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フィリピンの次期大統領は米国支配層が使い捨てにしたマルコスの息子
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202205110000/
2022.05.11 櫻井ジャーナル
フィリピンでは5月9日に次期大統領を決める投票があり、フェルディナンド・マルコス・ジュニア(ボンボン・マルコス)が勝利、副大統領にはロドリゴ・ドゥテルテ大統領の娘であるサラ・ドゥテルテが就任するようだ。
アメリカの支配層は日本列島から琉球諸島、そして台湾へ至る弧状に並ぶ島々で中国を封じ込め、侵略の拠点にしようとしているが、それと同時に中国の航路をいつでも断ち切ることができる態勢を整えるため、インド洋からマラッカ海峡、そして南シナ海や東シナ海を海軍力で支配しようとしている。それが「自由で開かれたインド・太平洋」。
安倍晋三は総理大臣時代の2015年6月、赤坂にある赤坂飯店で開かれた官邸記者クラブのキャップによる懇親会で「安保法制は、南シナ海の中国が相手なの」と口にしたという。
南シナ海を支配するためにフィリピンは重要。ドゥテルテの前任者であるベニグノ・アキノ3世は母親のコラソンと同じようにアメリカ支配層の代理人。ベニグノは2010年6月から16年6月まで大統領を務めたが、2012年からスービック海軍基地やクラーク空軍基地をアメリカ軍に再び使わせている。
2016年6月からドゥテルテは大統領を務めたが、最初からアメリカの属国から脱する意思を見せ、中国と友好的な関係を結ぼうと積極的に動く。アメリカは1998年にフィリピンへVFA(訪問軍協定)を押しつけていたが、この協定の破棄をドゥテルテ大統領は2020年2月にアメリカへ通告した。
ドゥテルテによると、2016年9月の段階でフィリピンの情報機関からアメリカが彼を殺したがっているという報告を受け、2017年5月にはフィリピン南部にあるミンダナオ島のマラウィ市をダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)系だというマウテ・グループやアブ・サヤフが制圧した。この地域は以前からダーイッシュが活発に動いていて、市内には500名程度の戦闘員がいると見られていたが、アメリカ軍は活動を容認してきた。中東でアメリカはダーイッシュを傭兵として利用している。
この騒動の際、マラウィ市制圧を口実にして特殊部隊を派遣している。アメリカ大使館はフィリピン政府から要請に基づき、アドバイするんだと説明しているのだが、ドゥテルテ大統領はアメリカ側に支援を頼んでいないとしている。
ベニグノ・アキノ3世の父親にあたるベニグノ・アキノ・ジュニアはアメリカのNEDを通じてCIAから活動資金を提供されていたが、1983年8月にマニラ国際空港で殺された。当時、アメリカはボンボンの父親であるフェルディナンド・マルコスを排除しようとしていた。
マルコスはリチャード・ニクソン政権が中国と国交を正常化する際に協力しているが、1980年代に入るとアメリカの支配層がコントロールできなくなっていたのだ。そして1986年2月にアメリカ軍がマルコスを拉致して国外へ連れ出すが、その黒幕はポール・ウォルフォウィッツだと言われている。
フィリピンでマルコスが実権を握れたのは資金力があったからだが、その資金は日本軍が隠した財宝の一部を掘り出すことで手に入れたと言われている。マルコスはイメルダ・ロムアルデスと結婚したが、この女性を紹介したアメリカ軍の情報将校は財宝に関する詳しい情報を持っていたという。
マルコスが排除された後、ベニグノ・アキノの妻であるコラソン・アキノが大統領に就任。アキノ大統領は1987年、政府軍が「共産ゲリラやNPA(新人民軍)に対して戦闘状態に入る」と宣言、CIAの要員は115名から130名以上に増強し、アメリカの外交政策を正当化するためのプロパガンダを積極的に展開していく。
マルコス政権時代、暗殺や拷問を担当していたCHDF(民間郷土防衛隊)が存在していたが、それをコラソン政権は改組してCAFGUに作り替え、フィリピン国軍のSOT(特殊作戦チーム)の一部になった。
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