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ロシアや中国との軍事的緊張を高めてきたバイデン政権の政策が経済破綻を招く
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202206140000/
2022.06.14 櫻井ジャーナル
ニューヨーク・タイムズ紙によると、ジョー・バイデン大統領に対する欲求不満が民主党の議員や幹部の間から噴出している。中間選挙で民主党が厳しい状況にあり、2024年の大統領選挙にバイデンは出られない可能性もある。79歳という年齢も問題だが、政策に対する有権者の批判が強い。
バイデンは大統領に就任した直後からロシアや中国に対する経済的、そして軍事的な緊張を高めてきた。アメリカやイギリスを支配する私的権力は世界を制覇するため、中国とロシアを屈服させようとしている。バラク・オバマ政権の政策を継承したのだ。
オバマとバイデンの間にドナルド・トランプがいる。トランプが当選した大統領選挙は2016年に実施されたが、その前年の6月にオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にジム・メッシナというヒラリー・クリントンの旧友が出席している。そこで2017年に大統領となるのはクリントンだと見られていたのだ。
しかし、2016年2月10日にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン露大統領と会談して風向きが変わった。2月22日にはキッシンジャーとプーチンはシリアにおける停戦で合意。そして大統領候補として浮上、当選したたのがドナルド・トランプだ。オバマ、クリントン、バイデンの反ロシア人脈をキッシンジャーは危険だと考えていた。
2014年3月5日、キッシンジャーのウクライナ情勢に関する論評がワシントン・ポスト紙に載った。ロシアは「キエフ公国」から始まったと指摘、ロシアにとってウクライナは特別な存在だとしている。
しかもドンバスを含む東部の地域はロシア革命後、つまり20世紀に入ってから割譲されている。クリミアの場合、1954年までロシアだった。当然、住民の多くはロシア語を話し、ロシア正教を信じている。ウクライナ語を話し、カトリック教徒が多い西部とは文化的に別なのだが、キッシンジャーもこの点を指摘している。
2014年2月にオバマ政権はネオ・ナチを使ったクーデターで東部や南部を支持基盤とするビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除した。クーデター体制がロシア語の使用を厳しく制限し、政策的にロシア語系住民を差別したのは必然だ。アメリカやクーデター体制はロシア語系住民を排除しようとしたと言える。パレスチナで行われたことがウクライナでも行われようとしたのである。そして内戦が始まった。
オバマ政権はウクライナ国民の意志を踏みにじり、自分たちの政策、戦略を押し付けようとしたが、キッシンジャーはウクライナに政治経済的な選択の自由を持つべきだと主張、NATOの加盟するべきでないともしている。ロシアから見るとNATO加盟は新たな「バルバロッサ作戦」に見えるはずだ。
しかし、アメリカやイギリスにはロシアを制圧し、アングロ・サクソンが世界の覇者になるという戦略を捨てない人がいる。その一部がネオコンだ。その戦略に基づき、ソ連が消滅した直後の1992年2月にアメリカ国防総省はDPG草案という形で世界制覇プランを作成した。そのプランの作成で中心的な役割を果たしたのは国防次官だったポール・ウィルフォウィッツ。そこでこのプランは「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれる。国防長官だったディック・チェイニーも重要な役割を果たした。
このプランによると、アメリカは旧ソ連圏を制圧するだけでなく、潜在的なライバルであるEUや東アジアを叩くとしている。また支配力の源泉であるエネルギー資源を支配するため、中東での影響力を強めることも重要なテーマになる。
しかし、アメリカ支配層の内部にも単独行動主義を危険だと考える人がいた。その中にはジョージ・H・W・ブッシュ大統領、ブレント・スコウクロフト国家安全保障補佐官、ジェームズ・ベーカー国務長官も含まれている。
また、「封じ込め政策」で有名なジョージ・ケナンもNATOの拡大がロシアを新たな冷戦に向かわせると1998年5月に警告していた。1997年1月に国務長官が反ロシア派でヒラリー・クリントンと親しいマデリーン・オルブライトに交代、98年4月にアメリカ上院はNATO拡大を承認している。反コミュニストのケナンでさえそうした動きは危険だと考えたのだろう。そして1999年3月、NATO軍はユーゴスラビアを先制攻撃。ウクライナでの戦争はここから始まるとも言える。
結局、ネオコンの好戦的な政策は推進され、ブッシュ・シニア、スコウクロフト、ベーカー、キッシンジャー、ケナンらの意見は封印されてしまう。その上で重要な役割を果たしたのが2001年9月11日に引き起こされたニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎に対する攻撃、いわゆる「9/11」だと言えるだろう。
しかし、ここにきてネオコンの戦略に対する批判が支配層の内部でも強まっているようだ。バイデンはウォロディミル・ゼレンスキー大統領やネオ・ナチを見捨てる動きを見せているが、こうした勢力がおとなしく従うとは思えない。アメリカとロシアを戦争させようとする可能性がある。ロシア殲滅戦に加わったポーランドでも不満が高まっているようで、欧州議会のメンバーで、ポーランドの外務大臣や国防大臣を経験しているラドスワフ・シコルスキーはウクライナへ核兵器を持ち込めと主張している。
欧米の反ロシア好戦派がいきりたつ中、ニカラグアのダニエル・オルテガ政権は緊急時や自然災害の際、法執行、人道的援助、救援、捜索などのためにロシア軍が同国へ入ることを認めると発言した。アメリカと同じことをするということだろうが、自分たちは特別だと信じているアメリカ支配層への刺激にはなるだろう。
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