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北京は、テヘランをどのように支援するのか
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2021年8月27日 マスコミに載らない海外記事
2021年8月18日
ピョートル・コノワロフ
New Eastern Outlook
今年のイラン・イスラム共和国大統領選挙の勝者イブラーヒム・ライシは、彼のチームと共に、今後数年で中華人民共和国(PRC)との協力を強化する予定だ。イラン指導部は長い間中国との対話に大きな重要性を置き、二国間の外交関係を強化するため出来る限りのことをしてきた。イランが北京と出来るだけ親密な結びつきを確立したがっている理由は何だろう? この二国間提携を、他の国々は、どのように感じるているのだろう? こうした問題を以下で議論する。
第一に、イランは困難な地政学的立場にあることを指摘する必要がある。一方でテヘランの政策に極めて敵対的な中東諸国に包囲されている。もう一方で日々(ロシア連邦で禁止されている)タリバンが益々騒々しくなるアフガニスタンがある。この既に困難な背景に加え、イスラム共和国に対するアメリカ制裁はイランの繁栄に対する本当の障害だ。
イランにとって、本当の同盟諸国は三つある。第一に、当局が、内戦中テヘランからの支援を大いに感謝しているシリアがある。第二に、その利害関係が、イラン・イスラム共和国のものと大いに一致するロシアがある。第三に、世界の舞台で、主要勢力として、アメリカに抵抗し、最大限の国々の主要貿易相手国たらんと努めている中国がある。
イラン-中国包括的協力協定は、2021年3月に署名された、イラン-中国協力史上極めて重要なものだ。この政府間協定は、経済と軍事分野における親密な関係を宣言している。イランは、現在世界最大GDPの国の全面的支援を得られるので、イラン指導体制はこの進展を大いに喜んでいる
テヘランの行動に反対する国々は、イラン-中国提携や上記協定調印の両方に否定的意見だ。これは彼らが、より影響力を持ったイスラム共和国を見たいと思っていないためだ。サウジアラビアは、中東地域における主要大国という自分の立場を、イランに奪われるのを恐れている。イスラエルは、依然自国を完全な国家として公式に認めていない国の力が増大するのを、つつみ隠さず懸念している。今のところ西側諸国には、中東で軍事的存在を強化するのに必要な資源がないので、アメリカとNATO同盟国は、イラン軍近代化の可能性に反対している。
イラン-中国協定の主な本質は、イラン・エネルギー資源の絶え間ない供給と引き換えに、中国が、25年間で、イラン経済に約4000億ドル投資することだ。加えて、この天の帝国は、イスラム共和国の領域に、港や鉄道建設で目を引くような金額の投資を計画している。北京は、経済指標が極めて高い国とは、一層利益がある取り引きができることを理解しているので、中国は、パートナー国の経済の健全性を極めて重要と考えている。
この合意では、金融部門の改善と情報技術部門の発展に多くの配慮が払われている。現在、イランの銀行制度は古く、世界標準を満たしていない。この主な理由は、時代後れのソフトや、非合理的な経営決定や、有能な専門家の欠如だ。北京の計画には、イラン経済の健全性を新たなレベルに引き上げるため、この国の金融機関の近代化もある。
イラン・中国間協力は、間もなく、アメリカ制裁を解除する理由になると想定できる。アメリカは、かつての力を失いつつあり、世界の主要経済の一つとしての地位を維持するためには、繁栄している発展途上諸国と関わる必要があるのだ。もし中国との協力がイラン経済の健全性を改善すれば、ワシントンはイスラム共和国に対する態度を再考するだろう。もちろん、この場合、昨日の敵とのやりとりを望まないかもしれないテヘランに、多くが依存する。
中国をできるだけ多くの国々と結び付けるよう呼びかけて、一帯一路は、輸送インフラを統一したが、このプロジェクトは、イラン-中国関係を発展させる上で極めて重要な役割を果たす。それはイランを単一経済空間に統合する重要な貢献だ。その手助けによって、イラン企業は、最小コストで商品を他の国々に輸送することが可能になり、国際市場におけるイラン製造業者のイメージを推進するだろう。インフラ・プロジェクト・ネットワークは、イランGDPの成長を促進するだろう。
イラン-中国包括的協力プログラム署名後、イランでの中国の影響力は増大すると予想される。益々増大する数の中国の商業組織がイスラム共和国領で活動をするだろう。もちろん、これはイランに滞在する中国人の数の増加をもたらすだろう。もしこれが起きれば、二国間文化的交流は遥かに深まるだろう。
一部の報告によれば、合意文章は共同軍事プロジェクトに言及している。もしこれが本当なら、イラン領土に中国軍が長期的に駐留し得る。もちろんイランの法律は、領土への外国軍隊駐留を禁止している。それでも、イスラム共和国議会は、これら法律規範を改正し、時代後れで、陳腐化しているとして無効にできる。
上記に基づいて、テヘランが中国と協力するのは有益だと我々は結論できる。今日、イスラム共和国の友好国のリストは小さく、イランは堅実な力で絆を維持する必要がある。イラン指導体制は経済成長を強化し、国民の生活水準を改善することに関心があり、それは、とりわけ、中国の貿易や金融や他のプロジェクトへの参加を通してこそ可能に思われる。最も重要なのは、それが、イラン政権を変えようと努めている敵性国家に対し、国境を安全に保つことを可能にするのだ。
ピョートル・コノワロフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/08/18/how-beijing-helps-tehran/
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