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ジョルジュ・ビゼー(Georges Bizet, 1838 - 1875)
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投稿者 中川隆 日時 2021 年 10 月 09 日 14:05:34: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: フリードリヒ・ニーチェ『マンフレッド瞑想曲』 投稿者 中川隆 日時 2021 年 10 月 06 日 22:54:45)

ジョルジュ・ビゼー(Georges Bizet, 1838 - 1875)

ジョルジュ・ビゼー(Georges Bizet, 1838年10月25日 - 1875年6月3日)は、19世紀フランスの作曲家である。

代表作に『カルメン』、『アルルの女』、『真珠採り』、『美しきパースの娘(日本では作中のセレナードの旋律が「小さな木の実」(作詞:海野洋司、編曲:石川皓也)に転用され有名)』など。


生涯

ジョルジュ・ビゼーは1838年、パリに生まれた。最初につけられた名前はアレクサンドル=セザール=レオポール・ビゼー (Alexandre-César-Léopold Bizet) だったが、洗礼時に改名された。

父は声楽教師、母はピアニストで、ビゼーは幼い頃から音楽に親しみ、記憶力が抜群であった。9歳でパリ音楽院に入学し、アントワーヌ・マルモンテル、シャルル・グノー、ユダヤ人ジャック・アレヴィらに師事してピアノ、ソルフェージュ、オルガン、フーガで一等賞を獲得した。19歳でカンタータ『クローヴィスとクロティルデ』でローマ大賞を獲得。1861年にはリストの新作(リストは「この曲を正確に弾けるのは私とハンス・フォン・ビューローだけ」と豪語していた)のパッセージを一度聴いただけで演奏し、さらに楽譜を渡されると完璧に弾いてのけ、リストを驚かせた。この時、リストは「私は間違っていた。3人というべきでした。正確に言えば、最も若いあなたが最も奔放で輝かしいというべきでしょう。」といってビゼーを賞賛した。しかし、オペラ作家としての成功を夢見ていたビゼーは、ピアニストになることを潔しとはしなかった。

オペラなどの劇音楽を作曲の中心とし、25歳のときのオペラ『真珠採り』でオペラ作曲家の地位を確立する。その後、フランス人の作家アルフォンス・ドーデの劇『アルルの女』の付随音楽や、オペラ『カルメン』などを作曲したが、1875年3月にパリのオペラ=コミック座で行われた『カルメン』の初演は、ヒロインが女性労働者だったこともあり失敗に終わった。ヒロインの声域をそれまでに一般的だったソプラノではなくメゾソプラノに設定したことも新しさの一つだった。

1869年にプチブルのビゼーはブルジョワの師アレヴィの娘であるジュヌヴィエーヴ・アレヴィ(英語版)と結婚した。師は既に1862年に亡くなっていた。ビゼーは『カルメン』初演の約3ヵ月後である1875年6月3日、敗血症のため36歳で死去したが、のちに彼の音楽は世界的に認められるようになった。

なお、妻のジュヌヴィエーヴは後にビゼーとの間の息子のジャックを連れて、ロスチャイルド財閥の顧問弁護士であるユダヤ人エミール・ストロースと再婚し、花形サロンを形成した。ジャックの学友のマルセル・プルーストが後に小説『失われた時を求めて』の中で、彼女をモデルとしてゲルマント公爵夫人を造形した。ジャックのほかに、ビゼーが結婚する前に、ビゼー家の女中だったマリ・レテールとの間に生まれた非嫡出の子供ジャンがいた。ビゼー家でビゼーのいとことして暮らし、その母もビゼー家で再び奉公した。

作品
ビゼーは生涯に交響曲を3曲書いたが、1859年に作曲された第2番の草稿は破棄されてしまい、第3番は作曲されたのかどうかも判然としない。その他にも管弦楽曲、合唱曲、歌曲、編曲作品などがある。

オペラ『カルメン』はドビュッシー、サン=サーンス、チャイコフスキーなどから賞賛され、ニーチェは『カルメン』を20回も観たと記述している。運命を引き受ける至高の個人としてのヒロインに、感応するところが大だったと考えられる。ちなみにビゼーは舞台作品は約30曲以上も残しているが、『カルメン』や『アルルの女』、『真珠採り』以外はほとんど知られていない。なおオペラ『美しきパースの娘』の中のセレナードをベースにした『小さな木の実』は、NHKの「みんなのうた」で放送され、音楽の教科書にも採り上げられるなど、日本では特によく親しまれている楽曲である。

オペラの合間に作曲したピアノ曲は少数だが、グレン・グールドが演奏したことで知られる『半音階的変奏曲』、無言歌『ラインの歌』(1865年)などの作品は現在も演奏される。また、サン=サーンスのピアノ協奏曲第2番などのピアノ独奏用編曲も残しており、特にサン=サーンスの編曲は技巧派ピアニストが取り上げる難曲として知られている。

作品一覧

オペラ

カルメン(Carmen, 1873年-1874年)
全4幕のオペラ。ビゼーのオペラの中でもっとも有名で広く知られている作品である。台本はL.アレヴィとH.メイヤックによる。

真珠採り(Les Pecheurs de Perles, 1862年-1863年)
全3幕4場のオペラ。上演されることは多くないが、アリア「耳に残るは君の歌声」や二重唱が有名である。ビゼーの出世作でもあった。台本はM.カレとE.コルモンによる。

美しきパースの娘(La Jolie fille de Perth, 1866年)
全4幕のオペラ・コミック。ウォルター・スコットの原作による。「アルルの女」第2組曲のメヌエットは本作から採られている。また、NHKの「みんなのうた」で放送された「小さな木の実」はこの中のアリア「セレナード」の旋律の一部に日本語の歌詞をつけたもの。組曲版にこのアリアは含まれていない。

イヴァン4世(英語版)(『イワン雷帝』とも)(Ivan le Terrible, 1862年-1865年)
全5幕のオペラ。第5幕は未完で、その後長い年月を経て1946年にヴュルテンベルクにて初演された。台本はA.ルロワとH.トリアノンによる。なお、1951年に上演された際はアンリ・ビュッセルの編曲によって行われたが、タイトルは『イヴァン4世』であった。


オペレッタ

ミラクル博士(英語版)(Le Docteur Miracle, 1856年)
18歳の時に作曲。ジャック・オッフェンバックの企画したコンクールで応募した際に第1席を獲得した作品。初演時は好評を持って迎えられたという。若書き故に現在は滅多に上演されない。台本はL.バトゥとL.アレヴィによる。

マルボロー将軍は戦いに出かける(Malbrough s'en va-t-en guerre, 1867年)
合作のオペレッタ。ビゼーはそのうちの第1幕の作曲を担当した。後に破棄される。


劇付随音楽
アルルの女(L'arlesienne, 1872年)
全3幕27曲からなる付随音楽。アルフォンス・ドーデの戯曲のために音楽付けしたものである。後にオーケストラのための2つの組曲が編まれた。第1番はビゼー自身、第2番は友人のエルネスト・ギローによる。


管弦楽曲
交響曲ハ長調(1855年)
全4楽章からなる初期の交響曲。生前には一度も演奏されることはなく、作曲の80年後の1935年に初演される。
交響組曲『ローマ』(1860年-1871年)
全4楽章からなる管弦楽作品。10年以上にわたって改訂が施され、ビゼーの存命中には完全な形で演奏されることはなかった。
演奏会用序曲『祖国』(1873年)
本来はオペラ『ドン・ロドリーグ』のために作られた作品である。しかしオペラが未完のまま放棄されたため、急遽演奏会用序曲として改作されたもの。


合唱曲
カンタータ『クロヴィスとクロティルド』(Clovis et Clotilde, 1857年)
ビゼーがローマ賞を獲得した作品として知られるカンタータである。その後、総譜は一時紛失していたが、1988年に再発見され、同年に蘇演された。
テ・デウム(Te Deum, 1858年)
ローマ賞を受賞した翌年に書かれた合唱曲。ローマ滞在中に作曲されたもの。
交響的頌歌『ヴァスコ・ダ・ガマ』(Ode-symphonique "Vasco de Gama", 1859年-1860年)
L.ドライドルの作詞による合唱と管弦楽のための作品。全曲はめったに演奏されないが、この中の曲「君の心を開け」は多く演奏される。
パトモス島の聖ヨハネ(Saint-Jean de Pathmos, 1866年?)
ヴィクトル・ユゴーの作詞による男声合唱曲。


ピアノ曲
夜想曲第1番 ヘ長調(1854年)
初期の習作。
ラインの歌(1865年)
全6曲からなるピアノ曲。
半音階的変奏曲(1868年)
『演奏会用半音階的変奏曲』とも。グレン・グールドがこの作品を録音している。
子どもの遊び Op.22(1871年)
連弾のための作品。後にビゼーによって管弦楽編曲版『小組曲』も作られ、現在では後者が多く演奏されている。


歌曲
古い歌(1865年?)
てんとう虫(1868年)
はちすずめ(1868年-1873年頃)


編曲作品
グノー:交響曲第1番 ニ長調(1855年)
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ト短調
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 作品28(1870年)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%BB%E3%83%93%E3%82%BC%E3%83%BC
 

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