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プーチン政権を支えるロシア大富豪「オリガルヒ」続々国外脱出…離反が戦争を止めるか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/302415
2022/03/12 日刊ゲンダイ
大富豪ウスマノヒ氏(右)は豪華ヨットをドイツ当局に押収される(2018年、プーチン大統領表敬訪問) (C)ロイター/Sputnik/Kremlin
ロシアへの制裁で欧米が力を入れるのが、「オリガルヒ」と呼ばれる富豪の締め付けだ。彼らはソ連崩壊に乗じて石油や金属の国営企業を手に入れ、プーチン大統領の下で巨万の富を築いた新興財閥。元KGBなど、プーチン大統領と関係が深い“仲間”たちで、財力でプーチン独裁体制を支える代わりに、既得権益を拡大してきた。
個人資産凍結に悲鳴
プーチン大統領の最も古い側近とされるオリガルヒのアリシェル・ウスマノフ氏の資産は約2兆円とされる。ウスマノフ氏が所有するヨットの価格は約850億円だという。ドイツのハンブルク港に泊められていたこのヨットは、2日にドイツ当局が押収した。
欧米はプーチン大統領と関係の深いオリガルヒを狙い撃ちにし、個人資産凍結やビザの発行停止で兵糧攻めにする方針だ。
オリガルヒの資産の多くは国外にある。それらを保全するためなのか、プーチン大統領がウクライナ侵攻を開始した2月24日以降、オリガルヒのロシア脱出が急増。世界の航空機運航状況が分かる「フライトレーダー24」によると、侵攻翌日の25日に60機の小型ジェット機がロシアから飛び立った。出入国が制限される前に、現金や金塊などの財産を積めるだけ積んだ自家用ジェットで飛び立ったとみられる。
米国との間で犯罪人引き渡し条約がないモルディブにも、オリガルヒの豪華ヨットが集まってきているという。
「このままプーチン大統領を支持していたら、どんどん制裁が厳しくなる。資産を失うことを恐れたオリガルヒはプーチン大統領に見切りをつけ、海外逃亡しているのでしょう。数少ない仲間も離反し始めたことで、ロシア国内の声でプーチン大統領の狂気を止めることができるかもしれない期待が持てます。プーチン大統領が戦争を続けるには、オリガルヒの資金が頼りです。戦争が長期化すればプーチン大統領は追い込まれていくでしょう」(経済評論家・斎藤満氏)
やっぱり「最後は金目」…なのか |
「アルミ王」のデリパスカ氏(左)と「アルファ銀行」フリードマン氏は公然と戦争反対を明言(C)ロイター
公然と戦争反対を言い出すオリガルヒも出てきた。「アルミ王」と呼ばれるオレグ・デリパスカ氏は、SNSに「戦争を終わらせるための話し合いを開始すべきだ」などと書き込んだ。ロシア有数の金融機関「アルファ銀行」会長のミハイル・フリードマン氏も、社員宛ての文書で自分の両親はウクライナ市民だと明かし、「紛争は両方にとって悲劇」「流血を終わらせるべきだ」と訴えた。
プーチン批判がタブーのオリガルヒを変えるほど、経済制裁は効き始めている。ロシア富豪も「最後は金目」ということか。
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