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山尾氏・辻元氏・田村氏が手を組めば野党連立政権に現実味 ファクトチェック・ニッポン!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/285027
2021/02/10 日刊ゲンダイ
国民民主党の山尾志桜里衆院議員(C)日刊ゲンダイ
「(政府が)『守る』と言わないのが付帯決議」。国会序盤戦で、山尾志桜里議員(国民)が放った一言だ。これは特措法の改正案で国会への同意が付帯決議になっている点の質疑で出た。罰則を付けて私権を制限する「まん延防止等重点措置」について国会の同意を求めるよう求めた山尾議員に、西村大臣が「付帯決議を守る」と答えなかったため、付帯決議ではなく法律に明記すべきと指摘したものだ。事実、付帯決議には法的拘束力はない。大事な指摘だ。
序盤戦では、蓮舫議員(立民)の質問に菅総理が「失礼じゃないでしょうか」と答弁して質問者が批判を浴びた。批判に違和感を覚えた半面、今の国会審議の流れを象徴した現象だとも感じた。総理に厳しい言葉を浴びせて失言を引き出すのは従来からの野党の手法だった。それを政府側も受けて立ってきた。しかし、今の自民党にも総理にもその度量はない。今後も変わらないだろう。
衆院予算委員会で質問する立憲民主党の辻元清美衆院議員(C)日刊ゲンダイ
だから、野党は従来の攻め方を変える必要がある。実は、それを既に実践している議員がいる。辻元清美議員(立民)だ。「必要な医療体制ができていない」との菅総理の反省の弁を引き出している。辻元議員といえば、声高に追及するイメージが強いが、その姿は今はない。言葉は丁寧だ。例えば、菅総理は担当大臣に答弁させるケースが多く、質問に立つ野党議員から、「これは総理の見解をきいているんです。総理が答えてください」とクレームが入っても担当大臣が答弁に立つケースが散見されるが、辻元議員は、「そこで逃げるからダメなんですよ。だから弱々しい総理に見えるんですよ」と、あたかも友人を諭すかのように伝える。すると、菅総理が答弁の準備をしていた田村厚労大臣を制して答弁に立った。
日本学術会議をめぐる審議でも、辻元議員はその手法で菅総理から当時の詳しい状況を聞き出している。辻元議員の質問の仕方は極めて効果のある手法ではないか。そう複数の野党議員に問うと、「同感」との声が聞かれた。
日本共産党の田村智子参院議員(C)日刊ゲンダイ
国民の山尾議員、立民の辻元議員とくれば共産の田村智子議員だろう。田村議員は手法としては従来からある追及型だが、手持ちの豊富な材料を駆使した的を外さない質問が政府側をたびたび窮地に立たせている。去年暮れに毎日放送のラジオでご一緒した田原総一朗氏は、「立民、国民、共産の3党で野党連立をやれと枝野、志位、玉木に言っている」と言っていた。それがご自身の最大の使命だと言い切った。
私はその役割は、この3人の女性議員に期待したい。3人で党派を超えて連携し、それを野党連立につなげてもらいたい。けして男性を差別するわけではないが、どうも代表の3人での議論は「時間がかかる」ので話が前に進まないようだ。繰り返すが、男女を差別しているわけではない。たまたまだが、鋭い指摘で成果を出す女性議員が3人。いずれも国会でその存在感を示している。この3人が手を組んで前面に立てば、野党連立政権が現実味を帯びると感じるのは私だけではないだろう。
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立岩陽一郎 ジャーナリスト
ジャーナリスト。1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て、2016年12月に退職。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「INFACT」編集長。フジテレビ「とくダネ!」、毎日放送「ちちんぷいぷい」出演中。
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