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イランと米国の小規模な衝突で犠牲者が出ているようだが、大規模な衝突は困難
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202111230000/
2021.11.23 櫻井ジャーナル
IRGC(イラン革命防衛隊)の海軍を指揮しているアリレザ・タンシリは11月21日、イランはアメリカと海上で9度にわたって衝突、9名が犠牲になったが、多くは報道されていないと語った。そのうち6回は過去18カ月の間に起こったという。
先月の終わりにアメリカがオマーン湾でイランの石油を運ぶタンカーを拿捕し、その石油をベトナム船籍のタンカーへ移して盗もうとしたと発表された。11月3日にイラン政府が公表した映像にはタンカーの近くをアメリカの駆逐艦が航行している様子が映っている。その映っていたタンカーがベトナム船籍の船で、イランの石油を積んだまま拿捕された。その後、石油を抜き取られ、解放されという。アメリカ側は否定しているが、嘘をつき続けているアメリカ政府の主張に説得力はない。イラン側は自分たちの主張を裏づける映像も公表している。
イランは中国やロシアと手を組んでいるだけでなく、サウジアラビアとの関係も改善される兆候がある。2020年1月3日にバグダッド国際空港で暗殺されたガーセム・ソレイマーニーはIRGCのコッズ軍(特殊部隊)を指揮していた人物で、その時、緊張緩和に関するサウジアラビアからのメッセージに対するイランの返書を携えていた。
ネオコン(シオニストの一派)のような好戦的な勢力にとって好ましくない状況が生まれつつある。ネオコンは1980年代からイランを殲滅するべきだと考えていた。彼らの戦略はイラクのサダム・フセイン政権を倒して親イスラエル派の体制を築き、トルコ、イラク、ヨルダンの親イスラエル国帯でシリアとイランを分断、個別撃破するというものだった。ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、1991年にはネオコンの大物、ポール・ウォルフォウィッツはこの3カ国を殲滅すると語っていた。(3月、10月)
その年の12月にソ連が消滅、その2カ月後にウォルフォウィッツを中心とするネオコンのグループは国防総省のDPG(国防計画指針)草稿という形で世界制覇プランを作成した。そして始まったのがユーゴスラビアへの先制攻撃。
2001年9月11日にはニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されると、ネオコンは国内の刑務所化と国外での軍事侵略を本格化させた。その攻撃から間もない頃、国防長官だったドナルド・ラムズフェルドを中心に軍事侵略する対象の国をリストにしている。そこに乗っていた国はイラク、シリア、イランにレバノン、リビア、ソマリア、スーダンだ。9月11日の攻撃とは関係がない。
2003年3月にアメリカ主導軍はイラクを先制攻撃、サダム・フセイン政権を倒すが、親イスラエル体制を樹立できず、戦争は泥沼化する。イランはイラク以上に制圧が困難な国で、占領するためには約240万人の兵士が必要だと推計されているが、アメリカにそれだけの戦力はない。
ジョー・バイデン政権としてはイランに対しても経済戦争を続けるか、破壊のみを目的とした戦争を始めるしかないが、経済戦争はアメリカの思惑通りには進んでいない。核攻撃で破壊するという手段もあるが、ロシアや中国が黙ってみているとは思えない。
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