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ロシアのウクライナ介入を侵略とかマスコミで報道しているが、国際法を検討したうえでのことだろうか?単に感情的にウクライナと米国による情報戦に乗せられてはいまいか? 検討すべき。ブログを転載します。 以下転載
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-895.html 寺島メソッド翻訳NEWS ロシアのウクライナ介入が国際法上、合法である理由
<記事原文 寺島先生推薦>
Why Russia’s Intervention in Ukraine is Legal Under International Law
投稿者: INTERNATIONALIST 360° 投稿日: 2022年4月23日
ダン・コヴァリク
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年4月27日
ロシアが自衛権を行使したという主張は成り立つ
私は長年にわたり、国連憲章の侵略戦争の禁止について研究し、熟考してきた。第二次世界大戦の惨禍の後に起草し合意されたこの文書の第一の目的は、戦争を防止し「国際平和と安全を維持すること」である。この言葉は何度も繰り返して引用されてきたが、その目的を本気で疑うものは誰もいない。
ニュルンベルク裁判の判事たちが正しく結論づけたように、「侵略戦争を始めることは...国際的な犯罪であるだけでなく、他の戦争犯罪とは異なり、それ自体が全体の悪の蓄積を含んでいるという点において、最悪の国際的犯罪である」。つまり、戦争は最悪の犯罪ということだ。なぜなら、大量虐殺や人道に対する罪などの、私たちが忌み嫌う悪のすべてが、戦争という木に生る恐ろしい果実だからだ。
上記の観点から、私は戦争と外国への介入に反対することに、成人してからの全生涯を費やしてきた。もちろん、私は、ひとりの米国市民として、そうする機会が十分にあった。というのも、自国は、マーティン・ルーサー・キング牧師が述べたように、「世界最大の暴力の提供者」だったからだ。最近、同様のことをジミー・カーター(訳註:第39代米国大統領)も、米国は「世界の歴史の中で最も戦争好きな国」であると言っている。もちろん、これは明白な事実である。私が生きている間だけでも、米国はベトナム、グレナダ、パナマ、旧ユーゴスラビア、イラク(2回)、アフガニスタン、リビア、ソマリアといった国々に対して、相手から挑発されたことがないにも拘わらず、攻撃を仕掛けるという戦争を行ってきた。ただ、これらの戦争には米国が代理人を通じて行ってきた数々の身代わり戦争は含まれていない。ニカラグアのコントラ、シリアの様々なジハード主義者グループ、イエメンとの戦争でサウジアラビアやUAEを通じて行った戦争がその一例である。
実際、このような戦争を通じて、米国は地球上のどの国よりも数多く、また意図的に、攻撃を行い、戦争を禁止する法的な柱を弱体化させてきた。このような状況に対抗するために、ロシアや中国を含む数カ国が「国連憲章擁護のための友好国グループ」を設立し、国連憲章にある攻撃的戦争の法的禁止を少しでも救おうとしている。
つまり、米国がロシアのウクライナ侵攻を国際法違反と訴えるのは、「どの口が言う」と言いたくなるほどのものなのだ。しかし、米国が明らかに偽善的だからといって、米国を自動的に間違っていると言うことも正しくない。結局のところ、私たちはロシアの行為も是々非々という観点から分析しなくてはならないのだ。
さて、そこで今回のロシアの行為であるが、まずはここから議論を始める必要がある。2022年2月のロシア軍の侵攻に先立つ8年間、ウクライナではすでに戦争が起こっていたという事実を受け入れることである。このキエフ政府によるドンバスのロシア語圏の人々に対する戦争は間違いなく大量虐殺的だったのだ。この攻撃によって、ロシアの軍事作戦が始まる前から、約1万4000人(その多くは子供)の命を奪われ、さらに約150万人が避難を余儀なくされていた。つまり、キエフの政府、特にそのネオナチの大隊は、少なくとも部分的には、まさに民族的な理由でロシア人を滅ぼすことを意図して、これらの民族に対する攻撃を実行していたのである。
こうしたことを米国政府とメディアは必死に隠そうとしているが、これは否定できない事実である。実際には、欧米の主要な報道機関は、そうした事実についての報道が問題になる前に、そのことを報道していた。2018年にロイターが掲載した記事では、ネオナチ大隊がいかにウクライナの正式な軍や警察に統合され、その結果、ウクライナ政府が法的責任を負う国家の、もしくは少なくとも、準国家的な行為者になったかを明確に説明している。この記事によれば、ウクライナでは30以上の右翼過激派グループが活動し、それらは「ウクライナの軍隊に正式に統合されて」おり、「これらのグループの中でもより過激なものは、不寛容で偏狭なイデオロギーを推進している」ということである。
つまり、彼らはロシア民族やロマ人、またLGBT共同体のメンバーに対しても、憎悪を抱いて膨らませ、さらにはその憎悪を行動に移して、この人たちを攻撃、殺害し、国外へ追い出している。この記事が引用した欧米の人権団体フリーダムハウスは「ロシアと対立するウクライナを支持する愛国的な言説の増加は、公的なヘイトスピーチの増加と同時に起こっている。そのヘイトスピーチは、時には公務員によって行われてメディアによって増幅される。LGBTコミュニティなどの脆弱な集団に対しては暴力行為にまでもエスカレートしている」と述べている。これらの行為は実際の暴力を伴っているのだ。その例として「アゾフや他の民兵は、反ファシストのデモ、市議会、地方放送局、美術展、留学生やロマ人などを攻撃している」という記述がある。
Newsweekの記事によれば、アムネスティ・インターナショナルは、2014年の時点で、まさにこれらの過激派ヘイトグループとそれに伴う暴力活動について報告を行っていた。
まさにこのタイプの証拠、つまりその対象者に対する公のヘイトスピーチと大規模で組織的な攻撃とが組み合わさったものが、個人を集団虐殺の罪に問うときにはずっと使われてきた。例えば、ルワンダのジェノサイド事件で有罪となったジャン=ポール・アカエスがその例である。
さらに付け加えれば、ウクライナのドンバス地域の住民でロシア国籍も持っている人は50万人を優に超えている。この試算は2021年4月、ウラジーミル・プーチンが2019年にドネツクおよびルガンスクの人民共和国に住む住民のロシア国籍取得手続きを簡略化した後のものだが、これはロシア国民がウクライナ政府に組み込まれたネオナチ集団によって人種差別の攻撃にさらされていたことを意味する。しかもそれはロシアとの国境で起こっていたのだ。
そして、ウクライナ政府は、ドンバスのロシア系民族に対する自らの意図をロシアにはっきりと示すために、2019年に新しい言語法を可決し、ロシア語話者がせいぜい二流市民でしかないことを明確にした。このとき、通常は親欧米であるヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)がこの法律について警戒感を表明した。2022年初頭においては西側メディアではほとんど報道されなかったことだが、そのときのHRWの報告書には、その法律の内容の記載があった。「ウクライナで登録された印刷物はウクライナ語で出版することを義務付ける」「他の言語で書かれた出版物には、内容、量、印刷方法が同等のウクライナ語版も添付しなければならない。さらに、新聞販売所のような流通の場では、少なくとも半分はウクライナ語の出版物でなければならない」。
そして、HRWによれば、「印刷出版社に関する第25条では、特定の少数民族言語、英語、EU公用語は例外とするが、ロシア語は例外としない」(強調)、その正当化の理由は、「ロシア語を優先して...ウクライナ語を弾圧した世紀」だという。HRWの説明には「少数言語に対する保証が十分かどうかという懸念がある。欧州評議会の憲法問題に関する最高諮問機関であるヴェニス委員会は、第25条を含むこの法律のいくつかの条文は、ウクライナ語の促進と少数派の言語的権利の保護との間で”公正なバランスをとることができない”と述べている」と書いてある。このような法律は、ウクライナにおけるロシア系民族の、存在そのものの破壊とまでは言えないが、彼らの文化を破壊しようとするウクライナ政府の欲望を強調するものでしかなかった。
さらに、世界平和機構の2021年の報告では「ウクライナの国家安全保障・防衛評議会令No.117/2021によれば、ウクライナはロシアが併合したクリミア地域の支配権を取り戻すために、あらゆる選択肢をテーブルに乗せることを約束した。3月24日に署名された文書では、ゼレンスキー大統領は同国に以下の戦略を追求することを約束した。”半島の脱占領と再統合を確実にするための方策を準備し実行する”」との記載がある。クリミアの住民は、そのほとんどがロシア系民族であり、ロシアの統治下にある現状にかなり満足している(これは2020年のワシントンポストの報道であるが)ことを考えると、上記のゼレンスキーの脅しは、ロシアそのものに対する脅しであるだけでなく、ウクライナに戻りたくないと思っている人々に対して大規模な流血を引き起こす可能性があるという脅しでもある。
これで説明はもう十分だと思うが、この状況はロシアの介入を正当化する極めて有力な保護責任(R2P)原則の事例といえるだろう。この原則は、ヒラリー・クリントン、サマンサ・パワー、スーザン・ライスといった西側の「人道主義者」が提唱してきたもので、それは旧ユーゴスラビアやリビアといった国々へのNATOの介入を正当化するために依拠した原則だったのだ。さらに言えば、これらの介入に関与した国家のいずれも、介入は自衛のためだと主張することはできなかった。これはとりわけ米国に当てはまる。なぜなら、米国は何千キロも離れた場所に軍隊を派遣し、遠く離れた土地に爆弾を落としていたからだ。
実際、このことはパレスチナの偉大な知識人であるエドワード・サイードの言葉を思い起こさせる。彼は何年も前に影響力のある著作『文化と帝国主義』の中で、ロシアの帝国建設を西洋のそれと比較しようとするのは単に不公平であると見解を述べているのだ。サイード博士はこう言った。「ロシアは......ほとんど隣接によってのみ帝国領土を獲得した。しかし、イギリスやフランスの場合は、魅力的な領土の距離が遠いため、遠く離れたところに関心を持つようになった......」。この観察は米国にはどちらも当てはまる。
しかし、ロシアが主張する介入の正当性については、まだ検討すべき点がある。それは、ロシア人を含むロシア系住民を攻撃する過激派集団が国境に存在するだけでなく、これらの集団はロシアの領土を不安定化し政権を転覆させようとしている米国から資金提供や訓練を受けている、と伝えられていることである。
Yahooニュース!は2022年1月の記事で次のように説明している。
「この構想に詳しい5人の元情報・国家安全保障当局者によると、CIAはウクライナのエリート特殊作戦部隊やその他の諜報員のための米国での秘密の集中訓練プログラムを監督しているという。その一部の関係者によると、2015年に始まったこのプログラムは、米国南部の非公開の施設を拠点としている。 このプログラムでは、ウクライナ人が「ロシア人に反撃する能力を高める」ための「非常に具体的なスキルの訓練」が行われてきたと、元情報当局の高官は述べた。
この訓練には「戦術的なもの」も含まれており、「ロシアがウクライナに侵攻すれば、かなり攻撃的に見えるようになるだろう」と元政府関係者は語った。
このプログラムに詳しいある人物は、もっと露骨にこう言った。「米国は反乱軍を訓練している」とCIAの元幹部は言い、このプログラムはウクライナ人に『ロシア人を殺す方法』を教えていると付け加えた」。(強調は筆者)
ロシアの不安定化そのものが、こうした取り組みにおける米国の目標であったという疑いを払拭するには、ランド社の2019年の報告書を精査する必要がある。この会社は長年にわたり政策目標を遂行する方法について米国に助言をしてきた防衛請負業者であるが、その報告書には「ロシアを過度に拡張させて不安定化する:コスト負担を押しつける選択肢の影響評価」と題されたものがあり、そこでは、数ある戦術の一つとして「ロシアの最大の対外的脆弱性を突く」ために「ウクライナへの兵器の提供」が挙げられている。
要するに、ロシアは、米国、NATO、そしてウクライナの過激派代理人による具体的な不安定化工作によって、かなり深刻な形で脅かされてきたことは間違いないのである。 ロシアは8年の間ずっと、そのような脅威にさらされてきたのだ。そしてロシアは、イラクからアフガニスタン、シリア、リビアに至るまで、そうした不安定化の企みが他の国々にとって何を意味するのかを目撃してきた。それは、国民国家として機能していた国がほぼ完全に消滅させられることを意味していたのである。
国家防衛のために行動する必要性について、これほど切迫したケースは考えにくい。国連憲章は一方的な戦争行為を禁止しているが、第51条で「この憲章のいかなる規定も、個人的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない」と規定しており、この自衛権は、実際の武力攻撃だけでなく、差し迫った攻撃の脅威にも対応できるものと解されている。
以上のことから、今回の切迫した事例では、この権利が発動され、ロシアは自衛のために行動を起こす権利があったと私は判断する。ロシアのウクライナへの介入は、ウクライナが、米国とNATOの代理人として、国内のロシア民族だけでなくロシア自身への攻撃を行ったことに対する自己防衛であったと言えるのだ。これに反する結論は、ロシアが直面している深刻な現実を単に無視することにしかならない。
ダニエル・コバリク氏はピッツバーグ大学法学部で国際人権を教え、最近出版された『No More War: How the West Violates International Law by Using "Humanitarian" Intervention to Advance Economic and Strategic Interests(戦争はもうやめろ:西側は経済的戦略的な利益のためにいかに「人道的介入」によって国際法を犯してきたか)』の著者である。
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