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アメリカの偽善と、かたくなな態度を前に、困難な未来に直面する中国とロシア
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2021年11月29日 マスコミに載らない海外記事
2021年11月22日
ジェームズ・オニール
New Eastern Outlook
最近誇大宣伝された出来事の一つは、中国の習近平主席とアメリカのジョー・バイデン大統領との三時間以上の電話会話だ。会談に対する説明で、アメリカの誠実さを疑う二つの主な理由がある。
一つは、アメリカには一連の考え方や価値観を公言しておきながら、行動が、その言葉を完全に裏切る、長い恥ずべき実績があることだ。アメリカが中国に対してした複数のこれまでの発言より、バイデンの言葉に、それ以上真実があると信じる理由はない。
台湾は今の典型例だ。一方で中国は一つで台湾島はその中国の一部だというアメリカの公式政策は変わらないという見解をバイデンは語っている。他方南シナ海でアメリカは軍艦の攻撃的な航行を続けている。これら軍艦の存在は、台湾を本土に再統合しようとするどんな試みにも武力で抵抗するという合図を北京に送るよう明らかに意図されている。
最終的再統一という事実は、中国にとってゆずれない一線だ。ありそうもない台湾当局による心変わりがなければ、島は最終的に大陸に復帰させられるだろう。アメリカは、南シナ海での航行活動のみならず、台湾は国連に加入すべきだという最近の示唆によって、明らかに2つの中国の再統一を阻止する決意は固い。
南シナ海における中国とアメリカのどんな紛争もアメリカが必ず敗北するという国防省、独立機関双方による最近の異口同音の評価結論をバイデンは見るべきだ。アメリカ政治的指導者に中国政策再考を奨励するには、この酔いがさめるような評価も十分ではないように見える。
中国に対するアメリカの本当の意図に対する二番目の手がかりは、中国のアメリカへの輸出に適用される関税だ。関税は、アメリカに売られる中国商品の販売量には、ほとんど影響を与えていないように思われる。だが、それは商品価格を大きく引き上げた。その一つの結果が、年間7%以上という、アメリカ・インフレの最近の高まりだ。
関税は、中国に対するアメリカ投資に影響を与えていない。アメリカ産業基盤の空洞化は、アメリカで売られる「アメリカ製ラベル」の商品の比率が益々減る状態が続いている。この傾向に影響を与える、どんな政策変更も見るのは困難だ。
これら変化の最終結果は、相対的な中国とアメリカ経済の大きさに反映される。平価購買力で測れば、既に中国経済はアメリカ経済より大きく、その差は中国に有利に増大し続けるだろう。
これら数字の現実が、中国に対するアメリカの敵意のもう一つの理由だ。第二次世界大戦終結以来、過去70年間、アメリカは確かに世界最大の経済だった。この優位が、アメリカの政治的目的で、自分がナンバー・ワンの地位を維持するため、競争相手になりかねない相手を阻止する試みで、世界の主要な貿易組織に対する優位を手段として利用するのをためらわないよう、大きく影響していた。
その優位も今や過去のものだ。アメリカは世銀のような組織を通して、強硬戦術を続けているが、中国経済は何兆ドルもの莫大な準備金を通して、かつてのアメリカ支配への本格的挑戦者となっている。今140国以上加盟国がある一帯一路構想は、世界経済構造の基本的変化の最も明確な例で、二つの経済の相対的重要性を測る重要な基準だ。
似たような表裏ある態度は、ロシアに対するアメリカの態度にも見られる。ここでも、ジョー・バイデンの立場は全ての偽善が暴露されている。ウラジーミル・プーチンとのジュネーブでの会談前、バイデンは、プーチンに「殺人者」というレッテルを貼っていた。これは習に対する「凶悪犯」という彼の類似の記述と同じだ。両方の場合、バイデンは両者との会談で、友好と親善を表現した。
いつも通り、アメリカが言うことではなく、実際にしていることを見るのが重要だ。ロシアの場合、欧米はその代弁者、NATO事務局長イェンス・ストルテンベルグをヨーロッパの隣人に対するロシアの無作法とされることに関し複数の警報を鳴らすために使った。
ストルテンベルグによれば、差し迫る侵略の前兆として、ロシアはウクライナ国境に軍隊を集結している。この主張を裏付ける実際の証拠がないのをストルテンベルグは懸念していないように思われる。この理由が、2015年に同意したミンスク協議の条件を遵守することをウクライナ政府が完全に拒絶していることをストルテンベルグは決して認めるまいが、ウクライナ内の状況は緊張したままだ。
アメリカも、ウクライナに対し、ミンスク協議の義務を無視し続ければ、NATO加盟で報いられると信じるよう仕向け、勇気づける雑音を出している。この信念を奨励する上で、ミンスク協定下の合意を意図的に無視するよう奨励するだけでなく、ドンバスの民間人に対する違法攻撃継続まで実際奨励している。
アメリカとイギリスは、ウクライナにクリミア半島を取り戻せると信じるよう奨励している。これは全くばかばかしい。それは共産党時代、比較的短い期間だけ、ウクライナの一部だったクリミア半島の実際の歴史を完全に無視しているのみならず、2015年に、圧倒的多数で、ロシア再編入を票決した民主的に表明されたクリミアの人々の願望も無視している。ここで二つの重要な言葉は、クリミアの人々の民主的選択と、地域の実際の歴史両方を反映する「投票」と「再編入」だ。イギリスと彼らの同盟諸国は、例えば1850年代、彼らと同盟諸国が、この領域でロシアと戦ったクリミア戦争として知られている歴史を見落としている。
プーチンは、ウクライナのNATO加盟は問題外だと明確にしているが、ウクライナとアメリカ政府両方が、この発言を無視するのに熱心に思われる。ここ10年、ウクライナと台湾は、二つの重大な火種だろうと私は思う。
両方の場合、中国とロシアは彼らの観点を維持すると堅く決めている。両方の場合で、台湾では偽善的な支持、他方ウクライナでは野心に重要な支援を与え、アメリカは、両国の立場を傷つけ続けている。
ドンバス場合、彼らは圧倒的多数がロシア語話者住民であり、プーチンは見捨てるまい。ウクライナの、かたくなさも同様交渉不能に思われる。それゆえ現場は何らかの極めて困難な時代に向かいつつある。
ジェームズ・オニールは、オーストラリアを本拠とする元法廷弁護士で地政学専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/11/22/china-and-russia-face-a-difficult-future-in-the-face-of-american-hypocrisy-and-intransigence/
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