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軍事的緊張が高まり、露国は米国やNATOと年明け後に話し合うが、EU外相は反発
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202112300000/
2021.12.30 櫻井ジャーナル
東ヨーロッパや東アジアで軍事的な緊張が高まっている。ロシアのウラジミル・プーチン大統領はNATOが東へ勢力をこれ以上拡大させることを容認できないと発言、安全保障上の保証を文書化することを求め、この件で譲歩しないことを明確にしている。何らかの軍事的な敵対行為があれば、それに応じて報復するという姿勢だ。このままアメリカ/NATOが軍事的な挑発を続けた場合、戦闘に発展する可能性がある。最悪の場合、全面核戦争だ。
こうしたロシア政府の姿勢を見てジョー・バイデン政権は話し合いを申し入れたが、ロシア政府はNATOが安全保障上の保証をロシア側へ提出することが先だという姿勢だった。裏でどのようなことが話し合われたのかは不明だが、ロシアはアメリカと1月10日に、またNATOと1月12日にウクライナ情勢などについて話し合うと伝えられている。
過去の例から考えてアメリカの動きは時間稼ぎだが、それでもロシアとアメリカとの話し合いに反発している人物がいる。EUの外務安全保障政策上級代表を務めるジョセップ・ボレルだ。自分たちのことを決める権利を持っているのは自分たちであり、ロシアは口をはさむなと発言している。つまりNATOを東へ拡大、ロシアとの国境近くにミサイルを配備するのも自分たちの勝手だというわけだ。
ボレルはスペイン社会労働党の政治家で、スペイン政府の外務大臣を務めたこともあるが、「左翼」とは言い難い。彼によると、アメリカやEUの人びとが世界を支配しているのは、規範を作り、その規範を定着させているからであり、技術をどのように機能させるかを精通しているからだという。規範を作れなくなったなら21世紀を支配できないとも語っているが、21世紀を支配するために新しい規範を作っているということなのだろう。
現在、「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)」が世界を徘徊、そうした状態を「パンデミック」と呼んでいる。そのパンデミックによって「新しい規範」が作り出されようとしている。長い歴史をかけて庶民が獲得した基本的な権利はCOVID-19という悪霊に奪われてしまいそうだ。
CIAは2005年9月に中国や東南アジアのような地域でパンデミックが起こるという想定に基づく報告書を作成したと言われ、10年5月になるとロックフェラー財団とGBN(グローバル・ビジネス・ネットワーク)が「技術の未来と国際的発展のためのシナリオ」を発表する。
それによると、2012年に新型インフルエンザのパンデミックが起こり、全人口の20%近くが感染し、7カ月で800万人が死亡すると想定している。人や物資の国際的な移動が止まり、旅行業のような産業や販売網がダメージを受けると想定、パンデミック対策としてマスクの着用、公共施設やマーケットの入り口における体温の測定が強制されるともしている。このシナリオ通りの政策が打ち出されてきた。
さらに、そうした管理、監視体制はパンデミックが去った後も続き、支配者だけでなく被支配者である市民も安全と安定を得るために自らの主権やプライバシーを放棄するともしている。ロックダウンも推奨している。これが「新しい規範」なのだろう。
WEF(世界経済フォーラム)のクラウス・シュワブはCOVID-19を利用して「資本主義の大々的なリセット」を実現すると昨年6月に宣言したが、それも意味は同じだろう。体制をリセットし、新しい規範を定着させようとしている。「西側」の私的権力による世界支配だ。
世界支配プランの大きな節目は1991年12月のソ連消滅。その直後にアメリカでは国防総省のDPG(国防計画指針)草案という形で世界支配を完成させるプランを作成した。いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」だ。
このプランにしたがい、NATOは1999年にユーゴスラビアを先制攻撃、2001年にはニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された。その時からアメリカでは国内におけるファシズム化と国外での侵略戦争が本格化する。
ソ連が消滅する前年には東西ドイツが統一されたが、その際、アメリカ政府はソ連大統領のミハイル・ゴルバチョフに対し、NATOを東へ拡大させないと約束していたとロシア駐在アメリカ大使だったジャック・マトロックが語っている。またドイツの外相だったハンス-ディートリヒ・ゲンシャーは1990年にエドゥアルド・シェワルナゼと会った際、「NATOは東へ拡大しない」と確約し、シェワルナゼはゲンシャーの話を全て信じると応じたという。(“NATO’s Eastward Expansion,” Spiegel, November 26, 2009)
それだけでなく、アメリカのジェームズ・ベイカー国務長官がソ連側に対し、統一後もドイツはNATOにとどまるものの、NATO軍の支配地域は1インチたりとも東へ拡大させないと1990年に語ったとする記録が公開されている。イギリスやフランスもNATOを東へ拡大させないと保証したが、言うまでもなく、こうした約束を守らなかった。1インチどころか1000キロメートル近く東へ拡大、ロシアとの国境は目前に迫っている。そして2014年のウクライナにおけるクーデター。
こうした西側の動きをロシア政府がこれまで容認していたことを批判するアメリカの元政府高官もいる。もっと速く手を打つべきだったというのだが、ボレルはロシアに対し、黙って従えと言った。西ヨーロッパは1930年代と似たことをしているようだ。
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