)に対してだ。
検討委では、女性蔑視発言の責任を取って辞任を表明した森喜朗会長(83)の後任選出に向けて選考基準を決定。17日に候補者を数人に絞る見通しとなっているのだが、この検討委のメンバーについて「マスコミが殺到するから」などの理由から、組織委の評議員や理事も含めて一切明かされていないのは、すでに報じられている。
組織委の武藤敏郎事務総長(77)は16日午前、報道陣に対して、改めて検討委会合の場所やメンバーは明らかにしない考えを示し、「会合が終わった段階で、なにがしかのことをお知らせしたい。詳しいことは事柄の性格上、申し上げられない。結果だけ」と語っていたが、なぜ頑なに公開を拒否するのか。すべてをオープンにすれば、マスコミがメンバーに殺到する心配もない。非公開にするから、かえって取材や報道が過熱するのだ。
体質を変える好機をスポイルしているのは事務総長
今回のドタバタ劇をめぐっては、女性蔑視発言の森会長に猛省を促すどころか、辞任を慰留したなどと報じられた武藤事務総長の責任も大きい。組織委の旧態依然とした体質を変える絶好の機会なのに事務総長として存在感を発揮しているとは思えないからだ。
小泉内閣で財務相を務めた「塩爺」こと故・塩川正十郎氏は、財務省事務次官だった武藤事務総長について、「どんな難しい問題でも間違えるということがない人」と評していたが、今回の騒動では間違えてばかり、と指摘せざるを得ない。
2014年1月の共同通信の報道によると、武藤事務総長は財務官僚時代に教育・スポーツ予算を担当。名古屋市の五輪誘致失敗を見て、各国政府やスポーツ団体の思惑が交錯する五輪の難しさを垣間見たと言い、「若い世代の意欲に応える東京五輪にしたい」と語ったというが、この自分の言葉を今こそ、噛み締めるべきだろう。
1964年の東京五輪組織委で事務総長を務め、政治家や官僚に対しても真正面から意見具申した熱血漢として知られる故・田畑政治氏は著書「スポーツと共に半世紀」で自身をこう振り返っていた。
<オリンピックについて、誰よりも苦労し、知識、経験、創意工夫でも、また、情熱、意欲でも何人に劣らぬと確信している>
男性であれ、女性であれ、新会長や事務総長は、こういう気概を持った人物に託したい。
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