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https://parstoday.com/ja/news/world-i95278
アラブ系選手らが非難、スポーツ界の対ロシア制裁は「二重基準」
3月 29, 2022 18:32 Asia/Tokyo
アラブ系のスポーツ選手らが、スポーツ界での対ロシア制裁を「二重基準」だとして非難しました。
フランス通信が29日火曜、報じたところによりますと、ロシアがウクライナでの特殊軍事作戦を開始したことを受け、各競技団体はロシアにかつてないほど厳しい制裁を科し、スポーツと政治を混同してはならないという従来の原則を西側諸国主導で覆した形となっています。
しかし、イスラエルとの紛争を理由に同国との対戦を拒否し、自国の選手が処分されてきたアラブ諸国では、欧州の戦争が例外扱いされたことをダブルスタンダード(二重基準)と捉える見方が多数派を占めています。
イスラム諸国のスポーツ選手の多くは、パレスチナ人に対するシオニスト政権イスラエルの犯罪への抗議の意を示すため、イスラエル選手との対戦を差し控えています。
しかし、地域・国際スポーツ機関はこれまで、スポーツは政治的ではないという口実で、ボイコットした選手の多くの出場を禁止してきました。
しかし、スポーツが政治にあらずというこの原則は、抑圧されたパレスチナ国民を支持する場合にのみ適用され、西側にとって喜ばしい場合にはスポーツは政治化されるべきだとされているようです。
こうした問題について、アラブ系のスポーツ選手の間では「僕らの命は安いのか」とする非難の声が上がっています。
エジプトのスカッシュ王者アリ・ファラグ選手は「(ウクライナの)現状には誰も納得していない」としつつ、「世界の至るところにある抑圧にも目を向けてほしい」と訴え、「パレスチナ人は過去74年にわたって虐げられたままだが、おそらく西側メディアの論調にそぐわないから、僕らはパレスチナ問題について話せなかった」と指摘しました。
さらに、現在インドネシアのクラブでプレーするパレスチナのサッカー選手、モハメド・ラシード氏は、試合で戦争反対のメッセージを掲げたチームへの同調を拒否した理由として、「欧米で戦争が起こったら誰もが同情するのに、パレスチナで人が死んでも、僕らは連帯を示すことを許されず、政治とスポーツの混同だと非難される」と話し、「僕らの命は、欧米の人の命より安いのかと感じる」とコメントしています。
またNUSシンガポール国立大学西アジア研究所のジェームズ・ドーシー上級研究員も、「FIFA国際サッカー連盟を含めた国際スポーツ団体は、会場での政治的、宗教的メッセージを禁止している」とした上で、「彼らはウクライナのために、その方針を実質的に撤回した。であるならパレスチナはもちろん、イエメンやシリア、リビアはどうなのか」と疑問を呈しています。
ドーシー氏は、スポーツと政治を切り離すのはそもそも不可能だと考えており、「スポーツと政治は別という考え方は幻想だ。二つは分かちがたく結びついている」と話すと、「唯一の解決策は関係を認めることだ」と主張しました。
そして、「FIFAは過去数十年、アラブ諸国による専横の屋台骨だった。ダブルスタンダードを訴えたいなら注意が必要だ。墓穴を掘ることになりかねないのだから」とコメントしています。
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