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米国の制裁に穏健な反撃しかしてこなかった露国が天然ガス取引をルーブルに限定
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202204010000/
2022.04.01 櫻井ジャーナル
ロシア政府は3月23日、「非友好国」が同国の天然ガスを購入する場合、決済は4月1日からロシアの通貨ルーブルに限ると発表した。アメリカが「制裁」の対象にしていないロシアの銀行にルーブルの口座を作り、そこでやり取りするとしている。アメリカ政府に比べて穏健な処置だが、西側諸国は混乱しているようだ。
この仕組みは1970年代にアメリカが始めた「ペトロダラー」と基本的に同じで、ロシアの天然ガスを購入するためにはルーブルをかき集めなければならない。いうまでもなく、エネルギー資源は暖房のためだけに使われているわけでなく、手に入らなければ製造業は機能しなくなる。COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動で生産活動や商業活動は麻痺していなければ、ショックは今より大きかったはずだ。
EUがルーブルで支払う決断をしても、ノードストリーム2を稼働させないようなので、やはりロシア以外からエネルギー資源を調達しなければならない。調達先としてアメリカが想定されるが、この国はシェール・ガスやシェール・オイルが中心。これらはコストが高い上、生産が可能な期間は長く続かない。産油国であるベネズエラをアメリカが制圧しようとしてきた一因はここにあるだろう。
しかもシェール・ガスやシェール・オイルの生産方法は地下水を汚染して農業生産にダメージを与えているようだ。食糧の問題でもウクライナでの戦争は影響がある。ロシアとウクライナは食糧の輸出国で、現在の戦乱で世界の食糧生産量が減ることは避けられない。そこに「制裁」が加わると、飢餓が問題になってくる可能性がある。
ところで、ロシアが穏健な対応にとどめているのは、アメリカ政府が行っている「経済制裁」がアメリカとその従属国へ跳ね返ることを見越してのことだと考える人もいる。ロシアとの貿易が止まると世界経済に影響が及ぶ。すでに1930年代より経済状況は悪くなっているとも言われている。ロシアはアメリカの自爆を待っているというわけだ。
アメリカの「経済制裁」はドルが基軸通貨だということで成り立つ。今回の「制裁」はアメリカにとって切り札なのだが、切り札は出した時点で相手を威圧する力はなくなる。
世界の国々がドルを基軸通貨と認めた一因はアメリカが世界全体の利益を考えると期待したからだが、それが幻想に過ぎなかったことは明確になりつつあった。そうした中、今回の「制裁」だ。自分たちの利益だけを考えた動きをするアメリカへの信頼度はさらに下がり、ドル離れは加速する可能性が高い。
そうした中、ロシアとインドはルーブルとルピーで決済する方向で話し合っていると伝えられている。サウジアラビアが中国との石油取引で人民元で決済する可能性が出てきたという。アメリカはロシアをSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除したが、すでにロシアはSWIFTに替わるSPFSを稼働させている。アメリカ中心に設計された現在の金融システム全体が崩れる可能性もある。
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