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ロシアで米英金融資本の手先が排除され始めた可能性
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202205310001/
2022.05.31 櫻井ジャーナル
ウラジミル・プーチン露大統領の無給顧問を務めていたワレンチン・ユマシェフが辞任したと伝えられている。エリツィン・センターの役員だということらもわかるように、この人物は米英金融資本の手先だったボリス・エリツィンと緊密な関係にあった。
エリツィンは1991年7月にロシア大統領に就任したが、この月にソ連のミハイル・ゴルバチョフ大統領はロンドンで開かれた主要7カ国首脳会議に呼び出され、新自由主義の導入、いわゆる「ピノチェト・オプション」を要求されている。この要求をゴルバチョフは受け入れず、翌月に「クーデター未遂」が引き起こされた。これが切っ掛けになって実権を握ったエリツィンが1991年12月にソ連を消滅させたわけである。
エリツィン時代、クレムリンに巣食う腐敗勢力の中心にいたのはエリツィンの娘であるタチアナ。アルコールに溺れた生活を送り、心臓病を抱えていた父親に代わり、政府を動かしていた。ボリスは1996年にタチアナを個人的な顧問に据えている。
2000年にプーチンから解雇された彼女はその翌年、エリツィンの側近で広報担当だったバレンチン・ユマシェフと結婚している。ユマシェフの娘であるポリナ・ユマシェバと結婚したオレグ・デリパスカはロシアのアルミニウム産業に君臨するイスラエル系オリガルヒで、ナット・ロスチャイルドから「アドバス」を受ける一方、ロスチャイルド系の情報会社ディリジェンスの助けで世界銀行から融資を受け、政治面でも西側との関係を強めていたものの、プーチンとの対決は避けた。
ロシア軍がウクライナへの攻撃を始めた後、気候問題特使を辞任してロシアを離れたアナトリー・チュバイスはタチアナの利権仲間。チュバイスは1992年11月にボリスが経済政策の中心に据えた人物で、HIID(国際開発ハーバード研究所)と連携していた。この研究所はCIAの工作資金を流していたUSAIDからカネを得ていた。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,” Next Revelation Press, 2015)
ソ連が消滅してから現在に至るまで、ロシアの経済や金融は米英の巨大金融資本と深くつながっている人びとにコントロールされている。このネットワークを排除するべきだと考えるロシア国民は少なくないが、経済の混乱を恐れたのか、プーチン大統領はこの問題に手をつけなかった。国家安全保障会議副議長のドミトリー・メドベージェフ、財務大臣のアントン・シルアノフ、中央銀行総裁のエリヴィラ・ナビウリナもそうしたネットワークのメンバーだとみなされている。
しかし、ユマシェフがプーチンから離れたとするなら、エリツィンの娘を中心に形成されたグループがロシアの支配システムから排除され始めた可能性がある。ロシアのアキレス腱と言われるシルアノフ財務大臣やナビウリナ中央銀行総裁を交代させられるかどうか注目している人は少なくない。
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