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2日現時点では、ゼレンスキーとプーチンの会談開催が近く見込まれ、ウクライナ戦争に漸く停戦の兆しが出てきた。
筆者は予てから、妥協策によって開戦は避けられたと考える立場であり、一日も早い停戦成立を願いたい。
<参考拙稿>「緊迫のウクライナ情勢:各国は妥協策を探れ」
https://agora-web.jp/archives/2055128.html
だが、ウクライナ、ロシア両国間で停戦条件の擦り合わせは続いており、予断は許さない。
ここで、この戦争の主要プレイヤーのスタンスと思惑を筆者なりに推測すると概ね下記の通りである。
◆プーチン: 大ロシア帝国の野望はあるが、国力と照らしNATOへの危機感と嘗ての覇権国家としての矜持から、ウクライナの中立化、クリミアの確保、東南部の独立承認等を目指す。
◆ゼレンスキー: 元々はロシアとも対話するスタンスであったが、政権維持とアゾフ連隊等政権内部からの圧力による家族の生命も含めた危機回避のため、対露強硬路線を取っている。
◆アゾフ連隊: モンゴルの血が入ったロシア人を非白人と見て、ウクライナからの駆逐を目指す。
◆バイデン: 今秋の中間選挙を視野に、アフガン撤退不首尾の失地回復、トランプの盟友であるプーチンの悪魔化、息子ハンター・バイデン氏を通したウクライナ収賄疑惑の矮小化のために戦争の長期化を望む。
◆英国: 米国と平仄を合わせ、EUとロシアを対立させ両者の弱体化を狙う。
◆軍産複合体: 対空スティンガーミサイルや対戦車ジャベリンミサイルを含めた兵器ビジネスの利益最大化のため、戦闘の長期化を望む。米軍は死傷者が出る直接参戦より現状の訓練、作戦支援に留めたい。
◆ウォール街等: 金融相場が荒れる事と、軍需、復興需要等で利益機会を狙う。
◆ネオコン: 民主化を至上価値とし、手段は問わない傾向がある。
◆習近平: 漁夫の利を狙う。戦闘長期化ならロシアへの経済制裁により、資源輸入先としてもロシアのジュニアパートナー化を高められる。停戦調停仲介等に関与すれば中国の国際的地位を高められ、どちらに転んでも利益になる。一部に習近平がロシアのウクライナ侵攻に「頭を抱えている」という言説があったが、「腹を抱えている」の間違いだと筆者は考える。
上記のように、当事者のプーチンとゼレンスキー以外は、戦闘の長期化を望んでいるか、少なくとも短期の停戦合意を強くは望んではいないと筆者には思える。
プーチンが化学兵器や核兵器を使う可能性は、戦局が極端に悪化しない限り現状では高くないと見られる。プーチンがウクライナ側のせいにしてこれらを使うか、あるいは逆にウクライナ側がプーチンのせいにして使う事も第三次世界大戦を招きかねないため、今のところは合理性が見出せない。
だが、アゾフ連隊、ネオコンには、目的のためには手段を択ばない傾向があり懸念される。また、バイデンも自身の疑惑がいよいよ煮詰まったとき、むしろ第三次世界大戦の際まで行く事を望みプーチンを挑発し続ける事も考えられ注視が必要だ。
また、中国が停戦調停仲介等で発言力を増した場合、バイデン政権と巨大なマーケットを手放したくないウォール街等ビジネス界と取り巻くマスメディアは、台湾を習近平に売り飛ばしかねない。
曰く「中国の台湾併合は、他国を攻めたロシアのウクライナ侵攻とは質的に違う」云々の言説を弄し兼ねない。昨今中国はそのための理論作り、言論工作を日本を含め各国でやり始めている気配も感じられる。
何れにしても、早期にウクライナ戦争を収束させ、中露疑似同盟に楔を打ち込み、ロシアを寝返らせての「拡大中国包囲網」無くしては中国の世界覇権を抑える事は不可能だろう。
ロシアは何ちゃって民主主義で言論の自由も制限されているが、中国ではこれらはそもそも皆無である。もし共産中国の世界覇権が確立された際には、ウイグルから漏れ出た証言に照らせば他民族に対する人権侵害は想像を絶するものになるだろう。
地獄への道は、偽善と無明と強欲で舗装されている。
佐藤総研 http://blog.livedoor.jp/ksato123/
- (最終稿)ウクライナ戦争の行方とその後の世界 バイデンが台湾を売り飛ばす日 佐藤鴻全 2022/4/05 08:11:50
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