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カザフスタンの暴動を仕掛けたのは国内外のジハード戦闘員だったとの情報
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202201100001/
2022.01.10 櫻井ジャーナル
カザフスタンの混乱は沈静化しつつあるようだ。1月2日から旧首都のアルマトイなどで暴力的な反政府活動が始まり、救急車やパトカーが放火されるだけでなく、市庁舎も放火される事態になっていた。カザフスタンへの派遣が始まったCSTO(集団安全保障条約)の平和維持部隊は重要な施設の警備を行うだけだとも言われている。
すでに約4500名が逮捕されているようだが、それだけでなく、1月6日にはカザフスタンの安全保障会議で議長を務めていたカリム・マシモフが解任され、反逆罪で逮捕されたと伝えられている。未確認情報として、ヌルスルタン・ナザルバエフ前大統領の甥も反逆罪で拘束されたという。ナザルバエフはトニー・ブレア元英首相からアドバイスを受けていた人物で、1995年から投機家のジョージ・ソロスもカザフスタンへ食い込んでいた。今回の暴動はクーデターだった可能性が高くなった。
カザフスタンにおける抗議活動のベースにはエネルギー資源価格の急騰があるが、暴力的になったひとつの理由は、外国人を含むジハード戦闘員2万名ほどが銃撃戦を始めたことによる。その一部は訓練を受けたスナイパーのようだ。
地図を見ればすぐにわかるが、カザフスタンはロシアと中国に接する戦略的に重要な場所にあるほか、ウランやレア・アースの産出国で、日本も食い込んでいた。ロシアの宇宙開発でも重要な国だ。
アメリカが生物兵器の開発に関係した研究施設を作っている国のひとつでもあるが、アメリカはカザフスタンの混乱がロシアのウクライナに対する選択肢を減らすことになるとも見ていたようだ。
ロシアは1月10日にアメリカと首脳会談を行い、12日にはNATOとも首脳階段を予定。すでにアメリカ/NATOは1941年6月にドイツが「バルバロッサ作戦」を始める直前とほぼ同じ場所までロシアへ近づいている。今の状態が「レッドライン」であり、それを踏み越えるなとロシアのウラジミル・プーチン政権は警告している。
NATOをこれ以上拡大させず、モスクワを攻撃するシステムをロシアの隣国に配備せず、ロシアとの国境近くで軍事演習を行わず、NATOの艦船や航空機はロシアへ近づかず、定期的な軍同士の話し合いを実施、ヨーロッパへ中距離核ミサイルを配備しないといったことを保証する文書を作成するようにロシア政府は要求している。
それに対し、EUの外務安全保障政策上級代表を務めるジョセップ・ボレルは自分たちの行うことにロシアは口をはさむなと発言している。つまりNATOを東へ拡大し、ロシアとの国境近くにミサイルを配備するのも自分たちの勝手であり、黙っていろというわけだ。アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は1月7日、「ロシアのさらなる侵略に対する強力な報復を準備している」と発言したが、カザフスタンでウクライナのようなクーデターを成功させられなかったことはショックだろう。アメリカの好戦的な策はまた裏目に出たようだ。勿論、この様子を中国政府も注視している。
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