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「ジュネーブ精神」を覆すバイデンの新ロシア制裁
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2021年7月21日 マスコミに載らない海外記事
2021年7月16日
Salman Rafi Sheikh
New Eastern Outlook
アメリカが、主要競合相手として、中国と相対している時代に、アメリカ-ロシア関係を再定義する上での大跳躍だと、ジュネーブでのバイデン-プーチンサミットを巡る多くの楽天主義があったが、サミット後の進展は明らかに、アメリカには焦点を当てるべき他の国かあるからといって、アメリカとロシア間のライバル関係を克服するには余りにも深いことを示している。日曜日、サミットの2日後、バイデンの国家安全保障補佐官ジェイク・サリバンはCNNインタビューで、ロシアがナワリヌイを手荒く扱っているかどで、アメリカは既に新たな制裁の波をロシアに課す準備をしており、ワシントンは「90日ごとに、ノルドストリーム2建設に関係しているロシア企業に対する制裁を適用し続ける」と述べた。ワシントンが素早く、良く知られた制裁戦略に戻ったのは、ジョー・バイデン一味が、本質的に、対中国集団に、ウラジーミル・プーチンを引き込み損ねたことを示している。多少の「基本的な」中国-ロシア間緊張を激化させて、中国からロシアを引き離せるという彼らの希望は、そもそも、何よりも、一極支配を確立しようというアメリカの野心に対して存在しているロシア-中国の結びつきの強さに対する、またしても、非現実的な評価であることが分かった。
駐アメリカ・ロシア大使アナトリー・アントーノフが、サミットから数日後に予想されるものではない制裁に敏速に対処したが、中国、ロシア両国に対し、欧米同盟を再構成するワシントンの取り組みが既に十分進行しているのは依然変わらない。
バイデンのヨーロッパ歴訪に続いて、アントニー・ブリンケン国務長官も、あるアメリカ外交官が、世界の「独裁主義を制御する」立場につく試みと呼んだものを実現しようと、ヨーロッパ歴訪を開始した。今ワシントンDC界隈で「独裁主義」と呼ばれているのは、一般に、アメリカの最も強力な競争相手、中国とロシア、米国の一極世界覇権を壊し、ヨーロッパを含め、全ての国にとって、公平な、一層バランスがとれた多極体制をもたらすことを目指している二国を意味するのは周知の事実だ。
ブリンケンが構築しようとしているのは「ロシアの脅威」に対し、よみがえったNATOの決意だ。最近のブリュッセルでのNATOとバイデン会談後、連合は、これまでで初めて中国に対抗すると誓ったのみならず、ヨーロッパを酷く「傷つけた」いわゆる「ニセ情報キャンペーン」でロシアを標的に定めた。「我々は状況認識を強化し、反情報キャンペーンを含めて、包括的予防や反撃の選択肢を開発することで、ハイブリッドの脅威に対処するため我々が自由に使える手段を拡張している」とNATO-バイデン・サミットの最終のコミュニケは語っている。
バイデン政権が、中国やロシアに対する戦争を、経済ベンチャーも含む「東方独裁主義」に対する「欧米民主主義」体制の優位のための広範な「戦い」として描いているのは明白だ。
例えば、アメリカがノルドストリーム2プロジェクトに関係するロシア企業に制裁を適用し続けている事実は、バイデン政権は、ロシアに対するヨーロッパの依存を増大し、西欧民主主義諸国にとって悪影響をもたらしかねない、ヨーロッパのエネルギー安全保障を傷つけると見なすプロジェクトに対し、措置をとり続けることを意味する。アメリカが、ヨーロッパに対して、実に頻繁に、ヨーロッパに対する障害を作り出し、直接主権を傷つけている事実は、アメリカ・メディアを含め、ワシントンDC界隈における誰も悩ませるように思われないが、ロシアや中国やヨーロッパに対するアメリカの行動の大部分が、少なくとも西欧中で、ワシントンの覇権者の地位を維持することに目標を定められたままなのは変わらない。
一連のアメリカ政権が、ロシアと中国を「カラー革命」で打倒する必要がある「権威主義」政権として表現し続けているのは、アメリカの指揮下で、欧米をまとめるのが狙いだ。このため、バイデン政権のナワリヌイへの固執は、アメリカが狙いを定めた国の全くの内政問題を、国内の政治的大変動による「政権転覆」のための必要条件を作り出すことを狙っていることを示している。バイデンがサミットの前と後に述べたように、私は[刑務所でナワリヌイが死んだ場合]の影響は、ロシアにとって破壊的であることを彼[プーチン]にはっきり言った」。
この全て、ロシア(同じく中国)に対して、統一欧米戦線を作るというバイデンの手法は、彼が2021年2月に行った最初の国務省演説で早々表明した考えだ。シンクタンクEuropean Council on Foreign Relationsのジェレミー・シャピロ所長によれば、バイデンの政策は「中国とひとくくりにしてロシアに対する信じられないほどタカ派の手法で、独裁主義に対する世界新冷戦を定義する」21世紀のアメリカ自身の生き残りにとって極めて重要な政策だ。
この文脈で、バイデン政権が、西欧とロシア(と中国)間では、ビジネスができない、二つの、相互に対立し、相互に排他的な体制として、不和を引き起こす取り組みを、どのように再開したかを見れば、ロシアとアメリカの関係の基本的「リセット」を巡る陶酔感は終わったことが明白だ。今後数年で、ロシアとアメリカ(そして中国とアメリカ)間の競争が進展するにつれ、ライバルに対するアメリカ言説は一層対決主義的、介入主義的になるだろう。同時に、アメリカはNATO同盟内外で、ヨーロッパの戦略的自立を最小限にするため「中国脅威論」と「ロシア脅迫論」念仏をヨーロッパに売り込み続けるだろう。
Salman Rafi Sheikhは国際関係とパキスタンの外交、国内問題専門家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/07/16/biden-s-new-russia-sanctions-reverse-the-geneva-spirit-2/
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