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米欧、人権やテロ懸念協議 タリバンは「女性も政府に」/日経
南西ア・オセアニア
2021年8月17日 20:00 (2021年8月17日 23:35更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB173V20X10C21A8000000/
【ワシントン=中村亮、北京=羽田野主】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンによる全土掌握を受け、米欧各国が女性の人権侵害やテロの温床化への懸念を強めている。17日、北大西洋条約機構(NATO)は大使級、欧州連合(EU)は外相の緊急会合を開き、アフガン情勢を協議した。一方、中国やロシアは実利優先でタリバンによる政権樹立を容認する構えだ。
NATOのストルテンベルグ事務総長は緊急会合後の記者会見で「タリバンは(カブールの)空港からの出国を希望するすべての人々を尊重し、安全に出国させなければならない」と強調した。
AP通信によると、タリバンは17日、女性に新たな政府に参加するよう促すと発表した。米軍と協力関係にあった関係者や敵対勢力を対象とする「恩赦」も表明した。
タリバンは1996年から2001年に政権を握っていた際、極端なイスラム教の解釈によって女子教育を禁じた。融和姿勢を示すことで、タリバンの復権に対する国民の不安の沈静化を図った可能性がある。
ブリンケン米国務長官は16日、中ロの外相とそれぞれ電話協議を実施した。ロシアのラブロフ外相とは、タリバンによる政権の承認条件などをめぐり意見を交わしたとみられる。ブリンケン氏は15日の米メディアインタビューで承認条件について、@女性の権利など人権の尊重Aアフガンで国際テロ組織の活動を認めない――を挙げた。
タリバン側がこうした条件を満たすためのハードルは高そうだ。タリバンの指揮官は16日、米メディアに「アフガンの女性は通常の生活を継続できる。我々は何も言わないし、学校にも行ける」と語った。ただ、女性はイスラムの教えに従い目以外の顔と髪を覆う「ニカブ」を着用することが求められるとも述べた。
「ニカブ」は内外で女性抑圧の象徴として受け止められている。米メディアは、タリバンが支配地域の女性に戦闘員との結婚を強制していると報じており、対外的な発信と実態に食い違いが生じている可能性がある。
米軍によるアフガン侵攻の発端は01年9月の米同時テロだった。当時のタリバン政権は国際テロ組織アルカイダの指導者で首謀者とされたウサマ・ビンラディン容疑者の引き渡しを拒んだ。
グテレス国連事務総長は16日の安全保障理事会緊急会合で「国際社会が一丸となり、アフガンが二度とテロ組織の温床として利用されないようにしなければならない」と語った。
国連は6月の報告書で「タリバンとアルカイダは緊密に連携し、関係を断ち切る兆しはみられない」と明記した。アルカイダはアフガンの東部や南部などの少なくとも15州に拠点を設け、対パキスタン国境近くでも積極的に活動しているという。米欧は実行犯の訓練や情報宣伝などアフガン発のテロ拡散に身構える。
主要7カ国(G7)首脳会議議長国、英国のジョンソン首相はフランスのマクロン大統領との16日の電話協議で、近くオンライン首脳協議を開く意向を伝えた。
ロシアや中国は中央アジア諸国や中国・新疆ウイグル自治区へのテロ組織や過激派の流入を警戒しながらも、タリバンによる政権の承認には柔軟な姿勢だ。
ロシアは03年にタリバンを「テロ組織」に指定したが、近年はタリバンを招いて関係者協議を主催するなど関係強化を図ってきた。7月には訪ロしたタリバン幹部との協議で、ロシアや中央アジア諸国に「不利益を与えない」との確約を取り付けたとしている。
タリバンによる政権を承認するかは、「急いでいない」(ラブロフ外相)と留保しつつも、政治的な接触を維持して混乱が飛び火するのを防ぎたい構えだ。
中国の習近平(シー・ジンピン)指導部はタリバンによる政権掌握を事実上容認する。7月にはタリバン幹部が天津を訪れ、王毅(ワン・イー)国務委員兼外相と会談した。王氏はタリバンは「アフガンで決定的な力を持つ軍事、政治勢力だ」と持ち上げ、「アフガンの和平と和解、復興の過程で重要な役割を発揮してほしい」と続けた。
中国はこれまで築いたタリバンとのパイプを生かし、テロ対策の徹底を求めていく。同時にアフガンの復興を後押しして、米軍撤収後の中央アジア地域での影響力確保も狙う。
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