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ロシア情報機関の内部告発で真贋論争に 「ゴルディアスの結び目作戦」驚愕のシナリオ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/303331
2022/04/02 日刊ゲンダイ
大いにあり得る作戦シナリオ(ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席)/(C)AP=共同
紀元前4世紀に地中海からインドに至る広大な帝国を築いたアレキサンダー大王。彼にまつわる伝説のひとつが「ゴルディアスの結び目」だ。
「これを解いた者はアジアを制す」といわれ、誰もほどけなかった複雑な縄の結び目を大王は一刀両断して解いた。由来通りアジアを制したことから転じ、大胆な行動によってしか解決できない問題のたとえに使われる。この故事を冠した作戦の狙いは何か。
ロシア出身で亡命中の在仏人権活動家・オセチキン氏が、ロシア情報機関・FSB情報員の内部告発とする文書を数回に分け、フェイスブックに公開。内容を巡りネット上では真贋論争が盛んだが、驚愕するのは3月13日に記した「ゴルディアスの結び目」作戦だ。告発文が“暴露”したシナリオは次の通りだ。
ロシア国防省の首席報道官が突然、「西側諸国がロシアに宣戦布告した」と公式発表。理由に挙げるのは、ウクライナへの武器と傭兵の投入と対ロ経済制裁だ。1〜2日ほど西側の反応を探り、プーチン大統領が演説に臨む。強調するのは「21世紀型の戦争」だ。
「現代の戦争にはサイバー攻撃、生物化学兵器の使用準備、直接攻撃、テロの訓練、壊滅的な経済制裁が含まれる」
プーチン大統領はそう説明し、既に西側諸国はロシアとの戦争を始めていると宣言。「西側を許す用意はある」と告げつつも、24時間以内の制裁解除、ウクライナ支援の全面停止、NATO不拡大の保証と高い条件を次々と突き付けるというのだ。
ロシアのデフォルトが実現すれば…
約束を反故にするなぞ何とも思わない(ロシアのプーチン大統領) (C)ロイター/ Sputnik/Kremlin
プーチン大統領は中国や中東・アフリカ諸国など親ロ派の首脳と電話会談。彼らに「世界を新たな戦争に引きずり込ませてはいけない」と呼びかけてもらう。それでも西側が譲歩しなければ、ポーランドとバルト3国を局所的にミサイル攻撃。西側諸国の重要なインフラ施設へのサイバー攻撃も仕掛けてくる。
その後も核使用をチラつかせながら、NATO各国を含め、世界を主戦派と非戦派に分断。最終的に西側から最大限の譲歩を引き出し、ウクライナ戦争を終える──というのだが、ちょっと都合がよすぎやしないか。
「告発文の公開時期を考えると、全体的にキーウ陥落を前提とした楽観シナリオという印象です。しかし、ロシアのデフォルトがいざ現実となれば、それを口実に西側諸国への宣戦布告の可能性はあり得る。兵站が尽き、不利な交渉となる前に戦術核使用も含め、ポーランドなどを攻撃する危険性も残る。第3次大戦の瀬戸際という現実は、まだ消えていません」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)
アレキサンダー大王のようにプーチン大統領にアジアを制覇されたら、困るのは日本だ。
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