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COVID-19とHIVを結ぶ複数の糸
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2021.11.28 櫻井ジャーナル
ボツワナで発見されたというSARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)の「スーパー変異種」、「B.1.1.529」をWHO(世界保健機関)は「オミクロン」と名づけた。英語表記にするとOmicronになるが、文字の順番を変えるとMoronic(まぬけな)になると一部の人びとは話題にしている。
そのオミクロンのスパイク・タンパク質は変異が「デルタ」より多いとされている。その原因として免疫力が弱まっている人の体内で変異が起こったという仮説があり、その人は治療を受けていないHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染者ではないかという話が流されている。
HIVの病気の存在が公的に認められたのは1981年。その当時、同性愛者の病気だとされていた。その3年後にアンソニー・ファウチはNIAID(国立アレルギー感染症研究所)の所長に就任。それ以来、ファウチはアメリカにおける伝染病対策の中心にいる。
しかし、HIVの出現を予告するかのような発言が1969年6月にアメリカ下院の歳出委員会であった。発言の主は国防総省の国防研究技術局で副局長を務めていたドナルド・マッカーサー。伝染病からの感染を防ぐための免疫や治癒のプロセスが対応できない病原体が5年から10年の間、つまり1974年から79年の間に出現すると見通しているのだ。
病気の存在が認められると、原因の追究が始まり、パスツール研究所のリュック・モンタニエとNIAIDのロバート・ギャロの争いになる。そして1983年、モンタニエのチームが患者の血液からレトロウイルスを発見、LAVと名付ける。その翌年にファウチはNIAIDの所長になったわけだ。モンタニエは2008年にノーベル生理学医学賞を受賞する。
そのモンタニエはSARS-CoV-2について、HIVやマラリア原虫の遺伝子情報の一部が入り込んでいる疑いがあると指摘した。HIV対策のワクチンを開発中に事故でそれが外部へ漏れた可能性を考えているようだ。SARS-CoV-2とHIVとの関係を疑う論文が2020年1月、インド人研究者によって発表されたが、激しい批判を受け、後に撤回された。
PCRを利用したSARS-CoV-2の診断手順はドイツのウイルス学者、クリスチャン・ドロステンらが2020年1月に発表、その手順をWHO(世界保健機関)はすぐに採用、世界に広まった。
ところが、しばらくすると、その手順に科学技術的な間違いがあるとする指摘が出されるようになる。今年1月20日にはWHOでさえ、PCR検査は診断の補助手段だとしているが、PCR検査を利用しないと「無症状感染者」を作り出すことができず、「パンデミック」は御伽話になってしまう。この診断手順が採用された当時、単離されたウイルスを使えなかったことをCDC(疾病予防管理センター)は認めている。少なくともその時点でSARS-CoV-2の存在が確認されていたとは言えないのだ。
PCRを開発し、1993年にノーベル化学賞を受賞したキャリー・マリスはこの技術は分析のものであり、診断を目的にしていないと語っていた。PCRはHIVの診断でも使われているが、COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)と同じように、陽性だからといって感染しているとは言えない。そうしたこともあり、マリスはHIVに興味を持ち、調べ始める。その結果、エイズの原因がHIVだとする説に疑問を抱くようになったと言われている。
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