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※2021年2月12日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2021年2月12日 日刊ゲンダイ2面
【もともと開催する資格などないのだ】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) February 12, 2021
欺瞞の五輪にふさわしい幕切れ
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/2qmVeLuPtF
※文字起こし
狭まる包囲網にあらがい切れなくなった格好だ。
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が12日、ようやく辞任を表明。3日の女性蔑視発言から約1週間、今さら腹を固めても「遅きに失した」感は否めない。
辞任の経緯も笑うに笑えない喜劇的ヒドさだ。海外メディアの猛批判を受け、森は発言翌日に急きょ会見を開き、続投を表明。発言を撤回し謝罪すればとりあえず乗り切れると森と周囲は踏んだに違いないが、森本人が記者の質問にイラ立ち、「面白おかしくしたいんだろう」と逆ギレだ。誰が見ても反省ゼロの態度は火に油で、自ら国際社会を巻き込んだ批判を強める結果を招いた。
世界を敵に回した大マヌケを擁護しまくった政府・与党も「日本の恥」だ。今なお最大派閥の細田派に隠然たる力を持つ元領袖に遠慮し、誰も引導を渡せない。菅首相も組織委の最高顧問でありながら、「国益にとって芳しくない」と語るのみ。何ひとつリーダーシップを発揮しなかった。
二階幹事長は8日、大会ボランティアの辞退が殺到していることに「お辞めになりたいというのだったら、新たなボランティアを募集する」と発言。代わりはいくらでもいると言いたげな傲慢な態度で、大炎上だ。鎮火するどころか、怒りの炎をさらに燃えさからせる始末だった。
IOC最大の資金源の痛烈批判がトドメ
国内外の厳しい批判は収まらず、不買運動や海外投資家の反発を懸念した五輪スポンサー企業からも、苦言が続出した。最高位スポンサーのトヨタ自動車は10日、豊田章男社長名で「トヨタが大切にしてきた価値観とは異なっており、誠に遺憾」とのコメントを発表。トヨタが公の場で要人の発言を明確に批判するのは異例中の異例だ。
陸上の元オリンピアン・為末大氏や、競泳の現役選手・萩野公介らアスリートからも批判の声が上がり、一度は不問に付した国際オリンピック委員会(IOC)も9日夜、新たな声明を発表。一転して森発言は「完全に不適切だ」と厳しい見解を示した。
陸上の元オリンピアン・為末大氏や、競泳の現役選手・萩野公介らアスリートからも批判の声が上がり、一度は不問に付した国際オリンピック委員会(IOC)も9日夜、新たな声明を発表。一転して森発言は「完全に不適切だ」と厳しい見解を示した。
森が辞意を固める直前の10日には、米国内で東京五輪の放映権を握るNBCが「彼(森氏)は去らなければならない」と痛烈に批判。「野卑な行為を無視すれば、さらに野卑な行為が生まれるだけだ」とし、IOCにも森に辞任を迫るよう求めた。
同局の関連企業NBCユニバーサルは、東京までの夏季・冬季五輪4大会の放映権料44億ドルでIOCと合意。2014年には22年からの6大会分を同77億ドルで新たに合意した。計10大会で日本円にして実に総額約1兆2700億円の契約を結ぶ金権体質に染まったIOC最大の資金源だ。
今やカネが全てのIOCにだって「平和でより良い世界の実現に貢献する」という五輪のフェアプレー精神などあろうはずもない。どうも森が辞任に追い込まれた背景には、国際的な「カネの切れ目は縁の切れ目」という構図も浮かぶが、はたして森一人が辞めたところで、事態は収拾するのか。
世界を騙した国が世界を敵に回す因果応報 |
世界経済フォーラムのジェンダーギャップ(男女格差)指数で、日本は153カ国中121位――。森発言を強く非難する海外の報道について回るデータだ。他の先進国と比べて、日本の女性の社会進出は恥ずかしいほど遅れている。
森の女性蔑視発言があぶり出したのは、日本の旧態依然とした男性社会の歪んだ感覚だ。既に世界のジェンダー意識が2回転ぐらいしている中、いまだ封建制をひきずり、ムラ社会の長老に異論を挟むのは決して許されない。こうした悪しき土壌の上で森発言は飛び出したのである。
「トップの意向を忖度し『わきまえ』て、モノを言わずに従うのが美徳とされる。森発言を容認するような古い価値観に支配された日本の社会文化や組織の在り方が、国際社会に問われているのです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
時代に乗り遅れた長老が起こした災いが、まだ本人だけにとどまれば悲喜劇にもなろう。だが、もはや問題は森個人の域を超えている。世界中が古いジャパニーズ・スタンダードを白いまなざしで見ているのだ。コラムニストの小田嶋隆氏はこう言った。
「曲がりなりにも『一体性、多様性、男女平等』を基本原則に掲げる五輪のホスト国として、日本はふさわしいのか。その点に国際世論は批判の矛先を向けているのです。女性蔑視発言の翌日に組織委が森会長を更迭していれば、まだ個人の問題を正常に処理したとみなされたでしょう。ところが、組織委の武藤敏郎事務総長や遠藤利明副会長ら『わきまえた』幹部は慰留に努め、JOCの山下泰裕会長らもモノが言えない。世耕弘成参院幹事長は『余人をもって代えがたい』、萩生田光一文科相は『最も反省で逆にあの態度』と政府・与党内の取り巻きからも擁護論が飛び出す始末。日本の後進性を世界にアピールしてばかりで結局、更迭の形でけじめをつけられなかった。後任も、若く、清新で、森会長と対照的な精神の持ち主とは言い難い。ただでさえ、五輪は新型コロナ禍で開催すら危ぶまれているのに、この体たらく。日本に自浄能力は期待できないと、世界中の意識の高いアスリートたちがボイコットに動いても、おかしくありません」
パンドラの箱を墓場まで持って行く役割
そもそも、安倍前首相が汚染水タレ流しの福島原発を「アンダーコントロール」と世界に大ウソをつき、裏金ワイロで招致を買い上げたとの疑惑も消えない。ウソとカネの力で五輪を招致した国には、もともと開催する資格などないのだ。
前出の五十嵐仁氏が言う。
「まさに泥にまみれた汚れた五輪です。招致成功以来、『そこのけ、そこのけ五輪が通る』で野放図に巨額の税金をつぎ込み、『復興五輪』とうたいながら、東日本大震災の被災地復興は後回しで足を引っ張った。アスリートファーストの理念も度外視し、安倍・菅両政権は政治的思惑を最優先。常に五輪を政権浮揚に利用し、安倍前首相は五輪開催と新憲法施行という自らの政治的野望と結び付け、恥じ入ることもない。IOCだって本音は儲け最優先です。だから、国立競技場の計画変更、エンブレムの盗作騒動など“呪われた五輪”でも無理を押し通し、揚げ句が『コロナがどういう形であろうと必ずやる』。この森会長の発言は恐らく自民党政権とIOCの共通認識でしょうが、もはや国際世論が許さないと思います」
世界を欺き五輪を勝ち取った国が、聖火リレーのスタートが1カ月半後に迫る中、世界を敵に回して開催に赤信号がともるとは……。欺瞞に満ちた五輪に邁進してきた森、安倍、菅、バッハたちには「当然の報い」という喜劇的結末にすら思えてくるのだ。
「問題は五輪中止の決定権を誰が握っているのか、オープンにされていないことです。IOCが発表するのか、東京都が返上するのか、それとも組織委なのか。それによって違約金の問題が生じるのか、契約時に決まっているはずなのに、誰も本当のところは分からない。国民がどのようなリスクを負うのかすらブラックボックスで、それだけオープンにできない裏金や密約が詰まっているのかも知れません。そんな“パンドラの箱”を墓場まで持っていくのが、森会長の役目で、だからこそクビを切れなかったとしか思えません」(小田嶋隆氏=前出)
こうなったら森も洗いざらいブチまけ、欺瞞の五輪にふさわしい幕切れを図ったらどうか。開催中止で多大なるリスクを負わせるのなら、自民党政権も下野して国民に土下座が当たり前である。
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