フランス(1889年まで) - クラシック音楽 一口感想メモ https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%281889%E5%B9%B4%E3%81%BE%E3%81%A7%29フランス。ベルギー、スイスもここに含む。 ギヨーム・ド・マショー(Guillaume de Machaut, 1300年頃 - 1377) ノートルダム・ミサの作曲者として有名。 ノートルダム・ミサ曲 3.0点 史上初めての通作ミサ。この時代の音楽の初心者である自分が聞いても、14世紀という大変古い音楽にしては素直にいい曲と思えた。 ギヨーム・デュファイ(Guillaume Dufay 1400年頃 - 1474) 中世からルネサンスへの転換を図った音楽史上における非常に偉大な作曲家。曲はシンプルで聞きやすく分かりやすく、初めて聴いてすぐに気に入ったほどである。 ヨハネス・オケゲム(Johannes Ockeghem, 1410年頃 - 1497) デュファイの次世代の超大物。デュファイの音楽を発展させたかのような新しさを響きから感じる。デュファイ同様に分かりやすくてすぐに気に入った。 ジョスカン・デ・プレ(Josquin Des Prez 1440年? - 1521) 当時のあらゆる音楽の技法を総合した音楽を創作した当時の音楽の父の存在であり、西洋音楽史上の最大の天才の一人。曲はオケゲムと比較して随分と複雑である。もっと後の時代の作品のように感じる。 「ミゼレレ・メイ・デウス」 "Miserere mei Deus" 4.0点 あまりに悲しくも美しい音楽に心を奪われて、最後まで聞きほれてしまった。ジョスカンの天才ぶりを痛感。 ミサ「フェラーラ公エルコレ」Missa Hercules dux Ferrariae 3.5点 パンジェリンガのような晩年の曲と比較するとシンプルで人間的な響きと感じられて分かりやすい。 ミサ「パンジェリンガ」Missa Pange lingua 3.5点 最晩年の高い完成度で代表作とされているミサ曲。超然としていて複雑で感情的な共感は難しいものの、理屈抜きで究極的にバランスが取れていて美しいと感じる。 オルランド・ディ・ラッソ(Orlando di Lasso:イタリア語形)、1532 - 1594)(オルランドゥス・ラッススとも) 宗教曲や通俗曲を何曲か聴いてみた。曲によってはビクトリアのような輝かしさを秘めた美しさがあったが、ノーマルで典型的なルネサンス的な曲も多かった。 ジャン=バティスト・リュリ(Jean-Baptiste [de] Lully, 1632 - 1687) リュリの音楽を知った時は驚いた。華やかさと発想力の強さ、もう一度聴きたいと思わせる魅力。ルイ14世の治世で権勢を振るっただけのことはあると思った。 美術 (Les Arts) (1663年) 特に代表作というわけではなさそうだが聴いてみたバレ。オーケストラ:歌唱が2:1くらいだろうか。オケは躍動感を感じる付点リズムが非常に目立つが、歌唱のときでは必ずしもそうではなく、非常に繊細な音楽になる。ストーリーが分からなくても音楽だけで楽しめるのはシンプルなようで内容が充実しているのだろう。とはいえ長いので一気に聴いたら後半になるとさすがに飽きてきた。 マルク=アントワーヌ・シャルパンティエ(Marc-Antoine Charpentier, 1643 - 1704) すごく好き。発想力とセンスと音感の良さがすごい。現代になって重要性が再認識されたそうだ。自分は17世紀を代表する大作曲家の一人と思っている。 降誕祭前夜のミサ曲(真夜中のミサ曲)Messe de Minuit pour Noël (H. 9, c. 1690) 4点 とてもいい曲。どの曲も美しくて華があり辛気臭さが少ない。 テ・デウム ニ長調Te Deum (H. 146, c. 1690) 4点 なんという華やかさだろう。本当に明るく楽しくウキウキした気分になる。 マラン・マレー(マレ、Marin Marais、1656 - 1728) アンドレ・カンプラ(André Campra, 1660 - 1744) ジャン・ジル(Jean Gilles, 1668 - 1705) レクイエムが有名。バロック時代のレクイエムとして文句なしに素晴らしい。 レクイエム 4.5点 この曲は素晴らしい。非常に秀逸なレクイエムである。葬祭的な感情、個人を悼み、安らかな眠りを願い、過去を思い返し、全てが終わった事の清算をし、人の世の儚さを思い巡らせる音楽。激烈な悲しみは表に出てこないが、死者を弔う音楽としての現実を見事に音楽化していて、非常に感動的である。バロックのさっぱりした音楽の良さが生きている。 フランソワ・クープラン(François Couperin, 1668 - 1733) 鍵盤楽器の作曲家として有名。 ジャン=フィリップ・ラモー(Jean-Philippe Rameau, 1683 - 1764) エティエンヌ・メユール(Etienne Henri Méhul / Etienne Nicolas Méhul, 1763 - 1817) フランソワ=ジョセフ・ゴセック(François-Joseph Gossec,1734 - 1829) ガボット 4.0点 CMなどでよく使われており誰でも聞いたことがある曲。軽快で楽しい。 アンドレ・ジョルジュ・オンスロウ (Andre George Louis Onslow 1784 - 1853) ルイーズ・ファランク(Louise Farrenc, 1804 - 1875) シャルル・グノー(Charles François Gounod,1818 - 1893) 交響曲 交響曲第1番 ニ長調(1854) 2点 オペラ作曲家らしいはつらつとした快活さが印象的。しかし、あまりに古典的すぎるし、かといってハイドンのような霊感に満ちている感はなく、聴いていて心地よいのだが物足りない。 交響曲第2番 変ホ長調(1856) 3.5点 1番の2年後の作品で、音楽的には似ているのだが、モーツァルトのようなシンプルな中にロマン的な情緒を篭める技術を体得したのか、はるかに深みがありいい音楽になっている。 小交響曲 変ホ長調(1888) シャルル・ヴァランタン・アルカン (Charles Valentin Alkan ,1813 - 1888) ショパンやリストやシューマンといったピアノ音楽の大天才と同時代のフランス代表のピアノ音楽作曲家。肥大化した超難曲を沢山書いていて、技工派ピアニストに好かれている。総合的にはショパン達には一歩劣るものの、スケールの大きさや雰囲気の構築力や独特のピアノの器を限界まで引き出すような作品を作った、十分大きな価値のある作曲家。 Op.27b エチュード「鉄道」 3.5点 ガンガン突き進む高速の金属的な無機的なフレーズのたたみかけは、よく表題を表している。超絶技巧の圧倒は聴き映えがする。手が疲れそう。後半には大きなうねりもみせるのも楽しい。アイデアが楽しい曲。 Op.33 グランドソナタ 3.5点 かなり大規模なピアノソナタ。まずは大規模さそれ自体を楽しめる曲としては、ばっちりだと思う。技工的な部分だけでなく、広大さを基調とした幅広い曲調で音楽を構成されている。多くを詰め込んだ、芸術性の高い本格的な曲を書こうとしたであろう本人の高い志を感じる。それはある程度成功していて、例えばシューマンのソナタならライバルとも言えそうなほどである。トップレベルとは言わないまでも、ロマン派の大規模ピアノ曲の重要作品の一つとは言えそうだ。巨匠的な響きに到達している。後の短調のための練習曲と比較すると、作曲技術にまだ若さやこなれていない印象はすこしあるが、芸術的な真摯さでは上回っている気がする。ちなみに、いきなりスケルツォで始まるのが驚く。 Op.35 全ての長調による12の練習曲 Op.39 全ての短調による12の練習曲 第1番 イ短調 あたかも風のように(Comme le vent)プレスティッシマメンテ 3.3点 超絶技巧のたたみかける感じ。ショパンの作品10−4のような焦燥感も演出する。かなり密度が濃く、多くのアイデアが詰め込まれた密度の濃い曲。敷き詰められたものすごい音の多さにびっくりする。 第2番 ニ短調 モロッソのリズムで(En rythme molossique)リゾルート 第3番 ト短調 悪魔のスケルツォ(Scherzo-diabolico)プレスティッシモ 3.8点 この曲は巨匠的な発想の良さを感じる。部分同士の対比が非常に効果的で、陳腐さが無い。リストのスケルツォとマーチを思い起こすゴリゴリとして少し悪魔的で情熱的なスケルツォも、分厚い重音の長調の部分も良い曲。 第4番 ハ短調 ピアノ独奏による交響曲(Symphonie pour piano seul)第1楽章 アレグロ・モデラート 第5番 ヘ短調 ピアノ独奏による交響曲 第2楽章 アンダンティーノ 第6番 変ロ短調 ピアノ独奏による交響曲 第3楽章 メヌエットのテンポで 第7番 変ホ短調 ピアノ独奏による交響曲 第4楽章 プレスト 3.3点 ピアノ独奏による交響曲4楽章をまとめて感想を書く。オケ曲の編曲にありがちな非ピア二スティックな音楽ではなく、ばっちりピアノ曲である。しかし、メロディーやパッセージには管弦楽曲のような印象を多くの場面で持つ。だから、交響曲という命名にはあまり違和感はない。シューマンの交響曲のような、19世紀半ばらしい音楽である。なかなかの力作であり、交響曲という発想ならではの強弱や陰陽の幅が大きくて、展開の豊富な音楽を楽しめるし、感心する。しかし、メロディーなどの純粋な楽曲としての魅力の点では、印象に強く残るほどではないとも思う。 第8番 嬰ト短調 ピアノ独奏による協奏曲(Concerto pour piano seul)第1楽章 アレグロ・アッサイ 3.5点 リストのソナタ同様の30分ぶっ通し1本勝負の曲。これがなかなか素晴らしい。テーマは分かりやすくて良く、テーマを活用した技巧的な様々な雰囲気の移り変わりや興奮と鎮静の展開が楽しいので、長い曲を全然飽きずに聴き通す事ができる。むしろあっという間の30分という感じ。 リストのソナタの全てを注ぎ込んだような迫力には及ばないにしても、エンターテイメント作品として出来が良くて素晴らしいし、芸術性も決して低く無い。ピアノ曲マニアは要チェック。 第9番 嬰ハ短調 ピアノ独奏による協奏曲 第2楽章 アダージョ 3.0点 瞑想的で夜想曲に近い部分や、暗い行進曲的雰囲気などを組み合わせている。わりと良いメロディーを使って、大人っぽい雰囲気を出している。また、曲の規模の大きさを有効活用して構成的に書かれており、聞き応えのある音楽を作り上げており、なかなか良い。 第10番 嬰ヘ短調 ピアノ独奏による協奏曲 第3楽章 蛮族風のアレグレット 3.0点 典型的な19世紀の協奏曲の終楽章という感じの、技巧を派手に見せつけるが内容が軽い音楽。華麗ではあり、3つの楽章の中でもっとも協奏曲らしい曲だ。テクニックを楽しむ曲であり、面白い曲という感じではない。 第11番 ロ短調 序曲(Ouverture)マエストーゾ―レンテメンテ―アレグロ 第12番 ホ短調 イソップの饗宴(Le festin d'Ésope)アレグレット 3.8点 変奏曲としてかなり優れている部類だろう。短いが優れたテーマを使って非常に豊かな展開を見せており、その展開の幅広さや高低差は屈指のものがある。超絶技巧も効果的に必要な場面で使われて聴き手の期待を満たしている。変奏の繋げ方も良い。芸術性は十分に高い。 アンリ・ヴュータン(Henri François Joseph Vieuxtemps, 1820 - 1881) ヴァイオリン協奏曲第4番ニ短調 op.31 (1850年頃) ヴァイオリン協奏曲第5番イ短調「ル・グレトリ」 op.37 (1858年) エドゥアール・ラロ(Victor Antoine Édouard Lalo, 1823 - 1892) 管弦楽作品 交響曲 ト短調 協奏的作品(独奏と管弦楽のための作品) ヴァイオリン協奏曲第1番 ヘ長調 作品20 『スペイン交響曲』 ニ短調 作品21(ヴァイオリン協奏曲第2番) 3.5点 独奏ヴァイオリンがずっと大活躍であり、協奏曲の一種であまり交響曲に近くないと思うが、技巧的要素を強調していないしカデンツァも無い所が普通の協奏曲と違う。しなやかで情感豊かなヴァイオリンの歌わせ方と随所に現れるスペインの民族的な旋律が魅力的。長い曲でないが5楽章もあり、1つの楽章が短くて聴きやすい。最終楽章が楽しい。 『ロシア協奏曲』 ト短調 作品29(ヴァイオリン協奏曲) 『ノルウェー幻想曲』 イ長調(ヴァイオリン協奏曲) チェロ協奏曲 ニ短調 ピアノ協奏曲 ヘ短調 ジョルジュ・ビゼー(Georges Bizet, 1838 - 1875) 管弦楽曲 交響曲ハ長調(1855年) ヴァンサン・ダンディ(Paul Marie Théodore Vincent d'Indy, 1851 – 1931) フランスの山人の歌による交響曲(1886) 4.5点 この曲は個人的にかなり好きだ。親しみやすく、優雅では華やかで、フランスらしい詩情や洗練された上品さを高度に備えている。ピアノは協奏曲に近い程に大活躍するが、オーケストラと対地されておらず、一緒に盛り上げるパーツとして活用されている。至福の時を過ごせる曲であり、フランスの19世紀の管弦楽としてかなりの傑作であると思う。
ハンス・フーバー(Hans Huber、1852 - 1921) エルネスト・ショーソン(ショソン、Ernest Chausson, 1855 - 1899) 交響曲 変ロ長調 (作品20) 詩曲 (作品25) ヴァイオリンと管弦楽 ピアノ三重奏曲 3.5点 初期の作品。情緒的な濃厚さがなんとも言えない精妙な奥ゆかしい味付けで響いている。奥ゆかしさは、裏を返せばはっきりしないもどかしさも感じるものだ。20世紀の洒脱なフランス音楽や、19世紀ドイツの構築的な世界も違う、19世紀フランスの濃厚さを室内楽で体現した名作。 ジョゼフ=ギィ・ロパルツ(Joseph-Guy Ropartz, 1864 - 1955) 交響曲 交響曲第1番イ短調(1894) 交響曲第2番ヘ短調(1900) 交響曲第3番(1905) 交響曲第4番(1910) 交響曲第5番(1944-45) アルベリク・マニャール(Lucien Denis Gabriel Albéric Magnard, 1865 - 1914) 精妙な和声を駆使したよい雰囲気がありながら、古典的な規模の作品を書いている。 交響曲第1番 Op.4 交響曲第2番 Op.6 交響曲第3番 Op.11 交響曲第4番 Op.21 ヴァイオリン・ソナタ Op.13 弦楽四重奏曲 Op.16 ピアノと弦楽のための三重奏曲 Op.18 チェロ・ソナタ Op.20 エリック・サティ(Erik Alfred Leslie Satie、1866 - 1925) いま聴いても新鮮な独自世界を築いた人。浮遊感とか浮世離れした神秘性など、21世紀っぽい感性を持っていると思う。 3つのジムノペディ - 1888年 グノシエンヌ(6曲) - 1890年 ヴェクサシオン(嫌がらせ) - 1893-1895年 ジュ・トゥ・ヴー シャルル・ケクラン (Charles-Louis-Eugène Koechlin、1867 - 1950) アルベール・ルーセル(Albert Charles Paul Marie Roussel, 1869 - 1937) 音の密度が高くて評価されている作曲家だが、個人的には刺々しくて理屈っぽいような音楽が肌に合わない。聴きたくないと生理的に思ってしまう作曲家。 管弦楽曲 交響曲第1番ニ短調 Op.7「森の詩」(Le poème de la foret)(1904年 - 1906年) 交響曲第2番変ロ長調 Op.23(1919年 - 1921年) 交響曲第3番ト短調 Op.42(1929年 - 1930年) 交響曲第4番イ長調 Op.53(1934年) 管弦楽組曲ヘ長調(Suite en fa) Op.33(1926年) シンフォニエッタ(Sinfonietta pour orchestre à cordes) Op.52(1934年) ピアノ協奏曲ト長調 Op.36(1927年) チェロと管弦楽のためのコンチェルティーノ(Concertino) Op.57(1936年) 室内楽曲 フルート、弦楽三重奏、ハープのためのセレナード(Sérénade) Op.30(1925年)
弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.45(1931 - 1932年) 弦楽三重奏曲(Trio à cordes) Op.58(1937年) フルート、ヴィオラとチェロのための三重奏曲(Trio) Op.40(1929年) ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 Op.28(1924年) フローラン・シュミット(Florent Schmitt, 1870 - 1958) 管弦楽曲 管弦楽曲《夜曲集 Soirs》
管弦楽曲《オリアーヌと愛の王子 Oriane et le Prince d'Amour》 管弦楽曲《イン・メモリアム In Memoriam》 ヴァイオリンと管弦楽のための《アベッセ Habeyssée》 ピアノと管弦楽のための《協奏交響曲 Symphonie concertante》 ジャニアナ交響曲 Symphonie 'Janiana' 交響曲 第2番 Symphonie No.2 交響詩《夢 Rêves》 吹奏楽曲 《酒神祭(ディオニソスの祭り) Les Dionysiaques》
器楽曲 ピアノ五重奏曲 ロ短調 Quintette pour piano et quatuor à cordes シャルル・トゥルヌミール(Charles Tournemire, 1870 - 1939) 交響曲 交響曲第1番「ロマンティック」
交響曲第2番 交響曲第3番 交響曲第4番 交響曲第5番 交響曲第6番 交響曲第7番「命の踊り」 交響曲第8番 ルイ・ヴィクトル・ジュール・ヴィエルヌ(Louis Victor Jules Vierne, 1870 – 1937) 6つのオルガン交響曲
(名高い「ウェストミンスターの鐘」を含む)《24の幻想的小品集(24 Pièces de fantaisie)》(作品51〜55) 交響曲イ短調 ヴァイオリン・ソナタ チェロ・ソナタ ピアノ五重奏曲 弦楽四重奏曲 ギヨーム・ルクー(Guillaume Lekeu, 1870 - 1894) 非常に早世してしまった作曲家。室内楽はかなり評価が高い。もったいなかった。
ヴァイオリンソナタ 弦楽四重奏曲 ピアノ三重奏曲 チェロソナタ https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%281889%E5%B9%B4%E3%81%BE%E3%81%A7%29
|