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修理した装置を戻せず、露から独へ天然ガスを運ぶパイプラインの輸送量が6割減
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202206170000/
2022.06.17 櫻井ジャーナル
ジョー・バイデン米大統領は大手石油会社のCEOに対し、石油や天然ガスの価格上昇を緩和させるように求める手紙を出したという。その責任はロシアや石油会社にあり、自らの政策は関係ないということのようだ。
コンピュータで管理されている現在の相場は人為的にコントロールされていると言われているが、それでも基本は需要と供給のバランス。需要はCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動で減少したが、バイデン政権がロシアとの取り引きを厳しく制限したことで西側諸国への供給が滞っている。
ロシアには中国という巨大なマーケットがあり、問題は大きくないのだが、EUは厳しい状況に陥った。天然ガスの生産量が最も多い国はアメリカだが、シェール・ガスやシェール・オイルに頼っている。この生産方法は環境を汚染するだけでなく、生産コストが高い。しかもEUへ輸送するにはLNG(液化天然ガス)の形で行うため、輸送コストが高くなる。
ロシア政府はアメリカに従属している国へ天然ガスを供給しないとは言っていない。そうした「非友好国」でも決済をロシアの通貨ルーブルにすれば売っている。
ロシアからEUへ天然ガスを輸送する場合、パイプラインが使われているが、その多くがウクライナを通過していた。バラク・オバマ政権が2013年11月から14年2月にかけてネオ・ナチを使ったクーデターでウクライナの体制を転覆させたが、その目的のひとつはそこにある。ロシアの天然ガス市場を奪い、EUの供給源を断つということだ。
ソ連が消滅した直後の1992年2月にジョージ・H・W・ブッシュ政権のネオコン人脈は国防総省はDPG草案という形で世界制覇プランを作成した。そのプランの作成で中心的な役割を果たしたのは国防次官だったポール・ウィルフォウィッツ。その時の国防長官はディック・チェイニーだった。
ライバルだったソ連の消滅でアメリカは「唯一の超大国」になったとネオコンたちは認識、他国に配慮することなく行動できる考えた。支配力の源泉であるエネルギー資源を支配するだけでなく、アメリカに従属する「友好国」も潜在的ライバルになった。そこで支配力の源泉であるエネルギー資源を支配するだけでなく、EUや東アジアを叩くことになる。
アメリカは第2次世界大戦が終わった直後、ヨーロッパを支配する仕組みとしてNATOを組織、その支配力は強まってきた。それでもまだ不十分だとアメリカの一部支配層は考えている。
それに対し、EUにもアメリカから自立する道を探っている人びとがいる。そして建設されたのが「ノードストリーム1」。これは2011年11月に開通した。それと同時に「ノードストリーム2」の建設が始まり、アメリカの妨害を乗り越えて21年9月には完成している。
しかし、ウラジミル・プーチン露大統領がドンバス(ドネツクとルガンスク)の独立を承認した翌日、つまり2月22日にドイツ政府は「ノードストリーム2」の承認手続きを中止すると発表した。
それでも「ノードストリーム1」は稼働しているが、ここにきて輸送量が大幅に減少した。このパイプラインは1日に1億6700万立方メートルの輸送能力があるのだが、6月14日にロシアのエネルギー会社「ガスプロム」から1億立方メートルに減少したという発表があった。その直後に輸送量は6700万立方メートルだと訂正されている。
輸送量が減少した理由は、コンプレッサーの装置をシーメンスが修理のために取り外し、カナダで直して戻そうとしたところ、アメリカ政府が行っている「制裁」で戻せなくなったためだという。アメリカ政府は「ノードストリーム2」だけでなく「ノードストリーム1」も止めたいはずだ。ちなみに、シーメンスはドイツの情報機関BNDと緊密な関係にあり、必然的にアメリカのCIAとも関係が強い。
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