http://www.asyura2.com/21/kokusai30/msg/749.html
Tweet |
ヨーロッパにおけるアメリカの凋落を示すノルドストリーム2
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-3779af.html
2021年8月 1日 マスコミに載らない海外記事
2021年7月28日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook
ノルドストリーム2を邪魔をしないというアメリカの「決定」は、決して驚くべきことではない。彼らがアメリカは「ロシアがヨーロッパで、エネルギーを地政学の武器として使用したり、ウクライナに対する攻撃を拡大させたりするのは許さない」と言って、アメリカ当局者が、自分たちを外交上の勝者のように見せる決断をしたが、アメリカがドイツを強制的に屈伏させる影響力を持っていない事実は依然として変わらない。ドイツ当局者は、ウクライナの「グリーン電力」に1億7500万ドル投資し、モスクワ-キエフがエネルギー通過協定を延長したことを確認したが、これら合意は、ヨーロッパへのアメリカ・エネルギー供給を優先して、ノルドストリーム2プロジェクトを丸ごと解体するという、アメリカの狙いからは、全くほど遠い。ドイツがウクライナへの投資に同意し、金の力で不利な状況を切り抜けたが、プロジェクトの99パーセントが完成している事実は、そのままで、アメリカが、結局は、アメリカが、中国に対処するため、この組織を必要としている時に、NATO内に本格的な危機をもたらす、ドイツとの関係を犠牲にして、最終区間の完成を阻止するのは常に困難だった。
おだてて、プロジェクトを放棄させるにはドイツは余りに、はっきりものを言い、ドイツでの来る選挙後、政権交代後でさえ、状況は変化しない可能性が極めて高いことをジョー・バイデン政権は思い知らされたのだ。これはドイツ人の圧倒的多数が、このプロジェクトを支持しており、これはどのドイツ指導者も、自分の政治生命を犠牲にしない限り、無視できない事実なのだ。5月に行われた最近の調査が、ドイツ人の約75パーセントが、このプロジェクトを支持しており、反対は、わずか17パーセントであることを示した。世論調査は、従って、ドイツにはアメリカの政策に対する本格的支持がないことを示している。ドイツ東方ビジネス協会のオリバー・ヘルメス理事長が言ったように、この結果は「このプロジェクトに反対する制裁に屈服しないようにという現在と未来の連邦政府とドイツ政治全体への明確な委任」を示している。アメリカへのメッセージは明確で疑う余地はない。EUで最も強力で影響力がある国ドイツが、脅しで屈伏させられることはあり得ない。
だから、アメリカが、ドイツをアメリカの思い通りにさせるのに失敗したこと、とりわけアメリカ当局者が「もしロシアが、これらの有害な活動に関与すれば、制裁やエネルギーの流れの分野を含め、ロシアに莫大な費用を課すべく、我々の同盟国とパートナーと協力」し続けると確言したのは、アメリカ権力の大規模凋落を示している。実際は、ジョー・バイデン政権は、アメリカ制裁で、このプロジェクトを阻止するのは可能でないことを知っていた。彼らはアメリカ制裁が容易に回避できるのを知っていた。例えば、トランプ政権がバルト海にノルドストリーム2パイプを敷設している企業に制裁を課した後、ロシアは自国の船を送り、アメリカは、それらの船舶もブラックリストに載せたが、仕事はほとんど完了している。
言い換えれば、失敗した制裁戦略と、「アメリカ・ファースト」による四年にわたる崩壊後、世界問題へのアメリカの「復帰」というジョー・バイデンの発表後でさえ、アメリカ支配権の急速な衰退を明らかにするドイツの自信に満ちた態度が複合した結果なのだ。世界舞台へのアメリカの復帰というバイデンの計画は、様々な出来事の進路を望ましい方向に進められていない現状は、将来目的を達成する能力に疑問を生じさせる。
換言すれば、アメリカ当局者は、ウクライナの権益を保障する、自分たちの能力を素早く陽気に分析したが、アメリカがロシア-ドイツ関係の発展に、いかなる政治的制約も課し損ねた事実は変わらない。ノルドストリーム2が、ロシア-ドイツ関係に対し、ドイツがアメリカの影響力から自立した当事者としての立場を強化するのに役立つ影響を与えることも変わらない。言い換えれば、アメリカに権益が脅かされた場合、主権を主張するドイツの成功は、そうした習慣を強化する結果になる。
ウクライナの立場に関しては、(これはプーチンのアンジェラとの電話会話で論じられた)ウクライナとの協定を2024年以降まで延長する機会を求めるロシアの意欲は、ロシアを、エネルギー資源の信頼できる供給国として見せるだけでなく、この地域における地政学的立場を強化するのが可能になるのだから、利益を得る立場にあるのは、アメリカよりロシアだ。実実際、協定を延長するロシアの意欲は、ウクライナへの金の流入を維持し、ウクライナの経済に貢献し、ロシアが、そうでないより、ずっと良い方法で、権益と紛争を、そうでない場合より、ずっと良い形でバランスをとることを可能にする。要するに、ヨーロッパへのロシア・ガス供給はウクライナ経済に貢献し、ロシアは、この地域の問題、特にロシアの裏庭に対するアメリカの干渉に関し、必然的により大きな発言権を持つことになろう。
アメリカ議会の共和党と民主党両党が、このプロジェクトに反対し続けるのは、まさに、このプロジェクト完成が、必然的にロシアの権力に貢献する事実ゆえだ。だが彼らの反対は、どんな形にせよ、プロジェクト自体も、ドイツも撃ち損ねた。アメリカが、事態の進展を自国の独占的利益の方向に変えそこねた現実は、アメリカ政治家連中が決して慣れていない、アメリカ政治に対する強烈なパンチだ。
Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの外交、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/07/28/nord-stream-2-signals-american-decline-in-europe/
----------
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。