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ロシアを皮切りに世界が金本位制に戻る/田中宇
http://www.asyura2.com/21/kokusai31/msg/648.html
投稿者 仁王像 日時 2022 年 5 月 01 日 09:11:31: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

◆ロシアを皮切りに世界が金本位制に戻る/田中宇 https://tanakanews.com/  【2022年4月30日】  ロシア政府が「金資源本位制」の導入を検討していることを正式に認めた。  3月末からロシア中銀が1g5000ルーブルの固定相場で国内銀行から金地金を買い始め、金本位制への移行が感じられていた。  これまで非公式だった金資源本位制の導入が今回正式なものになったことは、この導入がうまくいきそうだと露政府が考えていることを感じさせる。金本位制の導入は人類にとってニクソンショック以来51年ぶりだ。QEの終了によっていずれ米国側の金融が大崩壊してドル基軸が喪失すると、日米欧の米国側も通貨の立て直しのために金本位制を導入せざるを得なくなる。世界はドル崩壊と金本位制に向かっている。  

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コメント
1. ご免なすって![177] grKWxoLIgreCwYLEgUk 2022年5月01日 18:15:06 : HbQiBUb3Bc : L05pNDdDakFWbFU=[61] 報告
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《参考》 Ronan Manly (ロンドンの金市場アナリスト)
論文「ルーブルと金の固定価格の意味と世界的ン影響」 
わかり易い解説を見つけたのでご紹介します。
田中宇氏記事と合わせてお読みください。

石油にとって、これは何を意味するのだろうか。

ロシアは世界最大の天然ガス輸出国であり、世界第3位の石油輸出国である。今、プーチンは、外国の買い手(ロシアのガスの輸入者)がこの天然ガスの代金をルーブルで支払うよう要求している。これは即座に天然ガスの価格をルーブルに、そして(金と固定的にリンクしているため)金価格にリンクさせるものである。つまり、ロシアの天然ガスはルーブルを介して金と連動するようになったのである。
同じことが、ロシアの石油でもできるようになった。もしロシアが石油の輸出代金をルーブルで支払うよう要求し始めれば、(ルーブルと金の固定価格による)金との間接的なペッグが即座に成立することになる。そうすれば、ロシアは石油の輸出代金の支払いに金を直接受け入れるようになるかもしれない。実際、これは石油や天然ガスだけでなく、あらゆる商品に対して適用することができる。


金の固定価格を設定することに
なぜ意義があるのか?


ロシアの銀行から金を1グラム5000ルーブルの固定価格で買い取ることを提案することで、ロシア銀行はルーブルと金をリンクさせ、金が米ドルで取引されることから、米ドルを基準にしたルーブルの下限価格を設定したのである。
この連動性は、ロシア中銀が固定価格を発表した3月25日(金)以降、実際に見られるようになった。当時、ルーブルは1米ドル=100円前後で取引されていたが、その後、強含み、1米ドル=80円に近づいている。なぜか?国際市場で金が1グラム62ドル程度で取引されており、(5000÷62)=約80.5ドルに相当するため、市場や裁定取引業者が注目し、ルーブル/ドルレートが上昇したためだ。つまり、ルーブルは金に対して、米ドルの下限を持つようになったのです。しかし、金にも床がある。1グラム5000ルーブルは金1トロイオンス15万5500ルーブルで、ルーブル/米ドルの床が約80とすると、金価格は約1940ドルである。そして、LBMA / COMEXの欧米のペーパーゴールド市場が米ドルの金価格を下げようとすれば、ルーブルも下げようとしなければ、ペーパー操作が露呈することになる。
さらに、金とルーブルの連動により、(例えば、ルーブルでのエネルギー支払い義務による需要で)ルーブル高が続けば、金価格の上昇にも反映されることになる。


これはルーブルにとって
何を意味するのだろうか。


ロシア中銀の固定価格による金との連動は、ルーブル/米ドルのレートを底上げし、ルーブルを安定させ、高値を更新している。天然ガスの輸出代金をルーブルで支払うよう要求することは、(将来的には石油や他の商品も)再び安定化と支持に作用する。国際貿易システムの大半が商品代金の決済にルーブルを受け入れるようになれば、ロシア・ルーブルは世界の主要通貨となる可能性がある。同時に、ロシアが石油の支払いに金を直接受け入れるようになれば、ロシアの外貨準備への国際的な金の流入が増え、ロシア銀行のバランスシートも強化され、ルーブルも強くなる。

ルーブルの金ペッグで
世界の他の通貨はどうなる?


世界の通貨情勢は急速に変化しており、世界中の中央銀行が注目しているのは明らかである。ロシアの外貨準備の大部分を凍結する一方、ロシアの金を制裁しようとする欧米の制裁は、海外に保有する外貨準備の財産権が尊重されない可能性があることを明らかにし、同様にイングランド銀行やニューヨーク連銀などの保管場所にある外国の中央銀行の金も没収されないとは限らないことを明らかにした。
したがって、他の非欧米諸国政府や中央銀行は、ロシアがルーブルを金とリンクさせ、商品輸出代金をルーブルにリンクさせることに強い関心を持つだろう。言い換えれば、もしロシアが石油の支払いを金で受け入れるようになれば、他の国もそれに追随する必要性を感じるかもしれないのである。
米国を除いた世界最大の石油・天然ガス生産国はどこかというと、イラン、中国、サウジアラビア、UAE、カタールである。もちろん、BRICS諸国やユーラシア大陸の国々も、これらすべてを注視している。米ドルの崩壊が近いとすれば、これらの国々はすべて自国通貨が新たな多国間通貨秩序の受益者になることを望んでいるはずである。


米ドルにとって何を意味するのだろうか。


1971年以来、米ドルの世界的な基軸通貨としての地位は石油に支えられてきた。しかし、今、我々が見ているものは、この50年にわたるシステムの終わりの始まりと、金と商品に裏打ちされた新しい多国間通貨システムの誕生のように見える。ロシアの外貨準備の凍結が引き金となった。中国や石油輸出国など世界の巨大な商品強国は、今こそより公平な新しい通貨制度に移行する時だと感じているのかもしれない。これは驚くことではなく、何年も前から議論してきたことである。 米ドルがどのような影響を受けるかを語るのはまだ早いが、米ドルは弱くなり、影響力を失うことになるのは間違いない。


金の価格にとって何を意味するのだろうか。


ルーブルを金にリンクさせ、さらにエネルギー決済をルーブルにリンクさせるという両輪を動かすことで、ロシア銀行とクレムリンは世界の通貨システムの変化を加速させながら、世界の貿易システムの動作前提全体を根本的に変えているのである。現物商品への支払いに現物の金を求める買い手のこの壁は、LBMAやCOMEXのペーパーゴールド市場を確実に魚雷で破壊し、吹き飛ばすことができるだろう。
ルーブルと金の固定ペッグは、ルーブル/米ドルのレートに床を付け、米ドルの金価格にも準床を付けている。しかし、それ以上に、金がエネルギー支払いと連動していることが重要なポイントである。ルーブルの需要が増えれば、ルーブル/米ドルのレートは上昇し続け、ルーブルと金の連動性が固定されているため、金価格の上昇として現れるはずだが、ロシアが石油の支払いとして金を直接受け入れるようになれば、石油価格が金価格に直接連動することになり、金価格にとって新しいパラダイムシフトとなるであろう。
例えば、ロシアは今後、原油1バレルあたり1グラムの金を受け入れると指定することから始めることができる。1グラムである必要はないが、例えば1バレルあたり1.2グラムというように、現在の原油の基準価格から割り引いた価格で提供することで、受け入れが促進されるはずである。そうすると、ロシアの石油輸出のために現物の金を買おうと買い手が殺到し、その結果、ロンドンやニューヨークのペーパーゴールド市場に大きな負担がかかることになります。


このような展開の結果、何が起こるでしょうか。


ロシア銀行がルーブルを金にリンクさせ、商品決済をルーブルにリンクさせるという動きは、西側メディアがまだあまり把握していないパラダイムシフトである。ドミノ倒しのように、これらの出来事は様々な形で反響を呼ぶ可能性があります。現物の金に対する需要の増加。ペーパーゴールド市場の暴落。金価格の再上昇。米ドル離れが進む。米ドル以外の通貨による非欧米諸国間の商品二国間貿易の増加などである。

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2. 2022年5月02日 22:03:16 : 55MefWuSs2 : a3B2QWJjNi9NeG8=[1] 報告
Ronan Manly 論文「ルーブルと金の固定価格の意味と世界的ン影響」 


上記論文は、”ロシアが石油や天然ガスの輸出代金をルーブルで支払うよう要求すれば、ルーブルと金の固定価格による、金との間接的なペッグが即座に成立する”と指摘、これが他の商品にも拡大されれば、ここに金本位制が復活かもと述べる。金1gは5000㍔と固定だから、金1㌉すなわち金31.1035gは、15万5500ルーブルである。5月2日午前現在外為相場は80㍔=1ドルだから、15万5500㍔=1944jとなり、ほぼ現行の金相場であり、妥当となる。ロシアが貿易等の国際決裁を金で行うとき、関連する諸外国の決済も、連動して金が中心となり、次第に世界経済の基底は金本位制となる、と上記論文は指摘する。問題はそのとき、世界国内経済の拡大に対応するだけの金の量が存在するかという金本位制の致命的弱点よく指摘されるが、この致命的な問題に如何に対応するか、ついては論文は言及ない。
これへの1つ対応策について、仮にA国がロシアから155万5000㍔分の天然ガスを輸入し、311gの金支払いが必要となったと仮定する。このときA国は25%に相当する78gの金だけを支払い、残余の天然ガス相当の116万6300ルーブルは、取り敢えずA国側の帳簿上だけの貿易債務としておく。こうすることで、世界貿易総量に必要なだけの金量を、取り敢えずは縮小し確保するという、1つの仮説である。この意味する所は、ロシア側から見れば、帳簿上の貿易債権などは為替変動で極めて不安定であり、何時紙屑化するかも知れぬ。このようなものより、手中にした78gの金を、国際商品であるから速やかに価格上昇させ4倍まで上昇させた方が、スムースな155万5000㍔分の天然ガス代金回収に繋がるとなる。
 こうした仮説の考え方は、金不足量に対応できると共に、金価格上昇のインパクも働くと断定できる。これは、25%部分的金本位制といいうるもので、かって高橋靖男氏『金急騰!』(廣済堂出版、2004年 P162)が提起した1つの仮説である。こうした考え方以外にも、金本位制の弱点をカバーする構想はいろいろあると思うが、何れにしても国際基軸通貨をドルだけが担う時代は終了であり、米がFF金利を3.75%にしようが4〜4.5にしようが、時代の趨勢に対してはお門違いであり、国際通貨は流動化に入ったのである。

3. 2022年5月04日 00:07:40 : LY52bYZiZQ : aXZHNXJYTVV4YVE=[13294] 報告
ウソだらけのウクライナ戦争
2022年5月3日   田中 宇
2月末のウクライナ開戦から2か月あまりがすぎたが、この戦争に関する米国側(米欧日)のマスコミ報道はウソだらけのままだ。「ロシア軍は戦略的に大失敗して、残虐行為や過激な破壊攻撃といった戦争犯罪をウクライナで繰り返しつつ、ウクライナ軍の果敢な反撃を受けてキエフ周辺から撤退し、ロシア系が多い東部のドンバスにいったん引きこもり、そこからゆっくり南部に再侵攻しようとしている」といった感じの報道になっているが、露軍は大失敗していないし、残虐行為も過激な破壊も戦争犯罪も犯していない。ウクライナ軍は露軍に包囲されており、ほとんど反撃できていない。露軍は4月初めにキエフから撤退したが、それはキエフ周辺のウクライナ軍の施設を大体破壊したからだ。 (市民虐殺の濡れ衣をかけられるロシア) (ロシアが負けそうだと勘違いして自滅する米欧)

米国側のマスコミ権威筋がウクライナ戦争に関してウソばかり報じているのは、米国と同盟諸国のマスコミ権威筋の支配的な情報源である米中枢(諜報界、米政府筋)が、そのような情報を流して報道させているからだ。ロシア側が流す情報を分析すればウソを修正できるが、米国側のマスコミ権威筋は、ロシア側からの情報を全てウソと決めつけることを米中枢からの加圧で義務づけられているので、ウソを修正できない。開戦から時間が経つほど、この米国側の言論統制が強くなり、ウソまみれの公式論以外のことを言う人は権威を剥奪される。国際問題に関する権威の付与は米中枢を頂点とする構造になっており、権威を剥奪されたら生きていけない権威筋はウソしか言えなくなっている。賢い(生き方がうまい)権威筋ほど、悩まない方が良いと直観し、余計なことを考えずウソを本気で信じる。その方がうまく権威を獲得維持できる。 (まだまだ続くロシア敵視の妄想) (権威筋や米国覇権のゾンビ化)

ウクライナ戦争の大ウソを維持するため、米政府は言論統制をどんどん強化せざるを得ない。米政府は4月に入り、新たな試みとして、米マスコミの中でCNNとブルームバーグ通信の編集者を大統領府(ホワイトハウス)の安全保障会議に出入りさせ、大統領府直結で記事を書けるようにしてやる代わりに、書いた記事を大統領府の担当者が確認し、不都合な言い回しやニュアンスを替えさせてから報道させる新しい検閲体制を組んだ。この新たな検閲体制により、米国のマスコミは政府との一体化を増大させられている。日本の戦争中の「大本営発表」をもっと巧妙にしたものだ。 (White House Holds CNN and Bloomberg 'by the Throat' Greenlighting Fakes About Russia, Source Says)

米国(や日本)では従来、政府などがマスコミに歪曲した情報を漏洩(リーク)して報道させることで似たような機能を実現していたが、マスコミ側が政府側の意図通りのニュアンスで報道してくれないことも多く、今回の戦争のようにウソが膨張していると、マスコミ側が理性を働かせてしまってウソを報道してくれなくなる可能性が増す。それを防ぐため米政府は、報道の自由を大きく侵害する検閲体制を組み始めたのだろう。 (WH 'endorses' all CNN, Bloomberg articles about Russia)

ウクライナ戦争のウソの構図を戦略的に決めているのは、大統領府の安保会議の中に作られた「タイガーチーム」と呼ばれる組織のようだ。この組織は昨年からあり、最初は「ロシアがウクライナを侵攻しそうであることへの対応策」を練っていたことになっている。実際は、米国がロシアをウクライナに侵攻させたかったのであり、タイガーチームの実際の最初の課題は「ロシアをどのように挑発してウクライナに侵攻させるか」だったのだろう。2月末にロシアがウクライナに侵攻した後、タイガーチームの名目上の課題は「ロシアがウクライナで大量破壊兵器を使いそうだが、もし使ったら米欧はどう対応すべきか」に変わった。実際の課題は「ロシアがウクライナで大量破壊兵器を使ったという濡れ衣をどうやってロシアにかけるか」であろう。ブチャ虐殺など、他の戦争犯罪の濡れ衣がタイガーチームの発案だった可能性もある。 (Russia, Ukraine Conflict: Biden Assembles ‘Tiger Team’) (ウクライナで妄想し負けていく米欧)

タイガーチームは「露軍がどこまでひどいことをやったらウクライナにNATO軍が入るべきか」も考えている。露軍に大量破壊兵器や虐殺の濡れ衣をうまくかけられたら、次は、ドイツなど欧州のNATO諸国にウクライナに進軍しろよと加圧する同盟国いじめをやる気かもしれない。バイデン政権の中枢には隠れ多極主義者がたくさん入っており、彼らは米覇権の同盟国体制を自滅させるのが隠れた目標だ。タイガーチームには分科会もあって、そこは「ウクライナ戦争によって地政学的な大状況がどう変わり、何をすべきかを考える」ことになっている。自分たちの無茶苦茶によって米覇権がうまく崩壊して多極化が進んだら、その多極化が逆戻りしないよう、中露への敵視を続けつつ米国自身は孤立主義を増していく策を採る気でないか。 (U.S. Makes Contingency Plans in Case Russia Uses Its Most Powerful Weapons) (中立が許されなくなる世界)

タイガーチームは、イラク戦争を起こしたブッシュ政権中枢のネオコンと同様、政権と覇権の中枢に陣取って、自分たちと異なる分析や戦略案を出してくる諜報界のまっとうな他の勢力からの提案を潰す役目も果たしている。以前に紹介したスイスの諜報専門家であるジャック・ボーは「昨年来、ウクライナの状況を正確に把握している欧米の諜報機関がまったくなくなってしまったことに驚く。多くの諜報機関は、マスコミが報じているインチキと同じものをウクライナに関する諜報の結論にしてしまっている」と言っている。NATO諸国の全体で、タイガーチームに楯突くまっとうな分析を出してくる諜報員は潰される仕組みが作られているのだろう。ジャック・ボーの怒りは当然だが、彼は欧州人だし元当局者なので、米中枢の仕組みに関する深読みをしていない(彼はもともと軍産・権威筋内部の専門家で、今回は諜報界がひどい状態になっていることに対する義侠心から表に出た)。バイデン政権は、トランプと違うやり方で、予定通り順調に米国覇権を自滅させている。 (Jacques Baud: “The Military Situation In The Ukraine”) (ウクライナ戦争で最も悪いのは米英)

タイガーチームのような組織は、巨額の裏金・裏の予算を持っている。ウクライナ開戦後、米国は臨時の予算を組んでウクライナへの軍事支援を急増させている。しかし、米政府が米国内の軍事産業に作らせてウクライナに送り込んだことになっている巨額の兵器群のほとんどが、実際にウクライナ軍の現場に届いているのかどうか確認できず、追跡手段も作られていない。ウクライナ軍部隊の多くはすでに露軍に包囲され、米国などが兵器を送っても受け取れる状況にない。米国がウクライナに送ったはずの兵器の大半は、たぶん兵器の製造すら行われておらず、米政府が払った資金を軍事産業が管理して、それがタイガーチームの下請けのシンクタンクや実働部隊に分配されているのだろう。 (US weapons for Ukraine disappearing into 'black hole')

たとえば英国軍は、軍事諜報の専門家をウクライナ内務省に派遣して、ウクライナ内務省の国家警察や極右民兵団が露軍に濡れ衣をかけるための虐殺現場を演出するのを手伝っている。ブチャ虐殺の騒動演出の直前、現場に向けて英国人の車両が走っていったことを、ベラルーシの諜報機関が把握している。英諜報界は米政府のタイガーチームの下請けとして、ウクライナで露軍に濡れ衣をかける現場の担当者をしている。英政府は金欠なので、英諜報界は米国防総省の裏金を使っているはずだ。 (Bucha was "BRITISH JOB" Lukashenko claims.) (濡れ衣をかけられ続けるロシア)

英諜報界はウクライナに、化学兵器使用の濡れ衣をかけたプロである「白ヘルメット」を連れてきている。英諜報界はシリア内戦時に、シリア政府軍に空爆された反政府派(テロリスト。ISアルカイダ)が支配する街で瓦礫の中から市民を救助することで有名になった市民組織(のふりをしたテロリストの集まり)「白ヘルメット」の創設を手伝い、支援援助もしていた。白ヘルメットは、救援活動をするふりをして、シリア政府軍の空爆直後に現場に塩素などの毒性の物質を噴霧して市民に被害を負わせ、アサド政権のシリア政府軍が化学兵器で市民を攻撃したという話をシリア各地ででっちあげることを繰り返した。塩素は、ISカイダを支援するトルコ軍が供給していた。 (いまだにシリアでテロ組織を支援する米欧や国連) (シリア内戦 最後の濡れ衣攻撃) (露イランのシリア安全地帯策)

この英国系の策略は米国の下請けで行われていたらしく、米英は化学兵器使用を調査する国際機関OPCWを動かして歪曲的な現地調査をさせ、シリア軍に対し、化学兵器を使ったという濡れ衣をかけることに成功した。OPCWの現地調査団は、化学兵器が使われていないといったん結論づけたが、OPCWの上層部から圧力をかけられて結論を歪曲させられた。シリア軍は内戦前に自主的に米英の監督のもとで化学兵器を全て処理しており、化学兵器攻撃をやるはずがない。マスコミのウソ報道と裏腹に、シリア政府軍は1回も化学兵器を使っていない可能性がとても高い。私はそれを記事にしている。ロシアは、シリア内戦でアサド政権を助けて勝たせており、白ヘルメットの戦争犯罪やOPCWのウソを指摘したが、英米の詭弁に対抗しきれなかった。 (シリア政府は内戦で化学兵器を全く使っていない?) (Canada Reveals It Paid White Helmets $4 Million Annually After It Cuts Ties ) (OPCW: Investigation Into Two Alleged Syria Chemical Attacks Inconclusive)

英国は今回のウクライナ戦争の現場に、シリアから白ヘルメットの部隊を連れてきている(シリア内戦がアサド政権の勝ちに終わり、負け組になった白ヘルメットの人々はトルコ軍が占領する北シリアに住んでいた)。ウクライナに連れてこられた白ヘルメットの人々は、ウクライナ内務省や極右民兵団に、ロシア軍が化学兵器を使って市民を殺したという濡れ衣を演出するやり方を教えているはずだ。英政府は金欠だから、白ヘルメットの活動費用なども、米政府が軍事産業に発注したはずの兵器類で作った裏金が流用されている可能性がある。 (Opinion: The Syrian White Helmets are ready to help Ukraine) (NATO White Helmets follow al-Qaeda to Ukraine)

ロシア政府は、米英が化学兵器使用の濡れ衣を露軍にかけようとしていると、何度か警告している。実際の濡れ衣事件はまだ挙行されていない。米英側がタイミングを見計らっているのかもしれない。シリア内戦でアサド政権を擁護してきたロシア政府は、米英が白ヘルメットなどの現場部隊を使ってどのようにシリア政府軍に化学兵器使用の濡れ衣をかけてきたか、つぶさに見ている。ウクライナ戦争では、ロシア自身が、米英や白ヘルメットから、化学兵器使用の濡れ衣をかけられそうになっている。ロシアの政府や軍は、この濡れ衣戦争にどう対抗したら良いか、かなり前から考えているはずだ。これからの展開が注目される。 (White Helmets group shares tips with Ukrainians) (US comments on chemical attack accusations against Russia) (Kiev May Fake 'Russian Strike' on Ukrainian Naval Base to Destroy Odessa Cold Storage Complex: MoD)

米国防総省は1980年代から、巨額の予算をとってその一部(大半)を秘密作戦の費用に使うことをやってきた。自作自演臭が強い911テロ事件の前にアルカイダを育てるための資金も、そうした裏金が当てられたと考えられる。米国は、経済成長したら非米的な地域になりそうなアフリカ諸国を潰しておくため、アフリカ諸国の軍の幹部を米軍の学校で教える際に、クーデターのやり方も教え、アフリカでクーデターが頻発して政治的な不安定や内戦が永続し、アフリカが永久に経済成長できないようにしてきた。アフリカのどこかの将校が米国からの留学後に自国でクーデターを起こす際に、米国防総省の裏金が使われていた可能性もある。2014年のウクライナでの政権転覆や、その後の極右民兵団の育成にも、米国防総省の裏金が使われたはずだ。国防総省の裏金は、実態が全く不明のまま何十年も放置されている。この裏金がなかったら、世界の何百万人かが殺されずにすんだ。米国は人類を不幸にしている。米覇権にぶら下がって安穏としている同盟諸国はもっと悪い。 (米軍の裏金と永遠のテロ戦争) (The US Military Is Training Third World Coup Leaders Again)

ウクライナ戦争でウソ報道の必要性が急増し、検閲体制が組まれて報道の自由が失われていることから派生していろいろ書いた。話を戻す。米国では報道の自由だけでなく、国民の言論の自由も剥奪されつつある。インターネットの大企業が運営するSNSでは、かなり前からトランプ支持者や、新型コロナや地球温暖化やウクライナ戦争のウソなどに対して自然な疑問を持つ人が、運営企業から登録削除などの言論封殺の被害あっている。4月27日には、米政府の国土安全保障省の中に「偽情報統制委員会」(Disinformation Governance Board、偽情報管理会議)が作られ、ウクライナ戦争やその他の分野での「ウソ情報・偽情報(とレッテル貼りされる、実は正しい情報)」の発信者を捜査・検挙していく体制が組まれた。 (New Disinformation Governance Board better suited for dictatorships: Gabbard) (Who Is Nina Jankowicz? Head of Joe Biden's Disinformation Governance Board)

ウクライナ戦争に関してウソや偽情報を最も発信しているのは、すでに書いたように大統領府の安保会議を頂点とする米政府自身である。この新委員会は、まず米政府自体を取り締まらねばならないのだが、もちろんそんな話にはならない。新委員会の任務は、米政府が発するウソ情報を鵜呑みにせず、ウクライナ戦争の実際の状況はこんな風になっているんだと真実を語る人々、米政府のプロパガンダを拒否して対抗してくる人々を、偽情報の発信者とみなして取り締まることにある。新委員会にとっては、ウソを信じる人が正しい人で、ウソを信じずに正しいことを言う人は偽情報を発信する犯罪者である。これは全く、ジョージ・オーウェルの1984に出てくる「真理省」と同じである。ウクライナ戦争のウソに気づいているオルトメディアの分析者らは、この新委員会を「バイデンの真理省」と呼んでいる。 (Disinformation Governance Board: Biden’s ‘Ministry of Truth’) (New so-called ‘Ministry of Truth’ actually just a ‘Disinformation Governance Board’, which is precisely the opposite: DHS)

バイデンの真理省が取り締まりの対象としている分野はウクライナ戦争やロシア関係だけでない。バイデン大統領の息子のハンター・バイデンが父親の代理として中国やウクライナの政府系企業から資金(賄賂)を受け取っていた疑惑について語る人も、たぶん取り締まりの対象になる。バイデン政権の、大失敗している移民政策などを悪く言うことも、偽情報の流布とみなされうる。これらを語る人のほとんどは共和党支持者だから、真理省はバイデンが対立政党を潰すための機関でもある。いずれ米国の政権が交代すると、何が真実かも正反対になる。バイデンや民主党は、真理省を最大限に活用して共和党やトランプを「捜査」し、共和党の台頭を防ごうとするだろう。民主党系ネット大企業の独裁を破壊しようとするイーロン・マスクも逮捕されうる。米国はどんどん腐敗した国になっていく。・・・と言った途端に、それが偽情報発信の犯罪行為となる。 (Liberal media, watchdogs 'utterly asleep at their keyboards' on Biden’s Disinformation Governance Board) (On April 21 Obama Said Social Media Censors “Don’t Go Far Enough” – 6 Days Later Puppet Joe Biden Rolls Out “Ministry of Truth”)

ウクライナ戦争がウソだらけなのは、米英が作っているウソをプーチンのロシアが根強く訂正せず、ウソを放置しているからでもある。何度も書いているが、ウクライナ戦争が長期化するほど、この戦争で作られている米国側と、露中など非米側との決定的な対立構造が長く続き、資源や食料を握る非米側が優勢になり、米国側はインフレが金融崩壊に発展して破綻・敗北していく。米英が作ったウソの構図をロシアが放置した方が、この戦争は長期化する。それを知っているプーチンは、露政府にウソをあまり訂正させず放置している。露軍はウクライナでの戦闘をゆっくり展開している。これも長期化のためだ。米国側のマスコミ権威筋は、戦争は急いで終わらせないと失敗なので露軍は負けているとしたり顔で言っているが、全く間抜けである。 (米露の国際経済システム間の長い対決になる) (Pelosi's 'Victory' Rhetoric During Surprise Trip To Kiev Making Some Allies Nervous)

日本にも真理省が作られる前に記事を配信したいので (笑)、今回はこのへんでやめておく。
https://tanakanews.com/220503ukrain.htm

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