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NATO崩壊を一層早めるアフガニスタンの恥ずべき失態
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2021年9月 8日 マスコミに載らない海外記事
2021年9月1日
ワレリー・クリコフ
New Eastern Outlook
ここ数週間、アフガニスタンでの屈辱的な出来事は、欧米大衆の心に、アメリカとNATOの信頼性の劇的損失をもたらした。大西洋連合の政策と行動への、これまでの批判は、今途方もなく増加し、種々のメディア出版物で、最も広範なミームとなった。
イギリスのデイリー・メイルの死者を悼む声明は、これまでになく率直だ。国旗で包まれた棺の画像と並べて、イギリスが一度も答えることができなかった疑問が投じられている。結局、彼ら全員、アフガニスタンで一体何のために亡くなったのか?
イギリスのテレビ局Skyは、1989年のソ連部隊撤退後、アフガニスタン政府は三年持続したが、アメリカ撤退後、政府は三時間も、もたなかったと正確に指摘している。
(ロシアで禁止されている)タリバンによるアフガニスタンでの権力奪取は、NATOの重大な不名誉で、恥ずかしい敗北だとスイスのテレビ局SRFは考えている。過去20年間で、同盟の最も素晴らしいプロジェクトの一つが不名誉な墓に入ったのだ。欧米諸国は、アフガニスタンで民主主義を構築し損ね、今彼らはアフガニスタンと、その国民の未来に対処することさえ拒否している。
NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務局長は大演説には向いていない。実際、彼が何か前向きなことを言う時でさえ、控え目な言い方をすれば「過度に遠慮がちな印象」を与えるとスイス・テレビ局SRFの如才ない記者が書いている。ストルテンベルグが最終的にアフガニスタンでの欧米軍事同盟の失敗に対面した際、彼は酷く打ちひしがれ、意気消沈しているように見えた。
ウォール・ストリート・ジャーナルが指摘しているよう、アフガニスタンからのバイデンの「屈辱的撤退」は、NATOにとって平手打ちだった。9/11攻撃後、アフガニスタンで、集団防衛条項が史上初めて発動された際、この同盟のアメリカ同盟諸国は、アフガニスタンで多くの血を流し、紛争で膨大な金を使い、千人以上の命を失った。この新聞は、部隊撤退ついての演説で、バイデンは、ごく短くNATOに言及し、アメリカのヨーロッパ同盟諸国について一言も言わず、ワシントンは、パートナーをほとんど無視していたと強調する。だから、ヨーロッパの指導者たちが怒りで沸き返っているのは驚くべきことではないとウォール・ストリート・ジャーナルは結論している。
2019年に、彼がNATOは「脳死状態」だと語った際、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は批判の集中砲火を受けた。だが、彼が誰がアメリカ大統領であろうと、益々頼りにならない同盟者になっていると警告したのは、その時のことだった。そして今日、マクロンの言葉は、ヨーロッパの首都中で予言以外何ものにも思われない。
ヨーロッパにとって、アフガニスタンでのタリバンの権力奪取は全くの悪夢だとドイツの]新聞ヴィルトシャフツ・ナハリヒテンは書いている。第一に、アメリカは、あわただしい撤退を通して、もはや「自由世界」を守るつもりはないことを示したが、アメリカの支援なしでは、ヨーロッパ自身を守るのに十分な力を持っていないから、この壊滅的な弱点がすぐに解決することはありそうもない。
更に、EUでは、ヨーロッパ軍の必要性について何年も語られてきたが、これまでのところ、何も実現していない。リスボン条約は、アメリカに率いられた欧州連合とNATO間の強い結びつきを保障するが、変えられた状況のもとで、この点は再考する必要があるとドイツ人は主張している。アメリカが民主主義を守る名目で、世界中で戦争に従事するのをいとわないという考え方は幻想になった。トルーマン教義は、1947年に採用され、全体主義体制に対する戦いで、ワシントンは自由な国々を守ると規定しているが、ドナルド・トランプ前大統領と彼の後継者ジョー・バイデンの下で、アメリカはこれらの価値観を放棄したとドイツの新聞は書いている。
8月17日オンライン出版物Parlamentni listyインタビューで、チェコのミロシュ・ゼマン大統領は、アフガニスタンからの撤退後、アメリカは世界の指導者としての威信を失い、NATOの存在意義について懸念が生じていると述べた。チェコ大統領は加盟諸国のNATO不信は最近のアフガニスタンの出来事後、増大するばかりだと指摘した。こう強調した。「だが、もしNATOが失敗だったなら我々の軍事支出と国防強調の再評価に至るべきだ。」
アフガニスタンでのNATO撤退を非難して、ドイツのタブロイド紙ビルトは、アフガニスタン、マザリシャリフ基地からの部隊撤退準備中、ドイツ国軍が、在庫のビールや人気が高いドイツ・ビール、レモネードミックスの29パレットや、340本のワイン、シャンペンや他のアルコールを持ち帰るのに焦点をあてていた事実に特別な注意を払っている。このため追加輸送が用意されたが、それは、アフガニスタンをより良い場所にするために命を危険にさらした現地のお手伝いは入手可能ではなかった。だから、ドイツ政府とアンネグレート・クランプカレンバウアー防衛大臣にとっては、アフガニスタンをより良くするため命を危険にさらした人々よりも、65,000缶のビールが貴重であることが分かったとドイツ・メディアが強調している。
ヨーロッパ指導者は、現在のアフガニスタンでの失敗が、どのようにNATOに影響するか考えている。だが、ワシントン・ポストの観察者によれば、彼らは、この同盟の存在が彼らの国で敵対的世論に脅かされる事実も熟考するべきなのだ。この同盟の中核となる原則は、いずれかの国が攻撃された場合、全ての国が、その加盟国を支援しなければならないという規則だ。もし、どこかの国が集団防衛に参加するのを拒否すれば、同盟は終わる。アフガニスタンからのアメリカ軍撤退は、アメリカがその誓約に従って行動できるかどうかの問題を提起する。だが最近の世論調査は、回答者が、もはや中国との対立であれ、ロシアとの対立であれ、進んでアメリカを支持するつもりがないことを示している。
20年前には、アフガニスタンで戦争を終わらせ、ワシントンがタリバンを同盟者と呼ぶだろうなどとは、ほとんど誰も想像していなかった。現在これら戦士がカーブルからの退去を保証し、アメリカは「空港に入場を許可する」アメリカ国民とアフガニスタン人の全データ報告を彼らに提供している。これら乗客名簿は既に処刑リストと呼ばれている。
「7月以来、アメリカはアフガニスタンから100,000人以上の人々を避難させた。彼ら全員アメリカ人だったか? 彼ら全員英雄だったか? いや!彼らのうち、わずか5,000人がアメリカ国民だ。残りの95,000人全員が通訳だったのか? いや! 現在国務省は、これらの人々の何人がアメリカのために働いたことを証明する特別ビザを持っているか分からないと認めた。パイロットは乗客名簿を渡されない。難民は捜査されずに国境を通過すると我々は言われている。我々は、彼らが誰を連れ出しているのか知りさえしないように思われる」とフォックス・ニュースの司会タッカー・カールソンが言った。
概して、最近のアフガニスタンにおける出来事の中、世論は、アメリカとNATOは、またしても、彼らが明確化した目標を達成する上での能力不足を世界に示したのだ。これは更に、同盟国とパートナーの安全保障に関し、彼らが宣言する国際責務を果たす能力に対する正当な疑念を呼び起こす。
ワレリー・クリコフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/09/01/shameful-fiasco-in-afghanistan-brings-closer-the-collapse-of-nato/
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